大事だから、失いたくないから。
隠して、装って。
だからこそ、きっと失ってしまう。
そして、失ってから嘆くのだ。失うことが分かっているなら手にしない方がマシだったと。手放して死ぬほど悔やむくらいなら諦めた方が良かったと。
今回のイベントは、修学旅行。定番の京都コースですが。
奉仕部に持ち込まれた依頼は、葉山の友人、戸部からのもので。
文化祭で評判が落ちた八幡に相談することにためらってましたが。その態度をみて、由比ヶ浜と雪乃が厳しく当たってくれたのは、うれしかった。
で、戸部が改めて持ち掛けてきた依頼は、気になる相手に告白したいから協力してほしいというもので。
由比ヶ浜なんかは結構乗り気でしたね。恋愛沙汰好きだよなぁ……
一方で八幡は同じように持ち込まれた「もう一つの依頼」に頭を抱えたりしてます。
葉山の態度にも引っかかるものを感じながら、それでも活動をやっていたわけですが。
八幡と葉山は、仲がいいわけではないのに、なんだかんだ理解しているような雰囲気がありますね。
お互いを認められないという点が共通している、ような印象。
八幡も奉仕部に入って、大分変ってきたと思っていましたが。
そうして変わった結果、導いた答えがアレか、と少し悲しくなってしまいました。
ベターっていうかビターな結末になっているじゃないですか……
依頼は確かに果たされた。けれど、誰も報われていない。これまでは八幡自身が「こういう自分が嫌いじゃない」と自分を肯定できる手段をとってましたが。
今回彼は、自分が行動を起こした結果、自分が最も嫌っていた欺瞞に満ちた言い訳を口にする羽目になっていたじゃないですか。
八幡がここまでする必要はなかったんじゃないだろうか、と思ってしまう。彼らの関係なのだから、彼らに答えを任せた方が良かったように思うんですが。
失いたくないためについた嘘で、壊してしまっていたら、意味がないだろうに。
そんな苦い終わりをした後に、6巻の後夜祭に誘われた場面のその後が描かれているというのは、酷い話です。
この時は、三人の関係が安定してきて、八幡を認めてくれていた二人がいたのに。最新の状況ではヒビ入ってますからね……