「できなくても、やれ。不可能を承知で、前に進め。最高の理想の為に動いて初めて、最低限の望みが叶う。それが、人の身に許された唯一の願望成就の方法だ」
世界を作れる【器】の純粋概念。
遥か彼方にある神の座を目指し続ける我堂だからこその言葉だ。
ハクアと接続し、彼女の事情を知ったことで動くことが出来なくなったアカリ。
突飛な部分もありますけど、やっぱりそこは普通の少女なんだよなぁ……と思いましたが。これまでアカリを取り戻すためにアレコレやってきたメノウでしたけど、ハクアの記憶を知ることで彼女が敵になることも視野に入れているあたり、元は処刑人だっただけの事はある。
迷いながらもアカリも決断し、最終決戦となったわけですが……。
4人が協力して支え合ってなおハクアは強敵で。衛星兵器を使うと思わせておいて、そのものをぶつけるって言うのはそりゃ有効でしょうけど。
ハクアの純粋概念の使い方をずるいと評してましたけど、この一撃も中々反則だとは思いましたねぇ。
でも反則的な一撃をお見舞いしても相殺できそうだったあたりハクアもおっかない。ギリギリ拮抗している状態のハクアが、流石に自分たちも巻き込まれるから威力を抑える備えがあるのか!? と思ったところで逆に加速させる場面は正直凄く笑いました。
ただ追い込みすぎた結果、ハクアが人災になりかけたりと1000年を積み重ねた相手を打倒するのは一波乱もふた波乱もありますね……。
しつこすぎる【防人】の乱入があったりもしましたが、それでもアカリとメノウが何かを犠牲にして解決する選択肢を選ばなかったの良かったですね。
我堂も巻き込まれて、ちょっと落ち着いた状態のハクアと会話して、星の概念を持ち時間軸を見通す目を持っていた彼女が非道を見過ごしていた理由が明かされたのも、ハクアの納得の為には良かったんじゃないですかねぇ。同じ視座を持つのはなかなか難しそうでしたけど。
最後にもちょっとトラブルがありつつも、アカリは諦めず……殺伐したこの世界を旅してきた物語としては、かなりハッピーなエンディングに辿り着けたのではないでしょうか。長く続いたシリーズの完結見られるのは、寂しくも嬉しいものですね。