気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

キノの旅

キノの旅XXIII

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「無理に死ぬ必要ないのに」

“今日は、傘は必要ないのに”と言うような、軽い口調で言った。

「いいや、私は死ななければならないよ」

 

帯文の『「みんながそう言っている」の“みんな”はあなたが選んだ人達だ。』が好き。

いやぁ、しかしキノの旅23巻ですって。ここまで出るラノベも減りましたよねぇ……と言おうかと思いましたが、最近完結したシリーズとかでもっと出てるのもありましたね。

まぁ、それはさておき。今回も、相変わらずな旅人たち(キノとエルメス、シズ一行、師匠たち、フォト)の日常が描かれてます。

 

一番気に入ったのだと第四話「愚か者は死んでもいい国」。

クーデターを起こした総統によって支配されている独裁国家。しかし、外面は良くしたいので旅人からは良い評価を下されている。

実際、監視網を確かなものとするために技術が発展し、キノとエルメスも満喫してましたしね。

 

そして、滞在中に総統が新しい政策についてのアンケートを取り始めて……

結末があっけないというか、予想外のオチがつきましたが、全部上手くいくわけじゃないもんなー。こういう、無情なところ好き。

 

他には、フォトのエピソードである第二話「ピンクの島」。

絵はがきでみた「全てがピンク一色に塗られた島」の写真を撮りに行ったフォト達が島で予想外の光景を見る話。

短いんですが、見え方とか文化の違いが感じられるの好きなんですよね。

虹の色って国によって6色とか7色だったり、太陽の色を日本では赤にするけど海外では白や黄色にするとか。

そう言う系統の表現見るの楽しいです。……まぁ、あの島の住人たちの現状とソウが評したRGBを見ると、皮肉も聞いてて別種の楽しみもあるんですが。


キノの旅 the beautiful world 2

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「これからどうするのさ キノ」

「さあね どうしようか」

「どうしようか悩み続けようか」

 

シオミヤイルカ版キノの旅コミカライズ。

「多数決の国」、「平和な国」が収録。プロローグ・エピローグは「砂漠の真ん中で」。おまけで「森の中で.c」が載ってます。

原作でもかなり初期のネタですよねー。懐かしい。

 

砂漠で雨に降られて、笑い続けるキノから始まって、その旅路が描かれていくわけですが。

「多数決の国」は、革命が起き多数決で全てを決めるようになった国の辿った結末について。十年でよくもまぁ、と言う感じ。

城壁はあるが門番はおらず、門も空いている。さらに、都市には人影も無く……たまたま出くわした人物から事情を聴く話。

 

道中で多くの墓標を見て、生存者はいないだろうと思っても「一つの国に三日」と言うルールを守ったために、人と出会えた。

「それくらいがちょうどいいんだって」と言う、話を守っているのが良いんですよね……

 

次に訪れたのは「平和な国」。

こちらは、誰にも出会えないなんてことはなく、多くの人々に歓迎されてましたが……道中でキノとエルメスは多くのミイラを見つけて。

この国と、もう一つの国が得た欺瞞の平和は、人の業を煮詰めた感じで物語のネタとしては好き。的にされた方からすれば、たまったものではないでしょうけど。

 


キノの旅XXII

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「ここからが本番よ!」

 

22巻ですって。

初めて読んだライトノベルなので、思い入れありますが。

もう20年書いてるとか。え、ちょっとなにをいってるのかわからない……

 

キノとエルメス、師匠と弟子、シズ達にフォト。

それぞれの旅や生活模様が、相変わらず楽しく、時に悲しく描かれていて、愛おしさすら感じる。

今回収録のエピソードだと六話の「来年の予定」が好きですねー。

 

三日間開催する音楽のイベントの撮影スタッフとして参加したフォトと、彼女につけられた補佐役のイザベラの話。

体格は良いが気が小さいイザベラが、失敗を続け落ち込んで……それでも、最終日に奮起して写真家として生き生きしているフォトの熱気に応える姿は眩しかった。

それに、彼女の武器も見つかったようですしね。頑張って行ってほしい。

 

しかしまぁ、フォトのいる国は平和でいいですねぇ。和む。

キノは猛獣バトルしたりしてましたしね。それで生き延びるあたり、流石としか言えない。

師匠たちの影響が残る「仮面の国」とか。二人が訪れた「取り替える国」のエピソードも中々でしたけど。

入国に際し武器を預けなくてはならなくて、荒事の時に弟子を武器にしたところは、思わず笑った。


キノの旅XXI

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「入国する前に離したじゃないか。〝ボクにとって、国に求める一番重要なことは何?“って」

