気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

サーガフォレスト

裏庭のドア、異世界に繋がる 異世界で趣味だった料理を仕事にしてみます

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「その方は些か風変りでして、既存の価値観に囚われないというか……自らの利益になるかどうかなどは気に留めません。私はその方に協力すると誓いましたから、そのお約束を守るだけです」

 

祖母が旅行で長期間家を空けることになって、主人公の遠野恵真が留守を任されることになって。

それは彼女が仕事を辞めたばかりで時間的な余裕があったり、クロという飼い猫がいるが彼女以外の親族が猫アレルギーだったりするためだったようです。

居場所のなかを考えながら生きていた恵真にとっては、折角の役に立てる機会だ! というシチュエーションで乗り気だった模様。

とは言え、祖母は出来た人でしっかりと掃除とかも行き届いていて、すぐにやることなくなっちゃったんですが……。

 

気分転換に料理でもしようかと思ったところ、裏庭に通じているドアから少年2人がやってきて……「働かせてください」と言ってくるわけです。

不審に思って仕方ないのに状況なのに、パンケーキ焼いてあげている恵真は人が良い。

最初は近所の子供かと思っていたけれど、忘れ物に気付いて追いかけたことで、裏庭のドアが異世界に通じていることに気が付いたわけです。

繋がった異世界は黒髪の人物を特別視する傾向にある場所だとか。後に判明するんですが、異世界側に通じている扉には、高度な防衛魔法がかかっていて敵意や害意を持つ者はそこを通る事すら出来ないそうで。

だから恵真は極力表には出ないで、最初に裏庭のドアから入ってきた2人の少年、アッシャーとテオを雇う形で、食事処のような場所を営むことに。アッシャー達と交流のある大人と接点が出来たのも良かったか。

異世界では常識が違いすぎて、お互いに困惑することも多いようですが……充実した時間を過ごしているのは確かなので、良し。

星と魔法の交易路~ボロアパートから始まる異世界間貿易~

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「たしかになかなかのもんだった。取引は申し分なかったぜ」

「そのリアクションで『なかなか』とか言うのは無理があんぞ」

 

主人公の23歳フリーター・遥斗の家に突如現れた謎の扉。

それは異世界に通じるもので……怪しいし、異世界に渡ったら当然スマホの電波も無くなるわけですが。好奇心に任せて異世界に踏み込んでいくの、行動力ありすぎるなぁ……。

 

最初に踏み込んだ世界は、魔法がある世界の辺境。

薬草を積みに来た少女イリスと出会って交流をすることになったり。次に扉を開いたら、SF世界の宇宙船の中に飛び出て、船の持ち主であるヴェラに不審者扱いされることになったりするわけですが。

怪しまれつつも、即座に切り捨てられるようなことがなかったのは、運が良かった。

 

現地の人と縁を結び、フリーターの収入で出来る範囲ではあるけれど、お菓子とか色々を仕入れて現地で販売する商人として活動することに。

不思議な力でなぜか会話に困ることはないみたいですが。SF世界で会話風景を録画したら、本来の発してる言葉そのままで機械には作用していないみたいだったり。ヴェラの家系には不思議な言い伝えが残っていたりと謎が多いですねぇ。

現代のお菓子は魔法世界でもSF世界でも大好評だけど、そこで稼いだ資金が遥斗に集まりすぎるのは良くないから還元方法を模索することをしてたのは、ちゃんと考えてて偉いですけど。

 

異世界で、本来出来ない交流が出来ることが彼自身のプラスになってたり、売ってるのも安めのお菓子だから数千円の支出で済んでるからと持ち出し多いのを良しとしてますけど。注目する人が多くなると、扱う量を増やしてほしいって要望もでて出費増えて行っちゃうんじゃないだろうか。

一応、イリスの村にお金を戻す方法として工芸品を作ってもらおうとしてたりしてますから、そっちが上手く回ればって感じですが。まだまだ商売は走り出したばかりで、課題は多そう。

雑草聖女の逃亡2~隣国の魔術師と偽夫婦になって亡命します~

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「お前は普通には殺さない」

 

