「その先のことは心配にならないのか?」
「私の特技は、面倒くさいことはとりあえず忘れるということです」
「なんとなくわかった」
「華侘の書」を入手したものの、それは痛んでおり……壬氏の管轄で修復処理が行われることに。
通常業務に戻った猫猫は、とある試験を受けることになって合格。羅門の下で、投薬試験を行うことになって……。
それはかなり大がかりなものであり、大量の薬を作り市井の住人たちに投与するというもので。さらに、薬が効かぬ者には外科治療まで行われるほどだった。
猫猫も途中で気付いていましたが、そこまで本気で力を入れているのは貴き方に同様の症状が見受けられ、その治療の準備をするため。
民で治験してるようなものですが、まぁ症状軽い人とかを中心にちゃんと治って成果出てるから良いか。
規模の大きい試験を行えるくらい、入念に準備を行わないといけないわけ。
つまりそれだけミスが許されない相手ということでもあり……帝その人が患者となるのは予想できましたが。
最終的に手術が必要そうだ、という話になって。その情報が洩れて帝にちょっかいかけてくる縁戚がいたり。猫猫が玉葉妃に確保され事情を聞かれる一幕なんかもあったり。
帝が手術を拒否したかと思えば、壬氏を呼び出したりしたりもしつつ、なんとか手術を行えるようになったのは良かったですけど。
実力はありつつも気分屋な天佑があまりにも勝手でなぁ。猫猫が怒りを見せてくれたのは凄く良かったですね。カッとなった猫猫が求めてた報酬を実行してやっても良かったんじゃないか、とすら思いましたが。その後ちゃんとやり返したというか、可能かつ無理のない範囲で嫌がらせしててスカッとした。