気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ナフセ

リビルドワールドⅧ上 第3奥部

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「ええ。それに応えられるかどうかは、聞いた後にしか言えないけどね」

「そうか。じゃあ言うだけ言ってみる」

(略)

「俺と敵対しないでくれ」

 

都市間輸送車両での激戦を超え、無事自宅に帰還できたアキラ。

後にイナベに指摘されてましたが、その戦いで多くの装備を失った状態だったのはだいぶ危うかったですけど、うまく生き延びていますねぇ。

まぁアルファの支援があるから、そうやすやすと死なせてももらえない気はしますけども。同種のサポートがあったカツヤは死んだし、絶対はないか。

 

本来は坂下重工を狙っていた超人を撃破したことで、五大企業から報酬を貰えることになったアキラでしたが……。

敵視しているウダジマを狙う機会だぞ、とイナベから提案されつつも、自分の大目標の方を優先し金とハンターランクへの還元を望んでいたのはアキラらしい。

アキラのはちゃめちゃっぷりに懲りたヒカルが、彼の担当をどうにか降りようと画策したり。無理無茶無謀愛好家のキバヤシの介入もあったりしつつ、アルファ目線で「真面な装備」と呼ばれるクラスの装備を得て、ハンターランクも急上昇するなど高位ハンターらしい実力と実績が得られつつある。

 

そんなアキラに、キャロルが護衛依頼を持ってきて。

何某かの危機が迫っているわけではなく、念のため程度の依頼だったはずが……アキラの悪運に巻き込まれたかのように、トラブルに遭遇しまくるのにはちょっと笑ってしまった。

アキラの自宅が吹っ飛ばされたり、騒動の根が深そうだったりと、全然笑ってられる状況でもないんですけどね!

ツバキにすら評価されたアキラの義理堅さ、契約に誠実にあろうとする姿勢があちこちで評価されているのは嬉しいですね。

 

様々な要因からキャロルの持つ情報が狙われている可能性があり、その対処として遺跡を探索して独自ルートを発見しようと動くことになって。

そこでトガミを雇った、坂下重工から脱走したシロウと遭遇することになったり。

奥部につながるだろう場所を発見したと思ったら、旧時代の特殊技術によって囚われの身になりかけたり、相変わらず散々ですなぁ。

 

アキラが手放したカードを手にしたレイナ達が近くに来て、彼女たちにシロウが接触したことで、旧時代のリオンズテイル関係者に仕事を依頼することに成功したりしてましたが。

レイナ達の抱えるリオンズテイルの問題と、コロンを払ってまで誰かを探しているシロウ。そう言った厄介ごとの種がどうアキラに関わってくるだろうか、と思っていたら最後の引きがトンデモなかったですねぇ……。

これで続き来年かぁ! 待ち遠しいですね。

リビルドワールドⅦ 超人

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「有能で安全な人間になど、会ったことが無い。旧世界の英知と同じだ。その危険性を理解した上で、適切に運用するしかないのだよ。発展の為にはそれが昼用だ。それが出来なければ滅ぶだけだ」

(略)

「発展を止めてはならない。進歩を躊躇してはならない。その抗いを止めてしまえば、我々は過去となる。旧世界に敗北し、朽ち果てた文明の残骸と成り果てて、その一部となる」

 

親しくなっていたハンターのユミナを、自分の手で殺すことになったアキラ。

シズカのフォローもあって、理由はどうあれ大切な人の死は悲しんでいいのだと泣けたのは良かったですね。

そして彼は、いつも通り敵を殺す覚悟を決めた。今回でいえば、都市幹部のウダジマなわけですが……いくらランクが上がってきたからといって、幹部クラスを狙うには問題が多い。だからそれを解決できるまでは先送りにしておけ、とイナベから助言をもらって。

 

いつもの強硬策ではなく、ハンターランクを上げることで都市を脅せるほどの力を得ることが選択肢の一つだと言われたこともあって、アキラは強さを求めることに。

そこにはユミナを殺してでも生き残ったのだから、という強迫観念もあったみたいですが。

直近の騒動でツバキからもらった回復薬の作用だったり、アキラの意識の変化も影響して、他のハンターの勘を鈍らせていた「旧領域接続者としての負の感情発信」の方向が変わり、実力者認定をもらえるようになったのは、今後を思えばプラスでしょうか。

