「さぁ、お手並み拝見よ。〈沈黙の魔女〉モニカ・エヴァレット」
学園生活を送る中で、モニカが選択授業として取ったのはチェスと馬術。
前半分はチェス大会の代表に選ばれてしまった彼女が、かつて通っていたミネルヴァの知人に遭遇してしまう話。
無詠唱魔術を会得する前野彼女はあがり症が酷く、知識はあれど魔術の使えない落ちこぼれ扱いで……そんな彼女を期に掛けてくれる友人が居たのだ。
とは言えそれは、出来の悪い子を守って悦に入るような、歪さがあった。その友人バーニーは、モニカがいじめられているのに気が付いていながら、彼女に頼られることに優越感を感じていた為、問題を解決しようとはしなかった。
だから、彼女が無詠唱魔術と言う前人未到の偉業を達成し、七賢人となったときにその関係は壊れてしまった。モニカ全く悪くないのに、バーニーの前でビクビクしてるの不快だったので、今回ラナがばっさり切り捨ててくれた上、モニカも自分の言葉で意思表示できたのはとても良かった。
それで予想外のダメージを負ったバーニーでしたが……彼もまた秀才ではあるんですよね。チェス大会の裏で蠢いていた陰謀、その一端に気がついたりするわけですし。
過去のバーニーは割と嫌いですけど、挿絵にもなっていた現在においてモニカを守ったシーンは好きなので、なんとも言い難い気分になります。
後半はWEB8章の「夜遊び編」だったんですが、結構加筆されてましたねー。
虐めているという設定上、チェス大会の応援にはいけなかった。だから学園外のお祭りに行きませんかと誘ってくれるイザベル嬢は良い子。挿絵もうきうきしてて可愛い。
残念ながら七賢人としての用事があったため、彼女と祭りを楽しむことは出来なかったわけですが。
最年長の七賢人〈星詠みの魔女〉が行う務め、魔術奉納の見学と言う名目でその街に立ち寄れたのは良かった。祭りの空気は味わえたわけですし。
……学園を抜け出した護衛対象の王子様と出くわしたり、彼の夜遊びに同行したら色々とトラブルに出くわす羽目になったりもしてましたが。「売りに来た」と誤解した店の人々、苦手。
終わってみれば〈星詠みの魔女〉の掌の上、みたいな雰囲気出してて七賢人の格が上がった感じがすることとか。モニカの父、その友人との縁が出来たりとプラスの出来事もあるんですけどねー。
あと、ケイシーが居なくなってしまっても、モニカが馬術の授業を受けることにして。その経験が、彼女の成長を促す結果になっていたのがとても良かったと思います。
まぁまだまだ状況は予断を許さないというか。暗躍していた連中が、いよいよモニカにも目を付け始めて騒がしくなりそうな状況ですよ、と示された状態でこれから学園祭があるって言うんですから更に大変になりそうですなー。
……いやWEB読んでるから大枠では知ってますけど。加筆でより面白くなってるので、それを期待して4巻を待つことにします。