気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ガガガ文庫

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7

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大事だから、失いたくないから。
隠して、装って。
だからこそ、きっと失ってしまう。
そして、失ってから嘆くのだ。失うことが分かっているなら手にしない方がマシだったと。手放して死ぬほど悔やむくらいなら諦めた方が良かったと。

今回のイベントは、修学旅行。定番の京都コースですが。
奉仕部に持ち込まれた依頼は、葉山の友人、戸部からのもので。
文化祭で評判が落ちた八幡に相談することにためらってましたが。その態度をみて、由比ヶ浜と雪乃が厳しく当たってくれたのは、うれしかった。
で、戸部が改めて持ち掛けてきた依頼は、気になる相手に告白したいから協力してほしいというもので。
由比ヶ浜なんかは結構乗り気でしたね。恋愛沙汰好きだよなぁ……

一方で八幡は同じように持ち込まれた「もう一つの依頼」に頭を抱えたりしてます。
葉山の態度にも引っかかるものを感じながら、それでも活動をやっていたわけですが。
八幡と葉山は、仲がいいわけではないのに、なんだかんだ理解しているような雰囲気がありますね。
お互いを認められないという点が共通している、ような印象。

八幡も奉仕部に入って、大分変ってきたと思っていましたが。
そうして変わった結果、導いた答えがアレか、と少し悲しくなってしまいました。
ベターっていうかビターな結末になっているじゃないですか……
依頼は確かに果たされた。けれど、誰も報われていない。これまでは八幡自身が「こういう自分が嫌いじゃない」と自分を肯定できる手段をとってましたが。
今回彼は、自分が行動を起こした結果、自分が最も嫌っていた欺瞞に満ちた言い訳を口にする羽目になっていたじゃないですか。

八幡がここまでする必要はなかったんじゃないだろうか、と思ってしまう。彼らの関係なのだから、彼らに答えを任せた方が良かったように思うんですが。
失いたくないためについた嘘で、壊してしまっていたら、意味がないだろうに。

そんな苦い終わりをした後に、6巻の後夜祭に誘われた場面のその後が描かれているというのは、酷い話です。
この時は、三人の関係が安定してきて、八幡を認めてくれていた二人がいたのに。最新の状況ではヒビ入ってますからね……


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6

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「比企谷。誰かを助けることは、君自身が傷ついていい理由にはならないよ」
(略)
「いや、別に傷つくってほどのもんでも……」
「……たとえ、君が痛みになれているのだとしてもだ。君が傷つくのを見て、痛ましく思う人間もいることにそろそろ気づくべきだ、君は」

今回は、文化祭です。
文化祭の実行委員をやる羽目になってしまった、八幡。
雪乃との距離感を測り兼ねたまま、どうにも調子がつかめない。
けれど、委員会の会合にいってみれば、その雪乃も参加していて。
二人とも委員長をやるようなキャラじゃないですが、仕事振られれば、しっかりそれを成し遂げるんですよね。

委員長になったのは、八幡のクラスメイト相模という少女。
八幡的視点でいうと、クラスカーストの上位だがトップ集団に加われていない、No.2集団のトップという微妙な位置。
また、彼女が色々と状況をややこしくしてくれているんですよねぇ。
そのしわ寄せが八幡と雪乃に来ていて、おまけに最後に面倒事をより大きくしてくれて、あそこまで行くと一種の才能にすら思える。

由比ヶ浜は、実行委員には参加してませんでした。
彼女なりの成長がみられた、といいますか。八幡も雪乃も面倒な奴らだから、彼女なりに付き合い方を決めたようで。
こちらに近づこうとしている雪乃は待つことにした、と。
「でも、待っててもどうしようもない人は待たない」
(略)
「違うよ。待たないで、……こっちから行くの」
という言葉に、八幡も衝撃を受けてましたね。中々ここまで思い切って、宣言してくれる相手ってのはいないと思いますが。

葉山が八幡のやり方を見て「どうしてそんなやり方しかできないんだ」と零していましたが。
どうして彼はあぁいうことしか出来ないんだろう。結果は出ている。ベストではなくともベターな位置には持って行けただろう。
けど、それを見ていた周囲はどう思ったのか。本人は納得ずくでも、変化した評価を聞いた周囲は。
静先生の言っていた通り「君が傷つくのをみて痛ましく思う人間もいる」という話で。
奉仕部の面々が、変わらずにいてくれるのが、唯一の救いでしょうか。