平民故に聖女としての力を示しながらも難しい立場に居たマイア。

隣国の諜報員だったルカに助けられて、亡命しようとしていたところ……子供が誘拐される場所に居合わせてしまい、彼女もいっしょに攫われてしまうことに。

魔術師と思われたことで、変に手を出されることもなく。高値が付くからと身を清める機会をもらえたりはしましたけど。扱いが多少マシだったとはいえ、攫われている時点でマイナス査定なんだよなぁ……。

 

そしてマイアが連れて行かれた先は、トリンガム領。

彼女が追われる原因となった、聖女ティアラの生家であった。

かつてのトリンガム侯爵の親族に、大聖女エマリアの取り巻きがいたとかで。大聖女の伝承が魔女として捕縛される際に、写本を持ち出したとかで。

トリンガム侯爵は、半信半疑ながらもその禁術に手を出して……火事で負傷した娘を助けようという心意気だけは間違ってませんけど。

その代償として、他の人間に犠牲を強いているのが間違っている。

オマケにティアラの治療を受けると『魅了』の効果を受けて、実質洗脳状態になるからなぁ……娘可愛さで暴走したのか、洗脳によるブーストがあったのかは知りませんが。

王子相手に近付いて、洗脳。その王子が気に入っていた聖女マイアを迫害し、殺そうとした。

 

ティアラ、一度は殺したと思った相手が生きていたけど、マイアの力を禁術で搾取すると効果が高いことに気付いて。「卑しい生まれの彼女が、高貴な自分の助けになるなら許してくれるよね」とか考えてるの、あまりにも救いがない。

……まぁ禁術の代償として、容姿が変わり果てる結末になって。その魅了の欺瞞も暴かれたのは、良かったですけど。

国王陛下、自身も商家から平民の娘を妃として迎えて、平民が王家に入る事の大変さを理解していたのに、有能な聖女であるマイアをどこかの家の養女とすると、そこの声が大きくなるので、いったん留め置いたとかなんとか。

第二王子アベルほど愚かではないけれど、国王陛下もちょっと抜けてるところあるよな……突如として現れたティアラの事も受け入れてしまってましたし。

 

生国も天国ではなかったけど、マイアを確保したアストラ側にも当然思惑は有って。

自国の民も攫っていた連中と繋がりがあるかも、とマイアが攫われたことに気付きつつも黒幕を突き止めるために、しばらく追跡してマイアの状況を看過するって判断だってするし。ルカからも言われてましたけど、言ったら言ったでマイアは苦労することになるんでしょうけど。

……それでも、彼女自身が選んだ道にもなるので、多少は生きやすく歩きやすくなってくれれば、良いですね。

悪役令嬢ペトラの大神殿暮らし2~大親友の美少女が実は男の子で、皇室のご落胤だなんて聞いてません!~

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「きみの心はもうすでに、自分の性別を選んでしまっている。……アスラ―大神様の愛し子の選択を、ただの凡人である我々が押しとどめることは、決してできないよ」

 

ペトラが十歳になったタイミングで、義妹シャルロッテがグレイソン皇太子との婚約が決まったそうですが。

……この皇太子まぁまぁ愚物というか。シャルロッテが姉からもらったヘアピンをずっと大切にしていたのを良く思っておらず……それを壊して「僕がもっと上等な物を買ってやる」とか言ってくるのヤバすぎぃ。

2巻だとペトラが1415歳の時のエピソードが収録されているんですが、ペトラ10歳時から婚約は続いていて……シャルロッテがずっとこの歪んだ皇太子の執着を受け続けることになって、疲弊しているのあまりに可哀想すぎる……。

 

ペトラとの交流が続く中で、ベリーも少しずつは人間味が増してきて。

神様に寄りすぎていた初期の頃は、ペトラから離れることに強い抵抗を示してましたけど、多少離れて行動とかも出来るようになってますし。

成長したことで肉体が育ち、流石に女性と偽る限界も見えてきて。「ペトラに会いたいけど会いたくない」という気持ちを持つようになってるのは、当初の枕扱いを思うと成長したなぁ……って思いますね。

会いたいけど会いたくないと思いつつ、彼女の願いをかなえてあげたいと思う位、ベリーはペトラの事を大事に想ってるんですよねぇ。

 

