気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ノロワレ

ノロワレ参 虫おくり

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「別に責めちゃいない。己が大人だとも言わんよ。ただああいったものは、子どもの立場からは見えにくいというだけだ。そして疑問を抱かず大人になると分からなくなる。それが濃縮されると、ああなる」

 

元々救いとは縁遠いこの作品ですが……

今回はまた一段と救いがないというか、救われていい相手がいないとすら思えてしまったと言いますか。

現人が嫌っている「田舎の風習・俗習」。それを煮詰めたかのような事件が今回は起こるわけですが。

 

狭い村だからお互いの事はよく知っている。だから、よそ者を嫌う。排斥する。

村社会であるが故、それを見てみぬふりをするものが居て……実力者が行っていることを真似する者も居る。

そうして追いやられて、命を絶った者の呪詛が、その村には残って。

相変わらず、恐ろしい文章を書くというか、怖い雰囲気を作るのが上手いなぁ、と。怖いけれど、先が気になってついページをめくってしまう。

 

夢人が現人に語った「子供からは見えにくい」もの。それは確かにあるのだろうなぁ、と思いました。

間違いに気付けず歪み続けた果て。

夢人は呪い返しの儀式が失敗したときに、「……許さない、というわけだな。良いものを見た。被害者の呪いとはかくあるべきだ」と言っていましたが。

これほど憎しみを募らせた被害者たちの怨念の強さに圧倒される。

 

前回の事件から現人はオミコサマの卵、文音との接点が出来ていたようです。

日高のお見舞いの帰り道を同じくする感じだとか。最もオミコサマ見習いとして、下手に関わったことに謝罪など出来ない文音は、現人から話を聞くだけというなんとも迂遠な接触をしてるわけですが。

二人連れ立って歩いているところに夢人が現れたりするからなぁ……彼らは彼らで夢人被害者の会でも立ち上げればいいんじゃなかろうか……

ノロワレ 参 虫おくり (電撃文庫)
甲田学人
アスキー・メディアワークス
2013-09-10
 

ノロワレ弐 外法箱

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「家族とは、呪いだ。呪いの詰まった、出られない箱なのです」

 

積読消化マラソン中。

メディアワークス文庫の方に移っているというのに、未だに電撃文庫版積んでるとは……とっとと消化しちゃわないとなぁ。スペースとって仕方ないし。

 

閑話休題。

同級生の友人、日高護の祖母の葬儀に参列した現人。

そこで彼は「オミコサマ」という七谷に根付く祈祷師が、遺族に「箱」を返してほしいと願う場面に居合わせて。

 

護は現人の持つ夢人に対する怒りを零せる、数少ない理解者で。

だからこそ、何かトラブルに発展しそうなら力になりたいと思っているようですが。

今回は護の方に事情があり、現人に悩みを語ることが出来ず。

 

葬儀に参加せず現人の怒りを買っていた夢人は、その一連の流れを聞いて「箱」そのものと現人の友人の家系にも興味を持ちはじめ。

「憑物筋」の一種ではないのか、と。

そうして調査に動いていくわけですが……いやぁ、本当に的確にいやがらせムーブをしているというか。

「己の事が嫌いな人間が大好き」という彼のポリシーを徹頭徹尾貫いてるなぁ、という感じがして、好感は持てないけどそのブレのなさは凄いと思います。

 

日高の祖母が諸悪の根源だよなぁ、というか。

本当にその身を外法と化す執念が恐ろしすぎて。

結局今回の話はそうした妄執に振り回されて終わった、という話でしょうか。

オミコサマの卵こと犬伏も、彼女なりに大変な事情っがあるようですし。

今後の活躍に期待……というか現人と一緒に夢人に振り回され続けるような気がしてならない。

ノロワレ 弐 外法箱 (電撃文庫)
甲田学人
アスキー・メディアワークス
2013-05-10


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ちゃか

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