(略)

「それは“のんびりできること”、だよ」

 

アニメ新作が放送されていたキノの旅。

放送局映らなかったので、ネット配信でちまちま見ました。

仕事の忙しさに追われていくつか見逃しましたが……

師匠と弟子が生き生きしてたエピソードが好きだったなぁ。

 

第一話「有名になれる国」は、国民全員がラジオを持っていて、受信だけではなく、自分が発信できることもできる、という多機能なもので。

ただまぁ、視聴回数を増やすために危険な行動をするものもいて……

第五話「満員電車が走っている国」は、ある事情から定期的に敢えて「満員電車」を走らせていて……

とこの辺りは、皮肉が聞いてていい感じでしたね。有名になれる国はSNSから着想を得たんですかね。

 

笑ったのは読書が盛んな「読書が許されない国」の話。

そう上手く運んだら苦労しない気もしますが……禁止されているからこそしてしまう、って言う人は一定数居るんでしょうねぇ。

細かい注意書きをするAIにも笑いましたが。責任逃れを計るAI……かなり優秀なのでは?

 


キノの旅 the beautiful world 1

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「だからといって旅を止めようとは思わない 旅をするのは楽しいしね」

(略)

「それに……」

「止めるのはいつだってできる」

 

アニメ化も決定した人気シリーズのコミカライズ。

その一作品です。いまあちこちでキノのコミック連載してますよね-。

一番最初に単行本が出たのがコレだと思いますが、だからか大体原作1巻のエピソードじゃないですかね。

 

「人の痛みが分かる国」と「レールの上の三人の男」、「大人の国」。

プロローグ・エピローグまで乗っていて「森の中でb」と「森の中でa」が掲載されています。

巻頭のカラーページに『「大人の国」よりねつ造 文/時雨沢恵一』って見開きのエピソードがあって。

あぁ、こういう未来があったとしたら。それはそれで幸せだったんだろうなぁ、と。

中々良いIFを見ました。面白かったんですが、ねつ造って。原作者なにしてるんですが……原作者だからこそできた芸当って話でもあるんですが。

 

閑話休題。

結構丁寧に描かれているコミカライズだと思います。

私が一番最初に自分で買って読んだラノベが『キノの旅』だったと思います。

なもので、終始懐かしくてならなかったですねぇ。

 

「人の痛みが分かる国」の人々は、計画的に近隣の国に分散して住むとかすれば良かったのでは……?

ただ薬の効果が、万が一にも子に遺伝したら大騒ぎだしなぁ。緩やかに衰退していくしかないのか。

「レールの上の三人の男」は、別々の仕事をしている三人の男の話。それをただひたすらに何十年も続けている、と。何処かで疑問に思わなかったんだろうか。

ずっと仕事を続けてきてたら、風邪くらい引いたでしょうし、そうしたらどこかのタイミングで別の男に出くわしたりしそうなものですが。

 

とまぁいろいろ言っていますが。

疑問のすべてが明かされるわけではないですけど、キノの旅路の中で、独特な文化や思考とかが描かれているのは、読んでいて楽しいんですよねぇ。

よくもまぁ、これだけ様々な国のアイデアが出てくるなと尊敬します。



キノの旅20

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『我が国には海がある。海とは“心”である。

穏やかなときもあれば、荒れることもある。

包み込んでくれることもあれば、拒絶することもある。

一部しか触れられないのに、どこまでも果てしなく広がっている

いつも同じようでいて、常に違っている』

 

ついにキノの旅が20巻の大台に突入。

ここまでくると、ネタを考えるのも大変だと思うんですが。

手を替え品を替え様々な世界が見られるのは中々に楽しいです。

あとがきのネタの方が考えるの大変なのでは、と思うことしきりですが。

今回はパズル形式というか、編集者が大変だったんでは、とちょっと思いました。

 

冒頭の「海のない国」が割と好みです。

海が無いからこそ、その本質を知りたいと願う。

エルメスの発言であってもそれを受け入れることを躊躇わないあたりは良いと思います。

「仲の悪い国」は、もうどうしようもないなぁ、と。

この三国が手を取りあう事があれば、国力を伸ばせるだろうに。

……というか、嫌いだからこそもうちょっと情報収集をするべきなのではないだろうか。

 

師匠の「宝探しの話」は、相変わらずの師匠節といいますか。

結果として皆殺し……いや、救いようがない阿呆ばっかりだったから、仕方ない結末ではあるんですが。

事情ある相手へのフォローも入ってましたしね。

 