大神殿のマザー大聖女とか、ベリーの事情を知ってる方々は彼が「神託の能力者」であるから大切にしているのもありますけど。

ベリーの性別を偽ってでも彼を守ろうとしていたのも間違いではなくて。

ペトラとの交流で人間味が増してきている事を喜びつつも、その成長によって問題が起きる可能性もある懸念があるのは当然なんですよね。

ペトラを慕うレオが神殿騎士となって大神殿にやってきた時、流石に14歳に成長した彼の姿を「女装した男」と看破してましたしね。……やっぱりペトラはポンコツだったか……逆に少女と言って信じられる時期からの付き合いなので、その分の下駄はあるとしてもね……。

 

神託の能力者であるベリー、ペトラからの頼みを受けてかつて作られたもののメンテナンスが出来ず機能停止し始めていた「浄化石」や「豊穣石」と言ったアーティファクトを作り直すなんて偉業を成し始めて。

ペトラはペトラで、前世知識持ちらしく「治癒の力を水に宿せないか」とテストしてポーション作成に成功したりしているし。この世界にはポーションって存在しなかったので聖水と呼ぶことになってましたけど。

神殿の新しい財源になってるし癒しの力がより多くに届けられるようになって、かなりの貢献を果たしているのはお見事。

……ペトラの父は、それでもなおペトラを婚約の駒として仕えなかったことに未練たらたらみたいでしたけどね……。愚か者が多いけど、ペトラとベリーの2人はもちろん、シャルロッテも幸せになってほしいものですが、さて。

口約束は果たされた~辺境伯家の婿は溺愛される~1

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「遅くなりました。あのときの御約束どおり、お迎えに上がりましたわ」

「わざわざ、ご自身で」

「わたくしの婿になってくださる方ですもの、当然というものです」

 

主人公のセオドールは、アルタートン伯爵家の次男。

コームラス王国の都を守る騎士団に代々務めて来たことで「コームラスの懐刀」とも呼ばれる武人の家系で、齢十を数えるころには騎士として相応しい身体能力を発揮していたそうですが。

1歳上の兄ロードリックが十歳になった時に、セオドールは兄弟対決をさせられて惨敗。その結果から父は彼に期待することもなくなり……あからさまな格差をつけて兄弟を扱うようになった。

 

嫡男でもあるロードリックの誕生日を祝うパーティーは盛大に行ったけれど、次男であるセオドールには全く行わなかった。

父は王都守護騎士団の副長を務めていたし、ロードリックもそこに所属した騎士の一人として活動するようになったけれど……セオドールは実家で飼い殺し状態。

ロードリックが苦手とする書類仕事をぶん投げられて、それを完璧にまとめ上げたりと出来る範囲のことはしていたみたいですけど。

……父は、そんなセオドールの頑張りにも全く気付くことはなかった。

 

そんなある日、実質的にセオドールを名指しした縁談がハーヴェイ辺境伯家から持ち込まれて。

それはかつて出会ったときに彼を見初めて「いつか迎えに行く」と言ってくれた少女ヴィーの熱意が実ったものだった。

辺境伯家の方々はセオドールの努力をしっかりと評価して、認めてくれてたのが良かったですね。

 

兄は弟に書類仕事をぶん投げて評価する事はなかったし、鬱憤をぶつける対象として見下し続ける愚物だし。父親も嫡男のそういう性質を抑えられてないし、弟が実質的に兄の部下として有能な働きをしてるのを見抜くことも出来てなかった。

家庭内すら抑えられてないのに、よくもまぁ王都の騎士団副長なんてやってられたな……。

セオドールが婿入りでハーヴェイ辺境伯の領地に赴く時とか、自家の兵を動かすのではなくたまたまそちらの方面に任務のあった配下の騎士に同道させるという公私混同もやってるし、先祖の名声に下駄はいて傲慢になってたんだろうなぁ……。

 

セオドールの婿入りにかこつけて、良い取引先を紹介してくれとかいう手紙を贈り物に混ぜ込むようなせこさがあるのに、婿入りに際して「セオドールはアルタートンの次男ではなくハーヴェイの息子として扱え」っていう婚姻契約書を交わしたりしてるし。

あちこちアルタートンの詰めの甘さが伺える

ロードリックの結婚式にも「弟セオドール」ではなくて、招待されたのがヴィーの方だから「招待された辺境伯家令嬢の婚約者」として出席することになってましたからね……。

後日、模擬戦もすることになってましたけどそこでロードリックが恥をさらしてくれたのは、痛快ではありましたけど。



悪役令嬢ペトラの大神殿暮らし1~大親友の美少女が実は男の子で、皇室のご落胤だなんて聞いてません!~

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「一緒に聖女になって、ずっとずっと大神殿で暮らしましょうね、ベリー」