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5

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「それでもヒッキーは助けるよ」
「そんなのわからんだろ」
なんの根拠があってそんなことを、と問うより前に、由比ヶ浜は俺を振り返る。
「だってあたしのことも助けてくれたじゃん」

由比ヶ浜が家族旅行に行く間、サブレを預かることになった八幡。
まぁ、小町と交流していて、そっちが引き受けたような流れなんですが。
どうしてあの妹は、兄よりも兄の知人と親しくなっているんだろうか……

もうすぐ夏休みが終わろうとしている時期。
八幡は予備校に行ったり、いつも通りぼっち充したりしているわけですが。
前回の奉仕活動から帰って以来、雪ノ下雪乃を見ていない。
メールで連絡している由比ヶ浜も、反応の鈍さに首をかしげていて。

雪乃がほとんど登場しないのに。
ふとした流れで八幡が出会う人がみな雪乃の話をして。
それぞれ立ち位置が違うから、見え方も異なっていて面白いですね。
平塚先生は割と八幡贔屓なところありますが、結構いい先生だと思うんですけどね。
どうして結婚できてないんだろうか。結婚したいオーラ出しすぎているのが悪いんだろうか。

由比ヶ浜と一緒に行った花火大会で、陽乃さんと出会って。
あの事故に雪ノ下が関わっていたという事実も発覚してました。
そうした事実をしって、知人友人が語る「雪ノ下雪乃」について考えて。
「では、比企谷八幡は」。いったい彼女をどうとらえていたのだろうか、と。
 
孤高を貫き、己が正義を貫き、理解されないことを嘆かず、理解することを諦める。その完璧な超人性は俺が会得せんとし、彼女が確かにもっていたものだ。

きっと彼女に憧れていた。
同時に、自分自身を好ましく思っていた。
けど、自分が嫌いになりそうだと彼は零した。
――雪ノ下雪乃ですら嘘を吐く。
そんな当たり前なことを許容できない自分が、嫌いだ、と彼は自分を評価しています。
これが平塚先生の言っていた彼の「潔癖」なところだと思うんですが。
先生の言っていた通り、いつか許せるようになってほしいと、切に願います。
歪んでいるかもしれませんが、八幡良い奴だと思うもので。 
いい感じにすれ違ってきてますが、この後どう展開するんですかねぇ。


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4

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「誰かを貶めないと仲良くしてられないようなのが本物なわけねぇだろ」
(略)
「……けど、そうやって偽物だってわかってて、それでも手を差し伸べたいっておもったなら、そいつは本物なんだろ、きっと」

夏休みに突入。
「休みは、休むだろ」という方針で、ぼっちライフを満喫しているあたり、八幡がぶれなくて、いっそ安心します。
小町の参考にするために過去の作文やらを引っ張り出してますが。
夏目漱石の「こころ」を読んで、あぁもマイナスベクトルの解釈ができようとは。
これはこれで一種の才能なんじゃないだろうか。
突き抜けすぎてて、評価はされない類だし、これを才能と呼んでいいのかは疑問が残りますが。

彼はぼっちライフを満喫しすぎじゃないですかね……
いや、今の自分を肯定してるから、主観的には問題ないんだろうけど。
彼なりに充実した時間を過ごしていたら、平塚先生の策略によって外に連れ出されて。

奉仕部の課外活動として、こき使われる羽目に。
千葉村で小学生がやるキャンプのボランティアスタッフ。
ただ、奉仕部の三人だけではなくて、内申加点してもらえると聞いたからとか、ただでキャンプに交じれるから、とかで葉山たちのグループも参加しています。
雪ノ下と三浦の犬猿の仲っぷりも相変わらずですね。思わず現実逃避している八幡は悪くないんじゃないかなぁ。

スタッフとして接しているなかで、孤立している少女を見つけて。
どうにか輪に加えられないものか、と思案していますが。
八幡の提示した方法が本当ななめ下過ぎて……一歩間違えたら大参事な気がしますが、よく葉山も乗ったものだな。
解決はしなくてもとりあえず解消はするだろう、という答え。

それを見て葉山は何か思うところがある様子。
いつもは戸部たちと同じように「ヒキタニくん」と間違えて読んでいるのに、「比企谷君」と読んだ場面。
あそこで、何かが変わったんだろうなぁ、という感じ。
八幡もそれを感じているようでしたが。
なんとかボランティアも終わり戻ってきたと思ったら、ここにきて、終わったと思っていた事故の話がまた出てきて。
意外なところでつながっているなぁ、おい……