 

変化でいえば、アキラと付き合いの深い都市職員と言えばキバヤシなわけですが。

彼からの紹介でヒカルという女性がアキラに接近。上昇志向の強い彼女は、キバヤシの抱えているハンターを自分の担当として奪い、その功績でさらに飛躍しようと試みたみたいですけど。

それで手を出したというか、キバヤシが見せ札に使ったのがアキラっていう爆弾なんだものなぁ……。

そのせいでヒカルは胃痛を覚えることになっていくわけですが。彼女は彼女で、アキラの調査が不十分すぎた感じはありますけどね。敵に容赦はないタイプだとか、そのあたりはわかりきったことじゃないか。

 

でもアキラが高位ハンターであることや、ヒカルがそこそこ優秀な都市職員であることは変わらず。彼からの信頼を勝ち取るために、各種交渉をまとめてくれたのは、正直ありがたかったですね。

いつまでもエレナ達を頼るわけにもいかないし。かといってヴィオラは、話をまとめることはできるだろうけど、別の厄介ごと引っ張ってきそうだし。

アキラを抑えるために任務に同行したヒカルが、誤解から敵の標的になったりしていたので、こうヒカルも問題引き寄せる気配は感じてますが。今後に期待、ということで一つ。

 

シェリルが、アキラがユミナを殺したこと。自身がその遠因となったことをイナベやヴィオラから知らされて萎縮してましたけど。

そこで躊躇って足踏みしてると、愉快犯ヴィオラたちに引っ掻き回されて状況どんどん悪化するんじゃないかなぁ、と不安ではある。これまでも問題乗り越えてきたし、シェリルには頑張ってもらいたいところではあります。

リビルドワールド

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「契約してもらうためにもアキラの意思と覚悟以外は 私が誓ってなんとかするわ」

(略)

「意思と覚悟は俺がなんとかする」

 

電撃の新文芸から書籍化されてるシリーズのコミカライズ。

原作、結構好きなんですよねー。かつて栄えた文明があったものの滅び……遺跡として残った場所から、旧時代の遺物を回収するハンター業が盛んな世界。

まぁ持つ者と持たざる者の差は大きく、主人公のアキラはスラム出身で下も下の階層出身なんですよね。

 

力がなければ踏みにじられて、挙句の果てにはモンスターに食い殺される。そんな場所から逃げ出してやる、とアキラは決意して。

スラムで起きた騒動の中でたまたまゲットした拳銃を片手に、近場の遺跡に踏み込むわけですが。

別のハンターに絡まれて。他の人には見えない怪しい女まで現れて。女の助言に従って行動した所、モンスターの襲撃からは逃れられたわけですが。

 

怪しい女――アルファから提案された、助力の提案をアキラはもう踏みにじられたくないからと一度は拒否。

ここで死ぬならそれまでだと自力で足掻こうとするアキラにアルファはサポートを提案。色々と歪なタッグが結成されて、様々な困難に挑んでいくことになるお話です。

この時期のアキラの未熟さが懐かしくて良かったですね。遺物のナイフの最大出力とか、かなり見栄えがして、楽しいコミカライズでした。

リビルドワールドⅥ 望みの果て

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「随分と義理堅いのですね」

「金も力もねえスラム街のガキが出せるものなんか、義理と命くらいだ」

「他に出せるものが無いからといって、それを差し出す者ばかりではありませんよ。投げ出す者は幾らでもいますが」

 

アキラの装備更新費用として、都市幹部のイナベが遺物の情報を口外しないという取引を込で20億オーラムも出してくれることに。

それは彼が口にした通り不安の現れであり、シェリルへの減点ポイントだったんでしょうけど。その後でシェリルは、ヴィオラとのやり取りを経て自分の軸を改めて見直し、次の機会にはイナベに「油断できない相手となった」と思わせたのはお見事。

 

まぁ同時に、裏工作の協力者だからこれくらいはしてもらわないとも思っているので、ここで気を抜くとまた減点入って、最後には切られかねないのが権力者を相手にしてる時の怖い所ですが。

自分が一蓮托生にする相手はアキラだ、というシェリル自身の覚悟を忘れなければ、これからも頑張ってほしいものです。

 

