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「そんなおもしろそうな役、やらないなんてもったいないです」
悪役ばかりを演じると、役者自身にそういうイメージがついて嫌われかねない。だから、敬遠する人もいるようですが。
貧乏育ちで家庭にも問題を抱えていた桐王鶫は、悪役でも「面白そう」と手を挙げる気概を持ったホラー女優で、ハリウッドを目指す夢もあったが……事故で死亡。
気が付いた時には、令和の時代に転生。なんの因果か名前は同じ「つぐみ」で……裕福かつ愛情にあふれた家庭に生まれ、今世でも女優になりたいと願うように。
とある事故に巻き込まれ入院した結果、記憶を取り戻したようですし引き続きついてない。ただ、ハーフ美少女という容姿の強みに、前世の経験を覚えた状態。更に、かつて努力を重ねて習得した技術を扱える天性の才覚があって……役者になるべき子って感じが強いです。
両親も突然女優になりたいと言い出した娘を、全力でサポートしてくれてるのはいいですけど……事務所を新設したり、子役オーディションにコネでねじ込んだり色々と無茶してますよね。
まぁオーディションの方は元々、女優の子供たちを取る出来レース的な側面があった所に殴り込んだ形で、不快感はないですけどね。それどころ、監督を筆頭に関係者の思惑をぶち壊して実力を見せてくれたのも面白かった。
前世の「鶫」の影響を強く受けている現役関係者たちのエピソード。そして今世の「つぐみ」が出会った同年代の子役たちが抱えている事情。それらに加えて、出演作品の描写など。情報が多いですが、かなり丁寧に描いてくれたという印象です。
亡くなってしまった「鶫」の影は年長者たちだけではなく、つぐみ自身にも影響を与えていて。前世は夢こそあったけれど貧乏・家族と問題を抱えていて、両親から与えられる愛を上手く実感できてなかったりするんですよね。
つぐみが仲良くなった子役仲間も、それぞれに影を抱えていてハラハラする部分もありますが、どうか幸せになってほしいなと願わずには居られません。
