気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

カリマリカ

地獄の沙汰も黄金次第~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~3

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「そうね。そもそも、私は魔女と自称もしていないし、フロンティア人とも言ってない。あなた達が勝手に言い出したことよ」

(略)

「勝手に決めつけて、恐怖しないでもらえる? 善良な一冒険者よ」

 

黄金の魔女エレノアと、一般冒険者沖田としての二面生活を続けている主人公。

ナナカが攫われて、アメリカの工作員ハリーとクレアの協力を得て救出に成功してからも、変わらず活動を続けていたわけですが。

攫われたときにナナカが魔女の弟子を自称して巻き込まれたから、いっそ弟子として認めることで今度自分がトラブルにあった時は巻き込む覚悟の沖田くんは本当にもう……。

 

剣術スキルレベル6とかいう、初心者中心とはいえ受付嬢やってるカエデちゃんが知らないくらいの領域に足を踏み込んでいる一方で、錬金術スキルの方もレベルが上がって作れるもの増えて行ってるんだから、成長が著しいというか。

遅くから冒険者になっただけあって、成長の余地がありすぎる。

クレア……ひいてはアメリカとの交渉中であるレベル2回復ポーション。議員の暴走でその契約が御破算になった日本も当然挽回を狙っているわけですが。

 

本部長子飼いの冒険者である三枝ヨシノが、沖田くんに近づいてくることになって。

高ランク冒険者であるヨシノのパーティメンバーであるBランク冒険者のリンでも、剣だけの勝負なら無理、と判断するくらい沖田の剣の腕が確からしいですねぇ。

実際には魔法を使えたり、高額で頼れる装備を持ってたりするから、いざ戦ったらまた違う結果になりそうですけど。……なんかゲーム的に言うとバフ駆けるポーション作れるようになってるし、なんだかんだエレノアが勝ちそうな感じはある。

ヨシノが「沖田=エレノア説」を疑って、調べて、家にまで踏み込んできた時、それまで交流して一緒に冒険する間柄になったことから生じる油断があったとはいえ、ヨシノあっさり薬盛られてましたしね……。

少しずつ黄金の魔女の正体に気付く人が増えていますが、おおむねエレノアの齎す利益で口を噤んでるの、なるほど『地獄の沙汰も黄金次第』というタイトル通りだなぁ……って読み味ですね。

異世界刀匠の魔剣製作ぐらし2

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「君には敵も居れば味方もいる。それだけは忘れないで欲しいね」

 

鬼哭刀を携えて武具自慢の集まりに参加した伯爵、マクシミリアン。

そこでベオウルフ・エルデンバーガー侯爵から、とある話を聞かされることに。南の国境で十年ほど小競り合いが続いていた異教徒の国と和平交渉が進んでいること。その際に贈り物をしあう文化があるとかで、交渉材料の一つとして鬼哭刀を使うことになるかもしれない、ということ。

 

ちゃんとマクシミリアン相手の見返りも用意しているあたり、侯爵もしっかり政治やってるなって感じでしたが。付与術については詳しくなく、蛮族と侮っている相手にしてやられて、難易度の高い「光属性の付与を五文字で」という無理難題に肯いてしまうことに。

ゲルハルトが叫んでいたのもむべなるかな……。

刀鍛冶ルッツと、装飾担当のパトリックが最高の物を拵えてなお、ゲルハルトは成功するイメージを持てなかった。

そんな時彼の弟子であるジョセフが「付与に耐えうる宝石に心当たりがある」と言い出して……相手が交渉の席に持ってくる「覇王の瞳」と謳われるダイヤを付与に使って、相手に贈ろうとか言うトンデモ提案をすることになっていたの、ちょっと笑っちゃった。

まず伯爵に説明し、連れ立って侯爵の説得にいき、三人で国王を説得しに行って誰もが怪訝そうで心配してくるのも分かる。

 