後ろ盾になっている組織運営はシェリルに。各種交渉に関してはその都度縁があった人……結構な割合で、無理無茶無謀好きのキバヤシに投げているので、アキラってかなり腹芸苦手なんですよね。

でも、これまで覚悟を担当して闘い抜いて来たのは伊達じゃなくて、時間をかければ読み解ける部分も増えるっていうのが見られたのは、成長を感じられて良かった。

今回アキラは、あらぬ疑いをかけられてそれを払しょくする必要が出てきた訳ですが。その言いがかりの中心に居たのが「いずれ殺そうと思っていた相手」だった為、それなりに乗り気で戦闘に参加。

 

言いがかりを付けられる切っ掛けになったのは、ツバキハラ方面で旧世界製の情報端末を持って帰っていたからって言うのにも気が付いていましたし。

通信障害によりアルファとの接続が切れたタイミングで接触してきたツバキ相手に、隠し事苦手だからアルファについての情報は聞かないし、契約を打ち切るつもりもないって啖呵を切ったシーンは結構好きです。

アルファが自分の信用を勝ち取るために工作してるのにも気が付いてるけど、命の借りがあると覚悟決めてるのは良かったですよね。

 

あと今回地味に好きなポイントは、遺跡探索中に警備機械が124と増えていったから次は8体かと思いきや16体きて「機械なんだからそこは機械的に対処しろ!」ってアキラが叫んだシーン。妙にツボに入ったというか、やたら笑えた。

ヤナギサワとネルゴの、旧領域接続者トークとかも好きなんですよね。ああいう情報開示回って楽しくないですか?

 

ティオル周りの騒動にも、概ね決着をつけることには成功しましたが……その情報を得てるマッドな研究者がいるのが後々どう影響するのかはちょっと不安か。

まぁティオルはかなり状況を動かしたけれど、彼自身も誰かの思惑で動かされてばっかりだったわけで、順当な結末だった気はします。

 

それよりも今回触れなくてはならないのは、ついに互いに引けない状況でぶつかり合う事になったアキラとカツヤでしょう。

口絵でも描かれていますし、今回のタイトルもまた『望みの果て』で区切りとなるエピソードなのは分かっていました。

WEB既読ではあるものの書籍は結構イベントの流れとかが変わっていて、此処に至るまでアキラとユミナの交流シーンも増えたこともあり、果たしてどんな幕引きになるのかワクワクしてたんですが……そうか、ああなってしまうのか。

 

これは、なるほど『望みの果て』だわ。これまで感じていた苛立ち任せではなく、お互いに退けないと理解して、終わらせるために戦ったシーンはとても静かで、胸に迫るものがあった。

それでも最後に、アキラが泣けたのは良かったかなぁ……。シズカさんグッジョブでした。

 

新章となる7巻が今年発売予定と巻末広告あったのは嬉しかったですね。WEBとは決定的に違う道に入ったこれからの物語が楽しみなのは間違いないので。

でも、流石に書き下ろしが多くなるからか、これまでとは違ってサブタイトルとかアオリ文は少な目だったので、続報を待ちたい。

リビルドワールドⅥ上 統治系管理人格

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「無知は人を殺すっす。知りたがりは早死にするっす。その辺のバランスをしっかり見極めることが大切っす。さあお嬢。姐さんに良いところを見せるっす」

 

スラム街の一件の後、アキラはアルファのサポートを受けてクズスハラ街遺跡の奥へと向かって。

そこには迷彩で隠された今も稼働する旧世界の施設があり、アルファがそこの管理者と交渉した結果として、旧世界の遺物をゲットする事に成功。

旧世界の定義で言えば廃棄品にあたるそうですけど、季節による商品の入れ替えなどなどで出たものだから品質に問題はないとか。そこでアルファが言ってた、「最初から廃棄品狙いだったら交渉の可能性がある」って下りはちょっと面白かった。

アキラの場合武力以外にアルファって言う窓口があったから上手くいってるだけで、普通はそう上手くいかない手口なんだろうなぁ……。

 

そうやって得た遺物をシェリルの販売所に持ち込んで。旧世界の情報端末があったことで、いろんな思惑が蠢きだしてると言いますか。

ヴィオラは相変わらず暗躍大好きで好き勝手やってるなぁ。最終的に利益を出してるのは間違いないと思うんですけど、早いうちに排除しておいた方が安全なんではないだろうかって思ってしまう。

