「俺にとって大事なのは飛ぶことそのものじゃない。前にも話しただろう? 次に宇宙に出ていく時は、あの女と一緒にだと」
ジャスミンが眠りにつく前、ケリーと共に子育てしてる時のエピソードが笑う。
蹴り上げて「高い高い」するんじゃないよ、この夫婦は! それ以外にも、クインビーに乗せてみたりと色々と無茶してますよねぇ。
この契約結婚についてジャスミンがどう思っていたのか、も更に描かれていましたが。遺書でも語られていた通り、ケリーの事好きだったんだな……と言うか。大切にしていたのが良いですねぇ。
女王の真意をたまたま聞かされていた海賊ラナートからは、色々言われてましたが。「幸運を祈る」「捕まるんじゃねえぞ」と言って別れる二人が好き。
ジャスミンの死後、次代の後継者として育てられる筈だったダニエル。
しかし、彼は経済の勉強よりも宇宙船の操縦技法を学びたいと言い始めて。その目的の一つに、キングと呼ばれる海賊へのあこがれがあるっていうんだから、凄まじい。
しばらく活動していないのに、いやだからこそなのかもしれませんが、彼の名が今も残り続けてるのは読者視点だと嬉しいですね。
身分を捨てて自分のために行動した彼の背中を押すために、公的に死んだことにする父親の決断力がまた愉快です。
宇宙を離れてからも、なんだかんだ総帥業をこなしてるケリーのスペックの高さも見逃せません。
新しい技術開発に関して、宇宙航海に効果的ってのを抜きにしても意欲的ですし。門に頼らない長距離跳躍を可能にする機械、とかとんでもない物開発するなぁ。
それに伴って、新しい発見がされたりと影響も大きいようですけど。海賊業が活発になったりと予期せぬ方向にも作用したのは、技術が魅力的すぎる故、だろうか。
さらに宇宙に出ていった息子の傍に、幽霊星の住人が居るという情報まで出て来て。
ルゥのトンデモ具合を受け入れられるケリーの度量がかなり好きです。息子は常識人なのに、父親はどうしてこうなの? みたいな困惑具合が見ていて楽しい。