「僕が間違っていた。正しいことに疑問を向けすぎた。間違っていることに肩入れしすぎた。容赦も遠慮もすべきではなかった。ちゃんと、言わなくてはいけなかったんだ」
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。
三十一文字の歌が奪われ、歪んで帰ってきた世界。
歌に関連する独立機関として、歌典寮は国からも認められた地位を持っていた。
中でも、特に権力を持つ六歌澪と呼ばれる家が存在しているそうで。
その内の一人が、祝園の家を訪問。近く行われる会合場所に、一人戦国時代の犯行予告が届いたとかで、助力を要請。
ま、一番若い彼の独断っぽくて、ジジババは面白くなさそうでしたけど。
会合だけで終わるはずもなく、会合場所付近では喉貫き事件なんて物騒な事件も起きているとか。
それにも歌が使われていたこともあった、なんて前振りもあったためか。
はたまた真晴の名前が出たためか。完道はその話にのって、会合場所まで足を運ぶことに。
現地の人と交流してお菓子を与えられている藍佳が可愛くて良かったですね……。
そして、それだけ役者がそろって何事も起きない筈がなく。
案の定事件が起きて、人が死んだりしてるわけですが。喉貫き事件と同じ状況で関係者が死んでも、それを隠匿した上で会合を続ける神経の太さは凄い。
狸ばっかりだな、歌典寮。正確には六歌澪ですけれど。
喉貫き事件の犯人と疑われている相手の情報と、挙動が怪しい使用人の事があったので。ミスリードで使用人が何か仕出かすのかと思っていましたが。
……ミスリードはミスリードでも、そっちかぁって感じで。綺麗に騙されました。
罠を張っていた人物が、意地を張って逃げて。「詠んでたまるか……」と口にした場面が結構気に入っています。
まだ、心は折れていないようですし。3巻ではまた色々と企んでくるんだろうなぁ。楽しみ。