でも、都市の幹部を相手取るにはシェリルじゃまだ不足してる部分もあって、今回で言えば事前に高級料理に慣れさせてくれたりしたのは助かってるので、うーん難しい。

 

アキラは先日人型兵器を蹴散らした関係もあって、キバヤシから強制依頼を持ち込まれることに。もっともそれは基本的には不利益をもたらすものではなく。

ランク詐欺状態だから、ハンターランクを適正値にするために実績を積んでもらう調整依頼で。

こちらはこちらでいろんな思惑が重なって、ユミナが同行者になってましたが。いやぁ、書籍版だと彼女とアキラの交流が増えてて面白いですね。

ユミナの方は先を往くカツヤに追いつくために必死なようですが……カツヤについてる幽霊がネットワークに取り込めないから……って危険視されてるのが恐ろしい。

 

アキラとの交流によって、それぞれの在り方を見直すようになったレイナとトガミが同行して遺跡探索してる様子とかも結構好きですねー。

で、なんの因果かそこにアキラが現れ一緒に遺跡探索するようになって。同じ情報を得て探索に来たから、って事でしたけど。報酬交渉の複雑化は避けられないし、いやぁ普通のハンターは考える事多いですな。

アキラは交渉ダメだから大体他の人に委託してるからな……大体キバヤシ。利害が一致してるからいいか。

 

今回登場した管理人格ツバキが色々と手を回して、状況が動いていますが。

後に波乱を呼ぶカードの事とか、ティオル周りのエピソードとかも書籍化に際し加筆修正されて、まとまりが良くなった感じがして読みやすかったです。

そして来月発売のⅥ下巻のサブタイトルが「望みの果て」で、シリーズ前半戦クライマックスとも謳われてるんですよね。WEB既読勢としてはなっとくのアオリなんですが、書籍化にあたって結構変わってる部分もありますし、さてどんな決着となるのか。今から楽しみです。

リビルドワールドⅤ 大規模抗争

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「それでも、私達はそのアキラの強さのおかげで安心して暮らせています。その強さに助けてもらっています。それは知っていてください」

 

スラム街の徒党。

シェリル達もアキラと言う後ろ盾があることと、シェリルが外向けの「お嬢様の仮面」を完璧に被っている事で、順調に勢力を拡張していますけど……アキラの苛烈さも知れ渡っているために、幹部候補が育ってないとか。

……そんな状態でも他の徒党と商人を巻き込んだ遺物の販売業を行えそうだっていうんだから、トップの強さがうかがえる。

 

小さな徒党もあればより規模の大きい、都市に影響力すら持ちうるファミリーもあって。

2大ファミリーの抗争が起きそうな状態で、どちらの組織もあちこちから金をあつめて兵器を揃えているところだとか。

最後の一押しをするために、シェリル達の徒党が抱えている遺物に目をつけて、圧をかけてくることになって。

 

組織の柵があるとはいえ、アキラは自分が軽視されててキレてる辺り、まだまだ青い部分があるというか。こういう部分があるからシェリルの配下から恐れられてるんだろうなぁ……。

 

ドランカム側も一枚岩じゃないというか、カツヤの力量とその指揮下にあるメンバーの伸びが凄い反面、動きについていけないメンバーも出てきていて。

長い付き合いだけど連携がかみ合わず悩みを得ているユミナが、諍いの俎上に上がりそう。Aチームに合流した元Bチームからも蔑視の対象になっている辺り、組織の面倒臭さが出てませんか……? 旗印のカツヤは足元の不穏さに気付いてないし。

まぁカツヤも「幽霊」の干渉を受けている部分あるから、全部が全部彼のせいでもないですけども。

 

一連の騒動は怪しい情報屋のヴィオラが裏で画策していましたが、彼女の主義主張以外にも都市側の思惑までも加味しての行動だったのはちょっと意外ではあった。それだけ頭の痛い問題ではあったんだろうけども。なんでこんな劇物をコマにするんだ……。

まぁヤナギサワがネリアとかいう元テロリスト配下にしたりしてるし、清濁併せ呑むどころかある程度汚い手段も使えないと、組織の上層部で動けないでしょうけどね。

 

「俺達を巻き込んだか?」というヴィオラへのアキラの問いかけが怖いんだよなぁ。

躊躇いなく打てる主人公の危うさを感じるけど……終始一貫してるブレない主人公ではあるので、その辺り信頼できるとも思ってるんですよね。敵には容赦しない。

この場合ヴィオラも最悪撃たれる覚悟はしていたというか、備えをしてたからある意味イーブンなのでは……?