 

ペトラ・ハクスリー公爵令嬢。

彼女は、乙女ゲーム世界の悪役令嬢枠であり異母妹の恋路を邪魔する役回りを担う存在だった。主人公はゲーム知識を持つ転生者であり、異母妹シャルロッテと対面した時にその記憶を取り戻し……ゲームとは違うルートを辿ろうと、治癒魔法の才能を示して大神殿に入ることを決めたわけです。

 

ゲーム時代のペトラがシャルロッテに思う所あるのも無理はない設定なんですよねぇ。

八歳の時に母を亡くし、まだ悲しみが濃い中……たった死後ひと月ほどたったタイミングで、愛人と再婚し異母妹シャルロッテまで家に迎える事を父が決めて。

自分や母には向けなかった優しい表情を、父が後妻や異母妹に向けているのを見て歪むなと言う方が酷でしょう。

前世の記憶を取り戻した主人公は、シャルロッテをいじめるようなことをするつもりはなかったけれど、かといってまだ心の傷がいえぬうちから「家族ごっこ」を続ける気力もなくて。

 

家を出て穏やかに暮らすための方法として、大神殿入りを決意してその才覚を認めさせて、見習い聖女として神殿に入ることになったわけです。

娘の前で「皇太子の婚約者にねじ込もうとしていた」とか「神殿に入るならせめて伝手として使えるように励みなさい」とか言ってくる公爵様、人の心がないですねぇ……。

 

そうやって大神殿にやってきたペトラ。

治癒能力を持ち外に出られるのは、ペトラとその指導役となったアンジーの2人だけ。

他にも治癒能力持ちの神官はいるけれど、罪を犯したけれど能力があるから神殿に封じ込められている『幽閉組』と呼ばれる人々で……。

ペトラは赴任直後から大事件の治療に奔走することになったりするわけです。

そこで倒れるまで治療に明け暮れる姿を見せて、先輩からも太鼓判を押されて。

初日から予定よりも過酷な労働をしたから、とその後3日休みにしてくれるあたり、仕組みがちゃんとしてるわ……。

 

そして休日。来たばかりでぽっかり時間が空いてしまったペトラが出会ったのが、ベリーだった、と。サブタイトルで書かれてるのでぶっちゃけちゃうと、実は男の子だけど神託を得られる一代にひとりしか生まれない特別な力を持つ子であり……それゆえに神殿の奥で隠されるように育てられた子だった。

 

幼いながらに聡明だったベリーは、周囲にいる大人たちが自分を通して神託を与えてくれる神様ばかり見ていて、自分を気にかけてくれていないと諦めの境地にあって。

食事すらも面倒くさいと思ってしまうような状況で、寝つきも悪かった。

そんな中、ベリー自身を見てくれるペトラに出会って。彼女の態度が、ベリーの立場を聞いてからも変わらなかったのを受けて、どんどん懐いていくわけです。

ペトラが絡めば行動的になるし、他の人には無口と思われていたけどペトラとは拙いながらも会話をするし。ベリーの力はとても重要なので、どうしたって立場有る大人たちは彼の「力」を見ているっていうベリーの認識も間違ってませんが。

 

「ペトラと離れたくない!」とイヤイヤ期になったベリーを乳母が微笑ましく見てる場面とかもあって、公の顔では力を見ているけど、心の私的な箇所で大事に想ってないわけではないんですよね。

……まぁそれを、実際に力を持ってしまっている子供に分かれというのも酷ですが。

神様に近付きかけていたベリーが、少しずつ人になっていくのは見ていて微笑ましかったですね。……それはそれとして、ペトラ第一印象を引きずり過ぎと言うか、プロローグとかで十六になるまで育ってもまだペトラの性別に気付いてないあたりは、鈍すぎる……。

転生ナイチンゲールは夜明けを歌う~薄幸の辺境令嬢は看護の知識で家族と領地を救います!~

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「青いバラの花言葉は……不可能よ」

 