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3

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「理想は理想だ。現実じゃない。だからどこか嘘くさい」

八幡との会話を最後に、奉仕部に来なくなった由比ヶ浜。
平塚先生は、継続の意思がないなら居ても仕方ない、と雪乃と八幡に「人員補充」の指示を出す。
まぁ、これは先生なりの思いやりというか、行動を起こせずにいる二人を動かすための言い訳ですが。
「今の君たちなら自らの力でどうにかすると思っていた」と零してましたし。

元気がなかったから、と遊びに誘ってくれるあたり戸塚がホント良い子。
あと八幡はシスコンの気が強すぎる、というか。
小町は結構強かですよねぇ。八幡の妹なのに。いや、だからこそ、なんでしょうか。

部室に来なくなった由比ヶ浜。
もし、今後来なくなったとしてもこれまでの時間がなくなるわけではない、とタイミングも合っていたから誕生日を祝うことに。
どうにもこの二人タイミング悪くて、由比ヶ浜の誤解を深めたり、雪乃の姉と遭遇したりしているわけですが。
陽乃さんは、どうにも胡散臭いなぁ。いや、面白そうな人ではありますが。

途中材木座が入ってギャグシーンがあったような気がしますが、見なかったことにしよう。
あの場面はどれほど必要だったんだろうか……
まぁ、準備をしっかりやって、言葉を尽くして、とりあえずは元通り。
助けた助けられた、なんてスタートは横に置いておいて、新しく始めよう、という終わりは青春してるなぁ、という感じが。

最後には、ボーナストラックとして、ドラマCDの再構成文章が掲載。
由比ヶ浜のバースデーパーティーの様子が描かれています。
……要所要所で、平塚先生が登場して「結婚したい」と出てくるのが、お約束になってきているのが辛い。


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2

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真実は残酷だというなら、きっと嘘は優しいのだろう。
だから、優しさは嘘だ。
(略)
いつだって期待して、いつも勘違いして、いつからか希望を持つのはやめた。
だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ。


今回のイベントは職場見学。
それに至るまでにいろいろあるわけですが。
例えば、友人をバカにする噂が出回っているから、対処してほしいという相談だったり。
相談に来た八幡たちのクラスメイト葉山は、なにやら雪乃と過去に何かあったようですけども。
葉山が友人を語るたびにばっさり切り捨てていく雪乃のやりとりとかは笑えましたが。

由比ヶ浜が八幡のアドレス確認する場面とか、微妙に距離感計りかねている感じがもどかしくていい感じ。
雪乃と八幡が面白いぐらいぶれないから、こうやって状況を変えようと動いてくれる彼女は本当に貴重だと思います。
八幡視点で話が進んでいくので、戸塚の天使度が留まるところを知らないといいますか。
作中で最もまっすぐ青春送っているのは戸塚なんじゃないだろうか……
葉山の悩みに対して八幡が提示した解決方法って言うのが、発想の転換があって納得してしまった。
捻くれた答えではありますが、普段のやりかたからすると、穏当に収まった方じゃないだろうか。

もう一つ、八幡の妹である小町を通して悩みが持ち込まれていましたが。
それによって、小町と奉仕部が接点を持って。
1巻では明かされていなかった、由比ヶ浜との過去が八幡の知るところになっていました。
けど、知った後の行動がアレか。
ぼっちを極めすぎていて辛い。苦手に思う空気を流すんだったらやらなければいいのに。
それぐらいのことは分かっていただろうに。でも、そこで打ち明けてしまうあたりが八幡だよなぁ……

しかしネタ度も相変わらず高い。
『スクライド』とかすごい懐かしいんですけど、逆に今の若い人分からないんじゃないのか……
ちょくちょく千葉ネタも挟まっていて、思わず吹いてしまう。


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

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「努力しても夢が叶うとは限らない。むしろ叶わないことのほうが多いだろ。でも、頑張った事実さえありゃ慰めにはなる」
「ただの自己満足よ」
「別に自分に対する裏切りじゃねぇさ」


ぼっちな高校生活を送る卑屈な少年、比企谷八幡。
マイナス思考の理想論者と、作中で別のキャラに評価されていましたが。
まぁ、結構ダメなヤツですよね。
「みんなダメになればダメなやつはいなくなる」という論調は、一介の高校生が持つ主義主張としてどうなんだ。
屁理屈こねて、小生意気で、でも悪い奴ではないんですよね。