 

巻末の予告によると、6巻は上下巻同時発売予定で、幽霊の影響を受けているアキラとカツヤの対決が避けられないのか!? 的なアオリ文がついてるので来年の発売を楽しみにしています。

リビルドワールドⅣ 現世界と旧世界の闘争

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「もう一つ確認する。お前は俺達の敵か? 答えろ」

 

賞金首騒動も落着した後、アキラは車と装備の更新も終えてリオンズテイル社の端末を探して荒野を放浪していた。

しかしまぁ、いつもヨノズカ駅遺跡みたいな当たりが出るわけでもなく。徒労が続き、アキラのモチベが去ってきていたのでアルファは既存の遺跡の、未踏破地区への挑戦を提案して。

 

そうして新たに彼が訪れたのが、ミハゾノ街遺跡。

ハンターオフィスの出張所や、駐車場が整備される程度には実入りが良い遺跡で。

まだ稼働している工場まである、機械系モンスターが多い遺跡にアキラは挑みます。

WEB版だと「セランタルビルを攻略せよ!」って言う感じの展開でしたけど。書籍版だと結構展開が変わっていて「ミハゾノ街遺跡に生じた異変!?」みたいな(わかりにくい)。

 

今のアキラの実力では、セランタルビルに挑んでも死ぬだけだ、とアルファに止められて。

代わりに工場区画の調査をしにいったところで、地図屋のキャロルと出会ったりします。

顔見世だけを済ませた後、異変に巻き込まれて逃げ延びて。

アキラ達が遭遇した問題以外にも、遺跡全体で異変が起きていて……エレた達に連絡を貰ってからの救援依頼とか、WEBの要素は拾いつつ無理が無くなっているというか。より洗練されていて読みやすく感じましたね。

 

ミハゾノ街遺跡でのトラブルにおいて、アキラはまたアルファが居ない状況下での戦闘を強いられます。

そして、序盤は押されるものの。彼によって譲れない一線を侵した、改めて示された時の覚悟を決めた姿は中々格好良かったと思います。

 

アキラとの交流を得て、成長しようとしているレイナとトガミの不器用な若手たちが好きなんですよねぇ。

反カツヤ派の期待の星と担ぎ上げられかけたトガミが、賞金首戦を経て自制できるようになってるのが、凄い好きなんですよ。

「自分を自分で誇れるだけの実力を再び得ることだ」と言う彼の目標(これすらも、完全な正解ではないと終盤に思い至ってましたが)が、ハンターとしての矜持を感じてよい。

 

レイナはレイナで、自信の非力を実感して。「123話種明かし」でシオリがアキラに投げた、「使えるはずの装備を、使わない人間をどう説得するか」への返答も、アキラの判断基準が明瞭で、その割り切りが頼もしい。

 

全体的に、世界観を大事にしつつ増えたキャラも上手く動かしていた印象。

しかしまぁ、相変わらずアルファがアキラの行動を操ろうとしている、怪しさがあってこれからどう転がっていくのかが楽しみでもあり怖くもある。

リビルドワールドⅢ下 賞金首討伐の誘い

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「分かったよ! 覚悟を決めるのは俺の担当だからなぁ!」

 

ヨノズカ駅遺跡の騒動から、なんとか生還したアキラ。

本格的な探索はせず、遺物売買などの事後処理をすることになっていましたが。

売り先のカツラギがヨノズカ駅遺跡に挑むハンター相手に、荒野価格で色々売りに行ってたもんだから、遺物を持って往復する羽目になってましたが。

その結果、遺跡から出てきた変異種との遭遇に、アキラを護衛として雇えたのだからカツラギとしては不幸中の幸い……なのかな? なし崩しでタダで護衛させようとしたカツラギの思惑を、アキラがちゃんと潰してるのも成長が感じられて良い。