会談の現場で見事付与を成功させたのはお見事でしたが……あまりに見事過ぎたことで逆に隣国が乱れることになろうとはね……。

和平交渉で五年の停戦を約定したから王国側からできる事はほとんどない騒動は、正直まだ尾を引きそうな気配がありますけど。

一旦は交渉がまとまったのも確かで。その交渉材料として寄与した刀の製作者であるルッツは未だに誰の庇護下にもない流民の扱いであった。

そのため、ゲルハルトを通じて伯爵のお抱え職人になるという話が出て……ギルドに所属していないけれど、お抱えになった以上は付き合いもあるということで刀作成の場面を親方衆に見せていたのは、クラウディアの提案でしたがなかなか良かったのでは。



異世界刀匠の魔剣製作ぐらし

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「申し訳ありませんが研ぎの仕事がまだまだ残っています。場所をお教えしますので後日、俺の工房に来ていただけませんか」

「金貨数百枚単位の仕事だとしても、優先できませぬか」

「金額で優先順位を変えるような事をしていたら信用を失います。木こりからも、貴方からも」

「わしからも、か」

 

主人公のルッツは、城壁の外で暮らす訳アリの鍛冶師。

厳密には訳ありだったのはルッツの父ルーファスで、彼もまた鍛冶師であったがトラブルに見舞われ流浪の民となり、その果てに結婚相手を見つけてルッツが生まれ……ルッツは父から鍛冶の技を叩きこまれたそうです。

ただまぁ、ルッツも鍛冶ギルドには参加していない、領主が管理していない城壁の外で凶器となりうる刀を作っている、不審人物扱いされても文句は言えない立場ではあったようですが。

 

馴染みの商人クラウディアから斧とかを頼まれて作っていたみたいですが。

ある日、父の教えを糧に、まるで魅了の魔術でもかかっているかのように人を引き付ける刀を作り上げることに成功。

傑作ではあったものの、先述の通り立場のある身ではなかったために、売る宛もなく倉庫の肥やしになりそうでしたが。

クラウディアが冤罪で囚われたと聞いて、その代価として刀を手放すことに。

知人を助けるためだとかいろんな事情があった上での行動で……なんだかんだその後クラウディアと懇ろな関係になっているので、得るモノが大きかったんじゃないでしょうかね。

 

クラウディア冤罪で捕まえたみたいに、取り締まり担当している騎士団の下っ端はゴロツキみたいな連中が多いみたいで、そこはなんだかなぁ……って感じではありましたけど。

その刀が巡り巡って領主の信頼厚い職人、付与術士のゲルハルトの手に渡ったことでルッツ達の運命は変化していくことになるわけです。

 

付与術士という字面から分かる通り、ゲルハルトは物体に文字を刻み特殊な効果を齎す術を扱う職人であったわけですが。単体でも人を魅了し、刃傷沙汰にもなり得る武器に「魅了」の術を刻むあたりぶっ飛んでるんですよね……。

そんなゲルハルトに目を掛けられることになったルッツも、どうしようもなく職人肌で。交渉を担当してくれるクラウディアが傍にいてくれるの、実利的な側面から見てもかなりありがたい。

 

ゲルハルトとの縁が出来たことで、領主に献上する刀を作ることになったりもしてましたが。

ルッツ、刀造りは得意でもネーミングセンスに欠けていたりするみたいですから、そのあたりもクラウディアがサポートしてくれてたのは良かったね……。

鬼哭刀と名付けられた刀を伯爵が気に入ってくれたのも何よりでした。ゲルハルトと付き合いの長い、停滞し続けていた鍛冶士ボルビスと知識を伝え合う機会にも恵まれて……ボルビスの作った刀をゲルハルトが振るうシーンが印象的で良かったです。

地獄の沙汰も黄金次第~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~2

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「脅したのはあなた達でしょ? 私は聞いただけ」

(略)

「もう話はない? じゃあ、あなた達は私にケンカを売ったことの言い訳でも考えてなさいよ。ばーい」

 

前代未聞の千キロのアイテム袋をオークションに出品し、世界中から注目を集める黄金の魔女エレノア・オーシャン。

当然そんな存在を捨て置けるはずもなく、アメリカからAランク冒険者が派遣されてエレノアに接触してきたり、魔女の周りは話題に事欠きませんねぇ。

まぁ逆に注目されすぎているからアメリカは誘拐したりするのではなく、日本と国交のある立場を活かして上手く利益を取っていく構えのようですが。Aランク冒険者も、主たる目的は護衛みたいでしたしね。