八幡は、見かねた教師に奉仕部という、生徒から依頼を受けてその解決を行う部活に放り込まれて。
クッキーを贈りたいから、練習に付き合ってほしいとか。
ラノベ志望の中二病君の痛々しい原稿を読んで感想を伝えてほしいとか。
持ち込まれるのはそう大きい問題じゃなくて。
以前から奉仕部に所属していた、学年一位の才女、容姿も相まって、ぼっちな八幡でも名前を知っている雪ノ下雪乃。
この二人が、悩みを解決するために手助けしたりしていく話。

こんな部活やこんな高校生はいないだろーみたいな感じですが。
ラノベでその辺つっこむのは野暮でしょう。
結構この作家さんの文章が、好みでした。
歪んでても幼くても間違っていても、それでも貫けるならそれはきっと正しい。誰かに否定されたくらいで変えてしまう程度なら、そんなものは夢でもなければ自分でもない。

八幡の捻くれた理想が、ぼっちな自分を肯定しまう態度が、自分を曲げないところが、彼の魅力なんじゃないかと思いました。

八幡ぼっちだけど、そんな自分嫌いじゃないですよね。
で、雪乃も一人でいることが苦にならないタイプ。
そんな二人が一緒に部活動を行っていくことになって、由比ヶ浜というキャラクターも時に交わってくるように変化していって。
ポイントは由比ヶ浜なんじゃないですかね。八幡と雪乃は、似た者同士だから、このまま続けてもずっと一人と一人な感じを維持していたように思います。
でも、由比ヶ浜が、立ち位置に迷いながらも、二人の間に入って来たことで「奉仕部」という形がより強固になったんじゃないですかね。

千葉生まれの千葉育ちなので、あちこちに混ぜ込まれている千葉ネタは少し笑えた。
けど、他県の人々からするとわかりにくいネタなんじゃないのかなぁ、と思いました。


熾界龍皇と極東の七柱特区

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「照日は、人を救いたいと言った。俺も人を助けたいと思った――今度こそ。だから俺は、照日の理想を実現させる」


「神」の存在が認知された世界。
人と幻類(エナ)と出会ったのは20年前。
未知のエネルギーを発見し、神々と接触し、よき隣人となったかに見えた。
が、人が神々の逆鱗に触れてしまい、戦争に発展。
それを六柱の神々が力を合わせて討ち、共存のための特区を造った、と。

まぁ、設定はあちこちの神話やらに分割統治されて、かなりごった煮状態。
戦争があったのが10年前だから、まだその傷跡は残っているわけで。
幻類との橋渡しをする機関が出来て、一方で幻類を敵視するテロリストもいるわけで。

主人公は、特区の一地域を収める神祖の元にいる護衛。
記念式典を起こった時に、襲撃を受け、その中にかつての友の姿を見つけて。
全体的に王道展開で、大きな驚きはない。
どちらかというと、テンプレ多様で枠にはまってしまっている感じがします。
枠をぶち壊すくらいの勢いがないと、この後の展開厳しいんじゃないのかなぁ。


夏の終わりとリセット彼女

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「峰康君。人を怖がるのはいいよ。誰だって、きっとどこかで、臆病な自分を抱えてる。だけど、逃げて逃げて、それで一体君は何処に行けるの?」
「――――」
「人と人は、ずっと同じ場所になんて立ち止まってはいられないよ。だって、時間は過ぎるし、季節は巡るし、年は取るし、人は変わる。暖かい場所にだけはいられないの。(中略)逃げた先に、きっと幸せなんてないんだよ。一人で生きることに、幸せを予感できないから、だから寂しいんだよ」


あらすじを読めば大体内容が分かります。
夏休み、クラスメイトの桜間さんが記憶を失った。
風紀委員を務めていた完全無欠の「正義の人」。
そして主人公、峰康の「カノジョ」。
彼氏がいたことも忘れてしまった桜間さんは峰康をみて「あなたはい、私が一番嫌いなタイプの人間だと思います」と言い放つ。

順当に青春モノですね。
唐突に異能発言したりバトル展開になったりはしない。
それぞれが欠点を持っている、等身大の少年少女の物語。
彼女、桜間さんは「正義の人」と評されるだけあって、曲がったことを許せない。
風紀委員としてルールを守れない相手には厳しく当たるし、言葉も鋭くなる。
彼氏、峰康は事なかれ主義で、何事もあたりさわりなく対応し、仮病で授業を休んだりする不真面目で、臆病な少年。