ある日、看護師として生きた前世・花野都の記憶を取り戻した貴族令嬢の主人公フロル。

高熱を出して倒れたことが原因みたいですが、フロルとしての記憶も都としての記憶も混ざったような状態で覚醒。

フロルの家であるロシニョル家は、魔王領との国境に領地を構えていた。ここは資源が豊富なために戦争によって治める国が定期的に変わっており……先住民と入植民との間に対立が生じているために統治は安定せず、ここ数年は凶作だったこともあり領地経営は火の車。

 

フロルは前世知識を活かして、抱えている借金をどうにかできないかと動き出しますが。

貧しく借金経営している領地。寿退職した使用人の補充もままならない人手不足。

あとは前世知識があるからこそ改革に乗り出せるけど、前世の常識から身分差とかのギャップに悩まされることもあったり。

両親は既に亡くなっており、祖父が当主として君臨している状況で、兄は過去の社交界でのトラウマから引きこもっている。

打てる手段が限られている中で、それでも足掻こうとしているところは評価できますが。

実際、形になって言ってる部分もありますけど。なんというか、見ていてハラハラするんですよねぇ。

滅びの王国の錬金術令嬢~三百年後の新しい人生は引きこもって過ごしたい!~1

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「けれどこれだけは覚えていて。死んだ人間は治せない」

 

主人公のエレノアールは侯爵令嬢にして錬金術師。

双子の妹は錬金術ではなく別の道を選び、王子と結ばれ……早くに亡くなってしまった。

そして王となっていたアレクシスは暴走し……とある目的からエレノアールの邸宅を襲撃。

一度は撃退したみたいですが戦力を増強して再び攻められて……面倒になったエレノアーールは、自分の部屋を3年ほど時間の流れから切り離して情勢が落ち着くのを待とうとした。

 

……しかし、彼女が目覚めた時には300年の時間が流れていた。

エレノアールは外の世界に出て……死にかけていた貴族ヴィクトルを助けたわけですが。実はヴィクトルはアレクシス・フローゼンの血を引く貴族だった。

アレクシスはエレノアールの確保に失敗したのち、周辺国を武力で滅ぼし遠征王と呼ばれるに至ったものの……歪で急激な支配を行ったことで、最後には息子カイウスに討たれたみたいです。

エレノアールの知りたかった、どれだけの時間が過ぎてしまったのか、とかアレクシスはどんな結末を迎えたのかを早い段階で知ることが出来たのは良かったですね。

 

ただ、アレクシスの爪痕は今なお残っているというか。

カイウスは王を倒す為に、現在この地を治めている帝国の力を借り……実際に王を打ち倒したことで、侯爵の位を与えられているそうですが。

暴走したとは言え王を打破するために他国の力を借りたことで、今のフローゼン家を面白く思わない派閥もいて暗殺者をさし向けられることになったりだとか。

遠征王の時代に人と獣を混ぜ合わせ獣人を生み出すなんて、禁じられていた領域にまで手を伸ばした錬金術師がいたことで、現代では『錬金術』そのものが忌避されることになっていたりとか。

エレノアールが一人で生きて行こうとしたら厳しい問題が多くて……早い段階で事情を説明できる相手を見つけられたのは何より。



魔女姫クレアは人形と踊る~身の回りで大国の陰謀やらが蠢いてますが、ぶっ潰して大切な人たちと平穏で幸せに生きたいと思います~2

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「だとしても――それは嫌ですよ、ロナ。あなたがずっと前からそう決めていたのだとして、それを嫌だと思うのが、私のわがままだとしても」

 

大樹海で発見された遺跡。

クレア達は墓守の討伐から傷を負った冒険者の治療、潜り込んでいたスパイの捕縛から、遺跡から古文書を発見し持ち帰ったわけですが。

長く大樹海に庵を構えている関係で、ロナがトーランド辺境伯とも知己なの強い。真面目過ぎる辺境伯とは水が合わない部分もあるし、善性の御仁ではあるけど領主である以上領に関することを優先する部分もあるだろうけど、そこを押さえておけば信頼できると言ってたのかなり高評価なのでは。

 

諜報員を捕らえたことで帝国側にも動きがあって……。

「転移」という有用な固有魔法を持つためにある程度は重宝されて諜報部隊を束ねる地位にありつつも、同じくらい警戒されていた第六皇子グレアムが直々に皇帝が求める『鍵』であるクレアを確保するために、ロシュタッド王国に踏み込んでくることになって。