 

遺跡から出てきた変異種が、かなり強大になっていてハンターオフィスから「賞金首」として通達が来て。

自分の運の悪さを自覚しているアキラが、荒野へ積極的に出かけなくなったのは、正直笑った。実際これまでの彼の実績を想えば、うっかりで出くわしてもおかしくないからな……。

高額の賞金目当てで挑んだハンターもいたようですが、返り討ちにあってどんどん賞金額が上がっていって。

 

ドランカムを筆頭にハンター徒党も討伐に向けて動きはじめて……アキラも、以前の縁からシカラベに誘われて賞金首の一体に挑む事に。

ハンターだかといって、ただ危険な敵を倒したり、貴重な遺物を集めるだけではなくて。徒党が大きくなるほどに、内部の問題って言うのも出てくるようで。

ハンターオフィスを通さない非正規の依頼、という形ではありましたけど。

 

しかしまぁ、話を聞くにドランカムも大変だな、と言うか。

これまで何度もアキラと出くわしているカツヤ一党も中々ではありましたが、新登場のトガミやリリーみたいなのを見ると、シカラベ達古参の応援をしたくなってくるな……

増長しているのが良くわかる。ヤラタサソリの時に噛みついてきたレイナみたいなのばっかりか。

 

ドランカムの若手勢力も、外部の応援を雇いながら賞金首の一角に挑むことになっていて。

カツヤに指揮を学ばせるために、別の討伐を見学させたり色々と手は打っていたようですし、カツヤ自身も慎重に判断してたと思いますが、暴走する子が出るんだからもう……

外部の応援から文句が出てましたが、アレは仕方ないと思ってしまった。

まぁ、ドランカム若手勢力の一番の問題は、カツヤに対するもう一人のアルファの侵食が大きいというか。

影響がどんどん広がって行ってる所ですよねぇ。アレを見てると本当に、遺跡の亡霊が怖くなってくる。

 

アキラが雇われた以上は、しっかり働くという考えてかなり奮戦していたのは楽しかったです。アルファのサポート付とは言え、あそこまで動けてランク21ってのは、周囲の反応見るに相当詐欺なんだろうな……

シカラベに誘われた一件の後も、別の徒党の賞金首討伐のサポートとしてバックアップに従事して。さらには後日、エレナ達に声をかけられたとはいえカツヤの指揮する作戦にも参加する事になって。

 

結果として、4体現れた賞金首の内3体の討伐に参加してるんですよね、アキラ。キバヤシが目にかけるのも良くわかる。まぁ、サポートに徹したマイマイは直接賞金首とぶつかってはいませんけど。

終盤の101話~102話でもトラブルに見舞われていましたし、本当にキバヤシを飽きさせないな……

 

巻末の閑話「運の問題」は、また装備を更新する事になったアキラが、普段より軽装でシェリルの徒党に顔を出しに行ったら襲われる話。

軽装とはいえ、しっかり武装していたので返り討ちにしていましたが。色々とスラムでも蠢いているというか、暗躍してる人が多いな、という感じ。次回に向けた伏線エピソードなんですよね。

巻末の次回予告でも「WEB連載版より全面改稿」となってる4巻が今から楽しみです。

 

 

リビルドワールドⅢ上 埋もれた遺跡

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「そうだよなー。そういうことが出来るやつは凄いけど、限界ってのはあるよなー」

 

7月末までやってた読み放題で既刊を読んで、続きが気になったので購入。

KADOKAWAの掌の上で踊らされている……既刊も懐と相談しつつ揃えていきたいですねー。

2下まで読んだところで、以降のWEBは読破してきたんですが。かなり改稿入ってて、別物になってましたね……取り急ぎ続きから読んだけど、1上~2下までの部分も結構変わってたのだろうか。

 

8000万オーラムを注ぎ込んだ新装備がついに届いて。

シズカさんからありがたく受け取ってましたが……かなりギリギリまで攻めて良い装備を揃えてくれたようで。

ちゃんと利益とってくださいと思う部分もありますが、その良い装備のお蔭でアキラが助かってるからなぁ……

 