彼氏彼女の関係だったことは知られているわけでクラスメイトにからかわれたりとかはしていますが。
二人とも、お互いのタイプが違うことを知っていて、うまくかみ合わずにいます。
峰康は、自分の行状から桜間さんを怖がっている部分があるし。
桜間さんも、峰康のことが分からずに戸惑っていますし。

記憶喪失で関係がまっさらになり、「嫌いなタイプ」とばっさり切られる。
記憶を失う前も、世間一般のカップルみたいにくっついていたわけでもなく、微妙な緊張感を持っていた状態のようですけれど。
ともあれ、壊れてしまった関係。
周囲からのお膳立てもあり、なんとか修復したり、また亀裂が入ったり、と。
青春してるなぁ、という感じです。
峰康がグダグダと悩んだりしている部分は、好き嫌い分かれるかもしれませんが。
多感な年ごろだしああいうのもいていいんじゃないかなぁ。
たまにこういう青春一直線な話を読むと、安らぎますね。
いや、異能モノとかも好きですけど、同じ料理ばかりだとさすがに飽きが来ますし。
なかなか良質な物語だったと思います。


飛べない蝶と空の鯱 ~蒼の彼方より、最果てへ~ Ⅲ

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「道標は示された。目指す先が見えているうちは、人はそれほど迷わないものだ」

シリーズで言うと6巻目。「蒼の彼方より~」の3巻目。
そして、空の門編、完結刊。
どーでもいいですけど、このタイトル表記はどうにもわかりにくいんですけどもね。
ちゃんと第三部でますよねー? 後書きで触れられていないのがなんだかなーと思いますけど。

ともあれ本編。なんか、ポールマンが凄い格好いいんですけど、どういうことなんだろうか。
変わり始めて、ようやく歩き始めたところだったろうに、あぁなってしまうのか。
それで状況が切り替わったから、安らかな顔だったんでしょうけど。
熱かった。漢だったよ、ポールマン。
一気に好感度上がった感じ。

しかし、今回は本当にポールマン回だったといいますか。
ハイリッヒから情報を得たのもそうですし、そのあと、ノイという重要人物と出会って、ザックスを辛くも撃退してますし。
「傀儡師として参る」、と啖呵切るところも格好良かったですしね。
まぁ、そのあと持ち前の力でもって少し状況かき回してましたけど、結果的にそれがいい方向に動いた部分もあるからなぁ。
ジェシカも以前の因縁は、再開した時に許していて。だけど、毎回ポールマンがふがいないから、態度があーなっていたとか言ってましたね。
これから、だっただろうに。

シュネーとヒルダが人類超越した怪獣大合戦してましたけど。
ウィルとジェシカも対人戦においては結構な実力ですし、敵陣営幹部のザックスとかビルギットも強いキャラクターです。
しかしまぁ、この二人は本気で次元が違うって言いますか。
シュネー、いくら組織の総帥だからって、レプリカ全部持っているとか、チートにもほどがある。
そのシュネーに押されながらもなんとか状況を維持できているヒルダも相当ですがね。
――次元が違い過ぎる、とウィルたちが思うのも仕方ないっていうか、事実ですしね……
おっかないにもほどがある。
ヒルダとシュネーの間に結構、気になる会話とかしていましたけどね。
七つの鍵が世界を滅ぼした話とか。
そもそも最初の方に、霧妖についての真実とかも明らかになって、世界観がどんどん明らかになってきている感じはあります。

ティエラ王によって、ウィルの父についての情報が少し出てきたりもしてましたし。
最後には、ウィルが空において、ジェシカの模倣ではなく、自分の空を飛ぼうと苦心していた姿がまたよかったですねー。
帯にもある文句が中々光っていたと思いますけど。

「飛んで、空の鯱。きっと、空の王にも届く」


やっぱり、この二人は一緒に飛ぶ姿がお似合いですよ。

それはそれとして、ウィルとジェシカのいちゃいちゃぶりが留まるところを知らないんですけど。
いいぞ、もっとやれ。
イスカとレンが別行動をするみたいですし、一歩ふい込んだ二人が、ヒルダ伴っているとはいえ、事務所に二人ってやばいんじゃないのかなー。
今回のジェシカみたいに無駄に意識して、告白する前の方が恋人のようだったという喜劇を演じそうな予感がしますけどね。 


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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