「無理に死ぬ必要ないのに」
“今日は、傘は必要ないのに”と言うような、軽い口調で言った。
「いいや、私は死ななければならないよ」
帯文の『「みんながそう言っている」の“みんな”はあなたが選んだ人達だ。』が好き。
いやぁ、しかしキノの旅23巻ですって。ここまで出るラノベも減りましたよねぇ……と言おうかと思いましたが、最近完結したシリーズとかでもっと出てるのもありましたね。
まぁ、それはさておき。今回も、相変わらずな旅人たち(キノとエルメス、シズ一行、師匠たち、フォト)の日常が描かれてます。
一番気に入ったのだと第四話「愚か者は死んでもいい国」。
クーデターを起こした総統によって支配されている独裁国家。しかし、外面は良くしたいので旅人からは良い評価を下されている。
実際、監視網を確かなものとするために技術が発展し、キノとエルメスも満喫してましたしね。
そして、滞在中に総統が新しい政策についてのアンケートを取り始めて……
結末があっけないというか、予想外のオチがつきましたが、全部上手くいくわけじゃないもんなー。こういう、無情なところ好き。
他には、フォトのエピソードである第二話「ピンクの島」。
絵はがきでみた「全てがピンク一色に塗られた島」の写真を撮りに行ったフォト達が島で予想外の光景を見る話。
短いんですが、見え方とか文化の違いが感じられるの好きなんですよね。
虹の色って国によって6色とか7色だったり、太陽の色を日本では赤にするけど海外では白や黄色にするとか。
そう言う系統の表現見るの楽しいです。……まぁ、あの島の住人たちの現状とソウが評したRGBを見ると、皮肉も聞いてて別種の楽しみもあるんですが。