気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ダッシュエックス文庫

英雄教室

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「貴方は多くの人に勇気を与えた。誰もが、皆が、勇者という言葉を口にするとき、心に希望と光を得るの。貴方が勇者として苦しんだことは無駄じゃないわ」


かつて勇者として魔王と戦った少年ブレイド。
魔王は倒したものの、「勇者の力」を失った彼は、普通の学生として学園に通うことに。
最も失ったのは、勇者を勇者たらしめる勇者力みたいなものだけみたいで、現状でも他の学生を圧倒できるくらいの戦闘力を持っているようです。

教官が鎧を断ち切るのを見て、「鎧”だけ”斬るのは難しいよなー」とか考えてますし。
で実際剣を振るったら鎧切るというより、鎧を壊したみたいな広範囲の破壊起こしたりしてる。
これで医者に「全盛期の三割でもだしたら今度は本当に死ぬ」って言われてる状態だって言うんだから、全盛期どれだけだったのかと。
ほかの人から見た「大技」が下から二番目だったりと、かなり基準がずれてますな……

王様が友人だったというのなら、もうちょっと力に対しての意識を……
いや、ブレイドはこの調子だからこそ、勇者たりえたのかもしれませんが。
自由気ままに平凡な学生として溶け込めていると思いこんで暴走してるブレイドの姿がすごく浮いててなんかもう笑えてくる。
魔剣屈服させたり、竜になつかれたりと、やりたい放題。
この調子だと相打ちしたっていう魔王もその内出てきそうな雰囲気。

ブレイドが魔王と戦った勇者だとしてもいろいろ常識抜けてる感じ。
どちらかというと力を持て余した子供な印象。
彼が正しく成長していくための話になるんでしょうか。悪くはない…けど合わなかった。


文句のつけようがないラブコメ

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「神様。オレはあんたを幸せにする」
「……幸せに?」
「おうよ。そいつだけは決めた。何をやっても、どんなことを幸せにするよ俺は。世界中が敵にまわっても関係ねえ。アンタの幸せのために、俺はめちゃくちゃワガママになるわ。それがアンタにプロポーズした俺の、絶対的なルールだ」

この世界には神様がいる。
酒が好きでタバコが好きで。予想外のことがあったら戸惑う、普通の少女のような神様。
神鳴沢セカイ。銀の髪に、赤の瞳を持つ美少女。
そして、彼女の「生贄」として捧げられたしがない高校生の桐島ユウキ。
彼は、「生贄になる代わりになんでもいう事を聞いてやる」という神様に「結婚してくれ」と爆弾を投げて。
二人の物語は、そうして始まる。あるいは既に始まっていた訳ですけれど。

生贄と言いつつも、ユウキの行動は別に制限がかかっているわけでもなくて。
捧げられた後も普通に高校に通っていますし。ただ、たまにセカイの元を訪れて話をして、親しくなっていく。
セカイは確かに「神様の業務」を果たし続けている存在なわけですけれど。
ユウキと話している時は、お付きのメイドの空言に騙されたり、酒とたばこをたしなんで本を読んでいたりと「神様」らしからぬ行動をしていたりもして。
だから、そんな状態で二人が交流しているのは人と神様の「文句のつけようがないラブコメ」ではありましたが。
そのまま素直に終わらない、っていうのがまたいい。

人の身でありながら、神というシステムに挑む。
その決意は遠大で、辛い未来がありそうでけど、決めた以上は、続いている以上は歩みを止めてはいけないのだ、と。
世界を舞台にした随分と壮大で、なかなかに趣味が悪い喜劇ですが。
どうかユウキには頑張って希望をつかんでもらいたいところです。
それが簡単にいかないから、問題が継続してしまうわけですが。
世界か少女か。
そうした選択があるという意味ではセカイ系なんですかね。
全てを敵に回してでも君を……とかそういう感じではなくて、彼と彼女と世界。その広いようで閉鎖された場所で行われる遊戯なわけですし。

一巻丸々壮大な序章、という感じでしたが。
この調子で続いてくれるなら、結構な良作になるんじゃないでしょうか。
あと、今回会話の中で、やたら個性立っている妹さんの存在が語られていましたが……彼女、出てくるのかなぁ。それならそれで楽しそうだと思うんですが。引っ掻き回してくれそうで。
怖いのはここから失速する一方にならないか、というところですが……とりあえず、2巻も買います。


親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰。

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友人の彼女に思いを寄せることは、どこからが罪なのかと、弘凪は最近考える。
どこまで赦されるのか。
どこまで見つめてもよいのか。
どこまでなら近づけるのか。
どれぐらいなら、言葉を交わしてよいのか。
それとも、心がどうしようもなく惹きつけられてしまった時点で、すでに罪なのだろうかと。


もう、タイトル読めば内容大体わかるんですが。
それでも、野村美月さんだからつい手に取ってしまって。
まぁ、一気に読みました。
正直もっとドロドロした展開になっていくのかと思いましたが、想像以上に、青春をしていたといいますか。

向井弘凪は過去の経験から、親友に対しても「親友の彼女」という存在に対しても後ろ暗い思いを抱えていて。だけど親友が「彼女ができた」と報告してきて。
親友が進んだのなら、と彼も気になっていた子に対して行動を起こそうとするが、それこそが全ての始まり。
その気になっていた相手、が親友の彼女になっていて。
気落ちしながらも、「親友の彼女」になってからの方が彼女との交流は確実に増えて。
ま、前は同じ車両によく乗っているという認識だったところから、会話するようになって、弘凪が彼女を避けようとしても遭遇してしまって。
弘凪の親友を嫌いだ、と宣言する佐伯さんがちょっかいを出して交流させたイベントなんかもありましたけど。
仮に、弘凪が自制できていたとしても。そう遠くないうちに破たんしていたと思うような、歪な状態のは確かで。
最終的には落ち着くべき形に落ち着いたってことになりますね。

