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「いっつも、最初に言って欲しいことを後回しにする」

(略)

「それでも、すっごく、嬉しい」

 

人気アイドルグループのメンバー、桃花愛未を推している会社員の主人公。

そんな彼女に熱愛報道が出たことで、会社を休んでしまうくらいにはショックを受けたみたいですが。

その週刊誌報道の写真をよくよく見てみると、モザイクを掛けられた男が自分である可能性に気が付き、そこから財布を拾って渡してあげた少女の事とかを思い出したわけですが。

一般人である自分に何ができるわけでもなく、沈黙を選ぼうとした彼のSNSに謎のアカウントからメッセージが送られてきたりして、否応なく巻き込まれていくことになります。

 

アイドル事務所も無関係な一般人だと声明を出しましたが、縁が出来て直接話したアイドル桃花に言わせれば、古い体制のところで……。

活動を続けていく中で、どうしてもアンチが沸いて心がささくれ立つ出来事は多くあるけど、メンタルケアなどには手を裂いてくれなかった。

今までの積み重ねによって、彼女はアイドルを辞めたいと言い始めて……最推しの彼女からそういわれて、衝撃を受けながらも、彼女の意思を尊重したいと言えた主人公は偉い。

 

……それはそれとして、彼女の行動に迷いが見えた時には、『後悔しているんですか?』と問いかけたりするあたり、彼自身が自覚している通り、アドバイスを送ったけれど彼もまた迷ってるんだよなぁというのが伝わってくる。

アイドル桃花ではなく、本名の山本美依奈として再起することになって。主人公の新木もいろんな点で交流が続いていくことになって……。

距離を測りかねている2人の不器用な交流が微笑ましくて、穏やかな幸せに結びついてくれればと思わずにいられませんが。初手雑誌にすっぱ抜かれたところから始まってるし、微妙に不安材料はあるよなぁ、感。