フォトの経験した「夫婦の話」も嫌いじゃないです。

彼女は彼女で、なんというかいろんな事態に遭遇してますよねぇ。

今回は撮影を依頼された夫婦に、実は隠された事情があって……と言う話ですが、どんな確率だとそんな事態になるんだ……

キノの旅ⅩⅨ

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どんなに願っても

会えない

私は私に会えない

 

いつも通りの安定したキノの旅でした。

口絵はキノとエルメスがたわいない幸せを語らう「幸せの話」。

もう一つは、犬は危険だからと首輪をつける国を訪れたシズたちの話。

……ティーはするっと手りゅう弾出すのを控えような……

 

「美しい記憶の国」はいったいどんな国だったか気になるなぁ。

そして「天才の国」のあとに「秀才の国」を持ってくるあたり相変わらずブラックジョークがお得意というかなんというか。

「守る国」は真相が明らかになった後の掌の返し具合がいい感じですね。人間って罪深いというか、あの教授さんがよくもまぁ隠しおおせたってところがすごいな。

計画が出た時点で国を出ていれば完全犯罪だったんじゃないのかなぁ、とか思うんですが。

 

今回の話の中では「戦えない国」が好みでしたね。

理由をつけて戦わないようにしている国々の話。

魚が意外とお茶目というか可愛かった。……旅の道連れとするにはちょっといろんな意味で邪魔だろうけど。

 

「贋物の国」は国中が騙されている話。そんな中から本物に並ぶものが出てくるんだからこの世界は面白いというか。

「助けに来た国」はひさしぶりな気がするフォトたちの話。

これはどうしようもないというか、長い時間が経ってなお、彼らが離れた仲間を忘れていなかったと証明する話。

そして、機会を得た時に躊躇わなかった話でもあるので、仕方ない……けれど、良い話でも合ったんだと思います。

 

15周年になったとか。長いなぁ。

自分で初めて買ったライトノベルが確かキノの旅でしたよ、自分。

変わらず楽しめるシリーズという事で、いつまで続けられるかは分かりませんが、続く限りは購入していきたいものです。

そして、15周年特別企画あとがき短編とはいったい……



キノの旅ⅩⅧ

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「前に師匠が言っていた。『人を助ける時は、相応の覚悟が必要ですよ』って」
「言っていたねぇ。でも、そのお師匠さんがキノを助けたわけだけど」
「そう……。だからわかる。今のボクには、あの人を助ける力はない」
「『自分の力を認識し、それ以上のことはしないことも重要ですよ、キノ』」
「今の、結構似てたよ」


久しぶりのキノの旅ー。
相変わらずの雰囲気で中々楽しい。
よくもまぁ、こんなにたくさんの国を考え付くものですよねぇ、といいますか。
同じ調子で18巻も続いているっていうのは中々凄いことだと思いますよ。

扉絵には、牛の国、草原の国。
プロローグ・エピローグは、キノの旅の国。
エピソードは九話収録。
スポーツの国、止まった国、税金の国、主食の国。
チョコレートの話、遺産の国、祝集の国、お金の国、私の戦争。

個人的に気に入ったのは、スポーツの国、税金の国あたりですかね。
スポーツの国は、五か国が密集して争っていた地帯で、戦争をやめてスポーツ大会を行いましょうという風に変化していった地域の話。
この大会で優勝すれば、問題が発声したときに優遇されたりされるから、各国力を入れている。
で、スポーツ大会で大体の問題を片づけられるから、軍隊は廃止されていて。
まぁ、今でも大会で優劣争うあたり、敵愾心というか競争心はおられてなくて。
ちょっかい賭けようとした連中が痛い目を見るというのは中々。

税金の国は、割と皮肉が聞いていてよかったと思います。
制度がしっかり整っていて、必要なサービスを受けたければ、必要な準備をしていろ、という話。
サービスを受ける側が、自分にとって必要がないと思った分の税金を払わなくていい国。
教育なんて必要ないって思えば、教育に関する税金を払わなくてよいと。
浮いたお金で家庭教師や党也好きに穴埋めしてくださいって制度があるそうですよ。
実際に存在したら「助けられる命を助けなかった」と周囲から批評されそうな制度ではありますが。

復讐の国とかも中々いい感じだと思いましたけどね。
師匠の話を聞いたキノが変化したその国の姿を見るっていう感じのエピソード。今回でいうと「お金の国」なんかも好きなんですけど。
要するに、巻数重ねているうちにいくつも旅人のグループがあるので、時間の流れとか旅人のスタンスとかで、相対の仕方が代わるっていうのがいいよなーと思うのですよ。

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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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