恋は盲目とはよく言ったもので。
心に刺さるような、繊細さで、痛かったし、読んでてまぶしかった……
佐伯さんが思った以上に良キャラでしたから、続き……はタイトル的に難しいにしても、スピンオフ的ななにかでないだろうか。
あとは、全体的に好きなんですけど、誤字、多くないかなぁ、と。あらすじも最後の段落で「遥平に彼女ができたらな、と~」ってあるんですが「できたなら」何じゃないかなぁ。。
 

放課後アポカリプス

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「私達はもうとっくに取り返しがつかないところまで来てるのかもしれない。抜け出す方法とか終わらせる方法とか、そんなものそもそも存在しないのかもしれない」
死ぬまでゲームをやらされるのかもしれない。考えないようにしていた可能性だ。
「それでも、なにもしないわけにはいかない。少なくとも敵を倒し続けていれば生き残れるわけだし、ね」


割と嫌いじゃないです。るろおさんの絵かわいいし。
毎週水曜日、唐突に始まるゲーム。
それは、天使と戦う危険なサバイバルゲームで。
普通に学校に通っている主人公たちは、どうしてそんなゲームに巻き込まれているのかも分からずに、生き残るために戦ったり、情報共有したりしていくわけです。

ただ、一丸になれているわけでもなくて。
学校内でも、差別のようなものもある状況で。
何とも、歪な環境に置かれていると思ったものです。
ゲーム内ではクラス委員長がコマンダーとして、それ以外の生徒であるソルジャーに指示を出したり、コマンダーが敵にとどめを刺すことで得られるポイントで武装強化したりしてます。
じゃあ、現実においてコマンダーは優遇されているかというとそうでもなくて。

誰もやりたがらなかったクラス委員の仕事を、押し付けられた人も入っている状態。
更には、コマンダーは現実でもゲームのことを覚えているものの、ソルジャーである一般生徒たちは、普段はその記憶を失っている。
だから、現実においてコマンダーがいじめの対象となっていて、ゲームになってからやり返される、と団結力の欠片もない。

最後にどんでん返しがあるのは中々よかった。
けど、ゲームがああいった目的であるのなら、もうちょっと優しくてもよかったんじゃ、と思うんですが。
作りこまれているゲームではあるのだから、そこで起きている問題は結局人と人のものだってことでしょうか。

他の杉井作品に出てくるようなキャラクター像でしたが、世界観が大分違うので、多少は新鮮だったかも。
ただ、いい加減違う性格のキャラとかも見たいから、その辺には期待したいんですがねー。
主人公の抱えている謎っていうのは増していくばかりだったので、続きで解決されることを祈りますが。


クロニクル・レギオン 軍団襲来

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「例はまた早いでしょう。姫に使えるための力があると、俺はまだお見せしていない」
「いいんです。征継さまがこの後もレギオンを得ることができなかったとしても、すごくうれしい――私にとって狩りある一言でした」

帯には『皇女は少年と出会い、反逆を決意した――!!』なんて書いてありますが。
その前から、着々と準備を進めている、いい性格のお姫様なんですよね。
特殊な立場にある祖父に似通った容姿を得たために、周囲からの評価が宜しくなく、他国に人質として留学という名目で赴いていたこともある。
そうした経験やら知識を生かした強かな性格をしているんですよね。
一方で、恋愛ごとというか異性に対しては初心なところもあるようで。
いやまぁ、征継がさばさばした割にはしれっと女性全般を愛らしく思う御仁だと行ってしまうようなキャラだっていうのも影響してると思いますが。

SD文庫から出てる『カンピオーネ』は神殺しと、神の戦いを描く話でした。
今回の作品は、古代の英雄が復活し、超常の力を扱うようになり、世界情勢がかなりあちこち書き換わっている20世紀末が舞台。
蘇ったカエサルが東方ローマ帝国建立して盛り上がってるみたいだし。
同じように蘇った復活者たちが、その格に応じて従える魔導の巨兵『レギオン』。
ファンタジーと戦記をうまく混ぜて、話を展開している感じがありますね。

今回は世界観説明が中心のようでしたね。
最初っからカエサルというビッグネームが明らかになっていたり、黒騎士卿と因縁が生じていたりと敵方がかなり強力な陣営となっていますが。
主人公の征継は、肝心の記憶を失っていて。
だから、真の能力を発揮できず、かなり綱渡りをしているような状態です。
その真名が何なのかは結構気になるところですが。とりあえず、『土方』出ないことは確定で、『橘家にかつていた復活者の凄い銘』でもないと思うんですがねー。
随分引っ張るから、それが正体かと思っていたんですが、初音がぽろっと名前零してましたし。
まさかあんな零れ落ちたようなのが正体ではないと思いたいとことですが。演出的に。

雰囲気は結構いい感じでしたよ。
これまでの作品と似た感じで、カンピオーネみたいな薀蓄系に発展していきそうなところも。
なんだかんだでカンピオーネの神様薀蓄、結構好きなんですよ。
丈月城作品が好きなら読んで損はないんじゃないかと。


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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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