気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ハブられルーン使いの異世界冒険譚

ハブられルーン使いの異世界冒険譚3

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「何が起こってもいいように、最悪のケースを考えながら行動するべきだ」

 

志穂乃の治療を頼んだセラフィナから、病ではなく毒だという事を明かされた司。

それは志穂乃が、死霊魔術というこの世界で忌避される力に目覚めたことが影響しているようで……かつて自分を暗殺しようとした王女アリアーヌの影を感じるわけです。

さらに、元クラスメイト達を戦力として確保した人間の国と魔族間の戦争も過激化しており……この世界で、特に魔族の国で人間である彼が生きていくには何かしらの後ろ盾が欲しい。

 

単純にセラフィナに取り入って、彼女に取り替わろうとしている叔父ラドリムを排除する方向にいくのではなくて。

自由傭兵としての活動実績を積み上げていくことで、ラドリムの眼にとまるようにして、彼に取り入ることを選ぶあたりが捻くれてしまった司らしい。

……いやまぁ、最後セラフィナに接触して契約のルーンを持ち出しているあたり、ずっとラドリムを仰ごうとしてるわけでもなさそうですけどね。

ラドリムの性格を想えば今は認められて仕事を任されていても、いつ排除されるかわからないしな……。

 

そうやってファンタジー方面での状況も進展しているわけですが。

美穂乃との関係に気付いた志穂乃。かつて想い人と姉が先に付き合うことになりコンプレックスを強めることになったこと、この世界で寝込んで孤独を感じていたことから、「見捨てられるのは嫌」という想いが強まって自ら踏み込んで司との関係を深めることを望んで。

さらに、大家さんのシルエとも肉体関係を持つことになったりと、順調にハーレム築いている感はありますが。他の転移者たちが、魔族の軍に対して優位を取るだけの戦果を挙げる強力さを示している一方で、司はまだその領域になくて。仮に今正面からラドリムと戦うことになったりしたら、彼を支持する派閥の戦力も加味するとかなり厳しそうですから司らしい工夫には期待していきたいところ。

ハブられルーン使いの異世界冒険譚2

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「ああ、司だ! 志穂乃、助かりたかったら僕と【契約】しろ!」

 

病床の志穂乃を救うためルーンを用いた【契約】を交わした司と美穂乃。

高位の跳躍スキルを持つ領主の少女、セラフィナに必要な素材を教えてもらった2人は、採取のために危険地帯であるギヴァ渓谷に向かうことに。

そこで危険なドラゴンと対峙する羽目になり……美穂乃に突き飛ばされ、戦場を一時離脱することになった司でしたが。

【契約】の縛りはかなり強力で……義務を果たせ、と彼を苛むことに。美穂乃の生存を確認できたのは良かったですけど、魔術による契約、なかなか融通が利かなくて大変ですね……。

 

終盤に司も反省してましたけど、「志穂乃の病気を治すために協力する」ではなく「志穂乃を救うために協力する」と言った影響か、薬が完成してからも2人の契約状態が継続してたりしましたし。契約を結ぶ時は気を付けた方が良い、と反省してましたが、それはそうだよ……。

まぁ美穂乃と契約をした際は、司を裏切った友人・柊恭弥の方が信頼できるというような言葉を美穂乃が言い放ったせいで司も冷静じゃなかったから、多少同情の余地はある。

今回のプロローグがまさに恭弥の裏切りのシーンでしたが、「俺を信じたのはお前の勝手」とか言ってきたりして、なかなかに恭弥も歪んでるな……感はありました。

 

薬は無事に完成させることが出来ましたが、セラフィナが幼いため後見人を務めている叔父が彼女を軟禁状態に置いたことで、面会が叶わない状態が続いたりとかのトラブルも起きていました。

司の排除を躊躇わず実行した王女も健在ですし、あちこちきな臭い世界ではあるので、なんというか今後も司は巻き込まれていきそうだな……という予感しかしませんでしたね。

……そもそも志穂乃は病気ではなく、毒を盛られた結果だなんて話まで出て来てますし。

 

美穂乃、契約の関係もあって抱かれ続ける中で司に絆されている部分も出てきてるみたいでしたけど。リエラに教育を受けているときのエクストラエピソードで、彼女は比較的恵まれた環境に居て、自分なりの「普通」を信じていて、その「普通」から外れた「かつてよく遊んだ幼馴染」に向ける無自覚な視線はどんな蔑みの言葉よりも残酷だった、的なことが地の文で書かれていて、まぁ……そういう娘だよなぁ、……という納得はありました。

ハブられルーン使いの異世界冒険譚

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「期待外れで悪かったわね」
「期待なんて初めからしてないよ」

 

級友たちと共に異世界に召喚されたものの……召喚者である姫様に不審なところを感じていた司。

それを疎遠になっていた友人を信じて相談したところ……裏切られ、城を追われることになって。異世界で頼れるものもなく、色々とひどい経験をしたみたいで彼は大分異世界に適応したというか、荒んでいきつつとりあえず生きてはいけるようになった。

 

そんなある日、幼馴染の少女・美穂乃が、病に倒れた双子の妹・志穂乃を救うために城を出て……司を頼りに来たわけですけど。

序盤で「幼馴染だから助けてくれたんだよね」とか言って、司に「そんなわけないだろ」とバッサリ切り捨てられる程度の関係。……いやまぁ、昔は仲が良くて、進学するにつれて距離が出来て、異世界で司が追われることになったことで完全に歪んでしまったというのは考慮する必要はあるでしょうけど。

……それにしたって、美穂乃の振る舞いは頼って来た相手に向ける態度じゃなかったですしね……。

 

明確に描写されてはないですけど、城を追われてから大分司も苦労して荒んだみたいですけど、そんな彼に「自分たちを見捨てて逃げた」みたいな物言いまでされちゃ、そりゃ司も怒るってもんでしょう。

そこで追い出すのではなくて、異世界で司が目覚めた才能であるルーンを用いた『契約』をするあたりは、まだ若干甘さが残ってるな……という感じもしましたが。

城に滞在していただけの美穂乃は異世界の金を持っているはずもなく。自分の身体で協力の対価を払うことになって……というあたりが実にノクターン。

あとがきに寄れば、エロにもシリアスにも本気の作品を書きたかったとのことです。面白くなりそうな要素はありますが、まだまだ序章なので今後の盛り上がり次第ですかねぇ。

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ちゃか

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