「生産は“慣れと根気と諦めと惰性”やで」
MFブックスから刊行されている作品のコミカライズ。
『フェアリーテイル・クロニクル』という人気のVRMMOゲームをプレイしていたら、それを良く似た異世界に飛ばされてしまった東くんと、同じタイミングで近くに飛ばされていたクラスメイトの少女藤堂さんが出会ったところから始まる物語。
ゲームの『フェアリーテイル・クロニクル』は、どんな遊び方をするのも自由であり……また「ゲーム内のアイテムはすべて自作可能(ただし生産スキル上げは苦行と評されている)」という特徴を持っていた。
そして東は、一緒に遊んでいたプレイヤーから「そんなマゾいこと普通にやってらんないわ!」と言わしめた生産スキルを延ばし続けて……4種以外はスキルカンストまで育て上げた、生粋の職人だった。
オマケに、エクストラスキルという特殊スキルも未カンスト+2種以外では取得しているという徹底っぷり。
ゲーム時代のアイテムこそ持ち込めなかったものの、スキル等はそのままだったため、東は転移初期に出会った熊を蹴散らして、毒消しやポーションなどを作成。
運よく、というか。悪くというか。現地の住人で、厄介な毒を喰らった冒険者と縁を結ぶことが出来て、生活の足掛かりに出来たのは良かった。
東たちみたいに異世界転移してきた存在は、「知られざる大陸からの客人」と呼ばれ必要であれば王家からの支援も受けられたみたいですけど。
そんな支援とか関係なしに生活基盤整えていけましたしね。支援を受けることになるとどうしたって政治に巻き込まれていくだろうし……と距離を取っていたのに、厄介ごとを発掘していったのは……お疲れ様ですって感じですが。
極度の女性恐怖症である東と、そんな事情を察して適度な距離を保っていた藤堂さんの関係をぶち壊しに来る最後のシーンはなぁ……今読んでもうわぁってなる。
東のトラウマ刺激する厄介女性が多いんだもんな、この作品……。