強化服だけじゃなくて車までつけてくれたのはありがたい。

そして、自前の車を得たことでアキラは、かつて得たリオンズテイル社の情報を元に遺跡を捜索に出て。実際に大当たりの遺跡を見つけてました。

そこで得た遺物をカツラギに売りに行ったりしてましたが……アキラ、優秀なアルファのサポートがあれど、基本ソロでの活動だからハンターの常識とかにも疎いんだよなぁ。

商人の打算があるとはいえ、色々説明してもらえてよかった。

 

アキラもカツラギが何かの計算してるのには気付いて、シェリルが世話になってるからある程度は多めに見る、と言ってる辺りは成長を感じられた。

サラやエレナと一緒に遺跡探索に行くことになって、そこでも色々教わってましたしね。

カツヤとの距離感は相変わらずではありますが、少数でも理解者が居てくれるのは大きいよなぁ。

 

協力者枠だとシェリルも居て、かなり良い仕事してくれてはいるんですが。

アキラの判断基準が読めず、困惑してることもありますからね……理解者の道は遠い……

シェリルの服を買うシーンに加筆が入ってたり、アキラから頼まれて向かう遺跡がヒガラカ住宅遺跡じゃなくて、ヨノズカ駅遺跡に変わったりしてましたね。

カツヤとのやり取りで「秘密って良いですよね」と言ってる部分とか、かなり強かさが磨かれてるのは良い按配。

遺跡の所在がバレるまでの流れや、他のハンターとのトラブルの経緯も、より分かりやすくなっていたように思います。

 

しかしまぁ、ヨノズカ駅遺跡の騒動がかなりボリュームアップしてましたね。

ヴィオラの介入がハッキリと描かれて、おっかない情報屋って印象が更新されたわ……

条件がいくつも重なった結果、予想以上の惨事になってて、こう思わず天を仰ぎたくなりました。

数の暴力に押されたとは言え、ハンターが結構亡くなる騒動だったのに、死地に飛び込んでなお生還したアキラとカツヤの若手組も実力上げてるなぁ。亡霊の手助けがあるとはいえ、途中で死んでてもおかしくないと思うんだが。

だからこそ、試行の対象として相応しいのかもしれませんね……亡霊2体の会話が、相変わらず不穏でゾクゾクする。

リビルドワールドⅡ下 死後報復依頼プログラム

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「俺のどこがそんなに気にいたんだ?」

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「どこがって? その生き様だよ! 無理無茶無謀! 駆け抜けて生き、駆け抜けて死ぬ! 実に良い! 実に俺好みだ!」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。           

キャンペーン追加タイトルで、対象期間は7月末日まで。

 

キバヤシがめっちゃ出来る男っぽくてびっくり。いや、実際アキラの弾薬費関係のアレコレとか通して、そこそこ権限もってるっぽいですけど。シンプルにカッコイイ。

このスタイルで、ハンターの無理無茶無謀を後押ししてるのかと思うと、中々に愉快な人なんだな……外見渋いのに。

 

地下街に巣食ったヤラタサソリの駆除依頼。

おおむね順調に推移していましたが。地下はまだまだ手付かずの領域で、遺産なんかも見つかる状態。

……それを狙って、忍び込んでる連中まで居て。その一員をバッチリ目撃してしまい、戦闘にまで発展する辺りアキラの悪運も極まれり、って感じ。

 

単純に戦うだけでも厄介な相手ですが、そこからどんどん状況が悪化していく様は芸術的ですらある。

よくもまぁ、あそこまで状況を混沌に出来るな。今度こそ終わったかと思えば、次の騒動に繋がるんだから凄まじい。

アルファのサポートで辛くも乗り切ってる場面が多々ありましたが、本来なら死んでる状況を何度も超えるせいで、都市のエージェントと誤認されてるのは、正直笑えた。

 

今回も生還したものの、装備一式を失って。

派手に稼いで同じくらい派手に散財して、ハンタードリームではあるのか? 命からがら戦って装備破損してるわけで、毎回ギャンブルしてるようなものだから、スリリングですな……

続きが気になって、なろうの方でWEB版最新話まで読んでしまった。2巻終わりあたりから読んだんですが、スリした女子への扱いが少し変わってましたかね?

今後に影響を及ぼす様な要素なので、続きが楽しみです。続きも出てるし、懐と相談しつつ買っていきたいな……


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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