「ああ。ここからは小細工なしだ。任せておけ。俺たちは――勝てる」
一度負けた相手を前に、気負いがない。
恐怖は、感じていた。だが、飲みこめている。覚悟が、力になる。
新しいエリア、プロセルシアを舞台に展開される新シリーズ。
少し前に刊行していたシリーズもののリプレイが立て続けに完結したため、新しく展開されていくストーリー。
ベーテさんのリプレイもそうですが、コンセプトは「ドラゴンレイド」だとかなんとか。
ま、コンセプトにもタイトルにも入っているように、キーワードは竜、ドラゴンです。
竜騎士がわんさかいる大陸。
ドラゴンを大地の守護者として考えているドラゴン信仰が浸透している。
ここでは、ドラゴンは、権力の象徴だった。力あるドラゴンに騎乗している物こそが力を持つ。
ドラゴンにのれる竜騎士は全て貴族となり、ドラゴンの格によって、爵位すら決まる。
昔は、しっかりと手順を踏んだ力ある竜騎士が多くいたようですが、最近は血縁によって継いで、「とりあえず龍に乗れる」とか「竜に乗せてもらっている」程度のなんちゃって竜騎士も増えてきているようで。
腐敗が進んでいって、けれど伝統があるから、それを撤廃するのも難しい、と。
中々面白い設定の舞台ができてるんじゃないのかなぁ、という感じです。
データ部分ばかり書いていましたが、小説も結構面白かったです。
そんな竜が中心の国において、騎竜を失った騎士の呼び名「竜殺し」。
その称号を受けたものは、呪いの烙印を受け、二度と竜に乗ることを許されず、また単身で狂い災いを成すようになった害竜に挑むことを強いられるようになる。つまり、竜殺しとは、遠回しな死刑のことである。
大概人の身で龍に挑めば死ぬ。かろうじて生き残ろうとも、また次の戦いに駆り出されるだけ。
しかも、期限も恩赦などもないっていうんだから酷い制度もあったもんだ。
竜殺しとなって、仇を探しつつ、日々を生きているガルス。
彼が、不可思議な少女と出会った時から全てが動き出していく。
皇族と顔なじみになったり、厄介ごとに巻き込まれたり。
竜こそが全てという価値観だから、失った者に対しての風当たりも強いですねー。
それまで、前線で戦っていた勇士であるというのに、竜殺しになったら嫌味をぶつけるとか。
そんなに言うんだったら、お前ら、自分で戦って来いよ、とどれだけ思ったことか。
ま、途中に出てきていたお姫様みたいに、まっとうな価値観を持った相手もいるようですし、どうにか腐敗した現状に立ち向かっていってほしい所。