気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

トゥルークの海賊

トゥルークの海賊4

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「なにもしないなんて、よく言うよな。あれのどこが『何もしてない』だよ。やりすぎだぞ」

 

ライジャの両親が、結婚したまま僧籍を回復する事と、昇進することが認められて。

ジャスミンは貴重な女友達のめでたい席には参加したがった。さらに、ライジャの母エルヴァリータは、これは「大いなる闇」ことルゥの言葉によって決まったころだから、彼に臨席してほしかった。

 

しかし、ルゥは言うに及ばず。ダイアナにとってもトゥルークは居心地のいい場所ではなく……しかし周囲はそれをまげて赴いてくれないか、という。あまりにも嫌過ぎて、二人で家出したのには、正直笑いましたね。

 

3巻での大潮騒動の後、地上に戻ってからのエピソードでは、ダイアナとビーティのやり取りがコミカルで楽しかったですし。

一週間惑星に閉じ込められたリィとシェラの小論文発表会の様子も笑えましたね。思わず「普通じゃない君らの目では分からない事が多い。普通じゃないんだから!」的なことを叫んだ先生は……うん、間違ってないよ。

金銀天使は言って良い事と悪い事をある程度判別できる理性も持ってるけど、衛星絡みとか常識が抜けてる部分あるからなぁ。

 

トゥルークで起きた出来事を何も知らない事実に心揺れたジェームズの暴走もありましたが。祖父母がダンに連絡をとって、しっかり言い含めろと説きに来たのも愉快ではありましたね。

アレクが情報を伝えて話してほしいと言うにとどまったけど、ジンジャーはもっと強い言葉を使うし。ジャスミンは拳骨落とそうとするしなぁ。留める役割を担う羽目になったリィとシェラはお疲れ様……。

 

リィに頼まれてケリーが説得役になっていましたが、うまくジェームズを躍らせたというか。しっかり言い含めていたのはさすが海千山千を渡ってきたキャラだけある。……ま、ジェームズの見ている世界が狭かったから容易かったというのもありますけどね。

ダンが息子とのやり取りで「父親と息子の関係」と言うものに想いを馳せて、ケリーと「自分の死亡記事」について話せたり、ランバルトから父の門跳躍の才能に関して聞いたりして、少しは見え方変わったのかなぁ、なんて思いました。

トゥルークの海賊3

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「これはおっさんの喧嘩だ。でしゃばる気はないが、俺も一枚噛ませてもらうぜ」

 

一通りの騒動に決着がつく完結編。この後、4巻も刊行されてますが、そちらは事件終わったあとの後日譚を作者さんが「もう少し書いてみたくなった」って書いてくれたものになるそうです。

 

偽物のシェンブラック海賊団は連邦軍の派遣してきた艦隊を撃破し、トゥルークの船とそこにのった人員を人質にとり、薬の材料を大量に要求。

交渉を行いつつ受け渡し期日の7日後までに、事情を詳らかにしようと奔走するケリー達の苦労が偲ばれます。……今回は特にダイアンが大変そうでしたね。調査する情報が膨大すぎて、それでも尻尾を掴むあたりが彼女だよなぁ。

 

海賊たちの決戦の舞台に、名を汚されたグランド・セブンの乗組員たちが駆けつけてくれたのも熱かったですし……2巻の最後に飛び立った船の正体には驚かされました。

この海域で異常事態が発生しまくる原因は不明ながら、起こると知っていれば対応できる。その情報を持つ人員が来てくれたのはありがたかった。

 

付けるべき決着をしっかり付けて、無事地上に帰還したケリー達もティーナの乗組員もお見事でした。

このドタバタ騒動というか、トゥルークの僧侶たちの特殊さ。50年おきに発生している「大潮」の実態などなど。ダンや連邦関係者が今回目にしたわけですけれど。

これはまぁ、事前に語っていたところで信じては貰えないだろうし、これを仮に報告書にまとめあげたとして、読んだ人が誰も信じられない怪文書になるんだろうなぁ……。

 

トゥルークでの海賊騒動が終結してから、薬の問題が決着したわけですが。まさか出所が、ねぇ……。ジャスミンが居たからこそ解決までが早まっただろうなぁ、というか。

連邦、意外と足元に厄ネタ抱え込んでますよね。関わってる人員が多いからこそ、トラブルも怒り得るんでしょうけどそれにしたって……。

事後処理のあわただしさを思うに、かなり広まっていたんでしょうけど、完全に爆発する前に火元を抑えられたのは何よりでした。

 

巻末にはトゥルークの海賊序章「大いなる闇が来た」を収録。

トゥルークの僧侶に初めて会った時、ジャスミンがその強い在り方から「本当に女性ですか」と問われているのは笑う。ジャスミンは体躯も大きいから、よく言われることながら不快感を感じさせなかったというあたり、彼らの積んできた徳を感じる。