 

グレアムたちとぶつかる前に、クレアの素性を知っていた冒険者グライフから話を聞けていたのは、ちょっとありがたかったか。多少覚悟出来ましたしね。

遺跡調査の時に知り合ったわけですけど、薄々クレアの事に気付きつつ……ロナとクレアの関係が良好であることも察していたから、まず師匠であるロナに事情を話してから、クレアに打ち明けるって段階を踏んでいたのは信頼できると思いましたね。

 

一方帝国は勢力拡大のために、大陸北部の他の国を脅かしているみたいですが。内部でもいろんな思惑からの足の引っ張り合いがあるようで。

グレアムも大切なものを人質に取られているような状態だったし、さらには渡された魔道具に罠が仕込まれていたりとかもしたわけです。

暴発した転移に巻き込まれて、大樹海の中でも危険な領域主のテリトリーに引き込まれてしまったクレア達。その領域主イルハインとはロナも因縁があって……弟子を助けるため、そして因縁を解消するために駆けつけてくれたのは熱かった。

そしてクレアもただ救われるだけじゃなくて、自分の望みの為に足掻ける子に育っていたのは良かったですねぇ。

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ただ――今はそこまで悲しいだとか悔しいだとか、強い感情はない。

今の自分に生まれ変わって時間が経って感情の整理がついているというのもあるし、戻れるわけがないというのもあるが、自分自身がしたい事をしてきた、その結果だからだ。そこに、後悔はない。もともと覚悟を決めて進んだ道だったのだから。

 

主人公のクレアは、訳ありの少女。

ロアシュタッド王国とヴルガルク帝国と言う、2つの大国の間には強大な魔物が跋扈する危険地帯『大樹海』が広がっていた。

過去の遺跡に財宝が眠っていることもあり、一獲千金を夢見る輩が森に踏み込むこともたまにあるようですが……。クレアはまた別で。

何者かに追われていたためか、追手を振り切るために敢えて危険地帯に踏み込んだと思しき集団が命に代えても守ろうとした赤子がクレアだった。

 

魔物から身を隠す術は用意していたみたいですが、追手に追いつかれそれが無効化されてしまい……集団は追手もろとも魔物に蹂躙されてしまった。

それでも老剣士がクレアを守るために奮闘し……その気配を感じ取った、大樹海に庵を作り暮らしていた魔女ロナが保護することになったわけです。

「面倒事は嫌い」と言いつつも、老剣士の最期の頼みを聞いてくれたり、ちゃんとクレアを無事なところに運んでから墓を作ってあげたり、面倒見良いですよね。

一から育てた弟子がいたらどれほどのものになるのか、興味が湧いたなんて地の文では書かれていましたけど。ちゃんと師匠してるし、クレアにも慕われていますし。

 

実は前世の記憶を持っていたクレアは、年齢の割に落ち着いており……魔女ロナが良い人だったこともあって、すくすく良い子に育って行って。

ロナも大樹海の庵で魔女の弟子として必要なことを教えつつ、それだと人との交流が皆無で偏りすぎる、と自衛できる程度の腕になってから人里に出すことも始めていますしね。

見習い魔女として自分で作った薬を売りに行く……その交渉もまた修行の一環だ、と課題を貸していく形ではありますが、成長に必要なものをしっかり与えているのが良いですね。

ロナはクレアから「おばあちゃん」と呼ばれるのを「どうもむず痒い」と言って、名前呼びをさせてますけど。師匠と弟子という関係も確かですけど、祖母と孫みたいな温かさを傍から見てる分には感じますね。

 

クレアは町に赴いた時、別の領地の貴族令嬢セレーナと出会って。彼女に手助けをする分、セレーナの持つ貴族令嬢としての知識を教えてもらう協力関係を結ぶことになって。

良い友人に出会えて、お互いに研鑽を積んでいったのは良かったですけど。

……タイトルにあるとおり野心的な帝国のスパイが蠢いていたりして、否応なく巻き込まれていくことになるんですよねぇ。

追手に追われて大樹海に踏み込んでいた、という時点でクレアは最初から渦中にいたともいえるでしょうけど。まだなんで彼女が狙われていたのかは謎のまま。これからどんどん厄介事がやってきそうではありますが、くじけずに頑張って欲しいものですね。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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