 

……まぁエレノアが何気なく作った翻訳ポーションの「どの国の言語にも聞こえる言葉」が、三十年前にフロンティア人が接触してきた時に聞いたのと同じだったことから、彼女をフロンティア人だと誤解したから、という部分もありますが。

色々と世間を騒がせているけど、当人は「ミステリアス路線は成功だったわね。ミステリアスすぎるけど」と、大分楽観的なの笑っちゃうな。割と元からか。

 

隠密性能の高いハイドスケルトンだろうと察知して、首を狙える剣の腕があることもあって、近距離ならどうにかできるだろうみたいな感じで怪しいタクシーに乗り込んだりしてるの、危ういと思うんだけどなぁ。

……でも、実際に乗り込んだ結果上手い付き合い方に辿り着いているし。新たに持ち込んだレベル2の回復ポーションの交渉に議員が割り込んできても、魔女ロールプレイで蹴散らしていたしで、なんだかんだうまく乗り切ってるんですけどね。
ユニークスキル持ち、どいつもこいつもノリが軽いのもあってサクサク読めるのが良かった。

地獄の沙汰も黄金次第~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~

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『……魔女め! 貴様、何者だ!!』

『ふふっ。ご自分でおっしゃってますし、冒頭でも紹介してたじゃないですか』

(略)

『黄金の魔女……』

 

フロンティアと呼ばれる異世界と繋がった世界。

人々はフロンティアに許された範囲で、資源を求めた探索を行うことになって……。

現在は資格取得したものであれば、民間人であってもゲートを潜ってフロンティアに向かうことができるようになった。

厳密には異世界探索、なんですけど現代ダンジョンもの風というか。実際冒険者として赴いた時に、スキルとかレベルとか確認できるからゲーム的ですねぇ。

 

サブタイトルでざっくり序盤の流れが分かる系の作品ではありますね。

「明日から来なくていいよ」とクビになった主人公が、冒険者になることを決めて。ブラック上司とブラック企業滅びればいいのに。というのはさておき。

主人公の沖田君、学生時代にそこそこ付き合いがあった後輩少女のカエデちゃんと再会した時も覚えてなかったし、ノリが軽くて挑発的な言動もあるから、彼も癖が強いキャラではあるんですよねぇ……。

ブラック労働で病んでてボロボロになってる部分もあるっぽいですけど、ある程度は彼の素だろ……学生時代から知ってるカエデちゃんの反応からして。

 

父から剣術を教わっていた経験もあってか、レベル1で剣術スキル5とかあって素のスペックも高い方なのに、ユニークスキルで錬金術ってものを得てしまったのが、全ての原因だったというべきか。

初期レベルから回復ポーションのほかに、「性転換ポーション」なんてものまで作ることが出来て。さらにはその素材が水と小麦粉なんていうお手軽さで。

 

沖田君、ノリは軽いけれどさすがに本名でその特異さを披露するのは避けて、性転換ポーションで女性の姿を取った上で行動をとるようにしていたのは、良かったですけど。

規約ちゃんと読んでなくて不審な行動取るし、言動も緩いしで、カエデちゃんが受付嬢としてついてくれなかったら、もっと騒動になっていただろうなぁ……。

ちなみに本作の性転換ポーション、わりと高性能ですよね。ただ性別が変わるんじゃなくて、身長とかも変わって違和感のないスタイルになるっぽいですし。性転換時は別人の判定になるのか、「女性の姿で金髪に染めても、男性に戻った時は自前の黒髪のまま」とか変化の記憶効果があるの、地味に便利。

 

まぁ本人はお気楽なんですが数百円の素材で、数十万のポーションとか数千万のアイテム袋とか作れちゃうの、ヤバいよなぁ。支部長が頭抱えるのもむべなるかな。

これまでに存在しなかった大容量アイテム袋をオークションに出品し始めたり、他の人々も注目し始めましたが……「黄金の魔女」って異名は、わりと正鵠を射てる感じがしますなー。

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