 

1世に招待されて、トゥルークの高官とアドレイヤに対面して。ライジャの父が現れて、ライジャがやってきて……街中でルゥと出会ったライジャの母親までやってくるんだから、もう大変ですよ。

特に普通に講演聞きに行っただけなのに、ライジャの母親の秘書してる人に跪かれたルゥが。ライジャの両親は、僧籍を離れてなお高位の僧侶が持つ感能力を失っていない、というのも1世からすれば見逃せない情報だったようですけど。

ここでの会話が、あの大騒ぎにつながるのか……とちょっと天を仰ぎたくはなりました。

 

トゥルークの海賊2

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「せっかくここまで来たんだ。こんな物騒なものをわざわざ見たいなんて物好きだと思うけど、面倒は一度ですませたほうがいい」

 

最初に描かれた、ケリーとグランド・セブンと呼ばれた海賊たちの交流がとても好きですね……。

連邦に知られていない門の先につくった海賊たちの保養所。そこで名の知れた海賊たちが鉢合わせて。ケリーのことを評価している人と、侮ってるやつらと態度が綺麗に分かれてていっそ清々しかった。

 

ケリーを評価していたグランド・セブンの面々は、なるほど名の知れた海賊の仁義を感じるというか。荒くれ者ではあるんだろうけど、好感の持てる部分もある良いキャラになってましたね。

これを見ると『スカーレット・ウィザード』でケリーを攫った馬鹿どもや、ショウ駆動機関が広まってから残虐さの増した近年の海賊たちとは一線を画すというか。グランド・セブンの名に心躍る船乗りが居るのも頷ける。

 

そして彼らはケリー・クーアの正体に気が付きながらも表社会に漏らすことは無かった。かつての縁に対する義理と恩がある。そんなケリーの前で「二代目シェンブラック海賊団」を名乗ったのは、あまりにも愚かすぎる。

 

……と思いましたが。トゥルーク近郊の宇宙に生じる「異常」はダイアナですら判別不能のもので、逃げられてしまったのは痛い。とはいえ、ケリーが絶対逃がすはずもなく。残り僅かの余生を楽しみな……って気分になりました。

調査の過程で知り合ったミラン中佐に連絡をとって、貴重な情報を送ってた場面。その報告をきいた他の面々のリアクションも含めて笑えましたね。

 

そうしてケリー達が海賊のことや、トゥルークに関わるきっかけになった薬物に関して調査を進める傍ら。

トゥルークの僧侶たちの間でも騒動が起きていて。ルゥの「感想」を聞いたアドレイヤが、彼らにとっての神を見た事。その神様が還俗した彼の両親に言及したことを、評価しようと提言したものの……それを認められない勢力によって地位を追われそうになって。

ライジャからの依頼を受けて、リィ達もトゥルークを訪れることになってましたが……まさか、ここにきて麻袋が活躍する場面が再び訪れようとは。デルフィニア戦記、読み返したくなりましたね。

トゥルークの海賊1

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「トゥルークに降りる? あなたが?」

「ああ」

「それは――ご愁傷様です」

 

ライジャの故郷である、トゥルーク。

連邦内部で起きている事件にまつわる品がそこから輸出されていること。トゥルーク近くの宇宙では海賊被害が続発している事。護衛として派遣された筈の連邦軍で、度々不可解な異常が起きた事など。

 

様々な事情が重なり、Ⅰ世はケリーとジャスミンに協力を依頼して。ケリー達が事情を聞く場面から始まるんですが、その前にひと騒動あって落ち着いた後、みたいなんですよね。

その前になにがあったのか、というのは3巻の巻末に「大いなる闇が来た トゥルークの海賊序章」として収録されているので、気になる方でまとめて手元にあったら、そちらを先に読むのもいいかもしれません。私は気になってそっちから読みました。序章感想は3巻書くときに触れます。個人的には序章先読みの方が分かりやすくなった感じはします。

 

最終的に二人は、トゥルークに向かうことを決意。以前訪問経験のあるらしいダンから情報収集をしていましたが……いやはや、聞くと見るとでは大違いというか。

ライジャの存在があるので、トゥルークの僧侶が他とは決定的に違う性質があるってのは分かってるつもりでしたけど。予想以上におかしかったな……。

怪獣夫妻をして、地表に降りるのを避けたくなるというは凄すぎる。とはいえ、かつて連邦はトゥルーク相手に交渉や諜報で敗北しまくった過去もあるらしいですし。トゥルークの特殊さと、最後に海賊が名乗った名を思えば、ケリー達を派遣したⅠ世の判断は正しかったというほかない。

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ちゃか

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