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「あ、お嬢様が戻った場合、リンド―さんはどうなるのです?」

「それは……多分だけど、死ぬんじゃないのかな。今度こそ」

「あなたは、それを受け入れるのですか?」

「しかたないさ。こんな幼い子供が死ぬよりは、よっぽどいい」

 

警官として活動していた竜胆善次郎は、新人の暴走によって犯人に刺されて死亡。

異世界の公爵令嬢セラ・ウィマーは、毒によって意識不明の重体となった。

そしていかなる運命の悪戯か、意識不明のセラの中に竜胆の意識が宿ることになって。

警官としての意識がある竜胆は、自分がセラの記憶を汲みだせることから「彼女の意識は眠っているだけで、事件解決できる魂を呼んだのだろう」と推測。

 

セラが可愛がっていた侍女セシルに、竜胆は自分が異世界から来たという事情を明かして協力を仰ぐことにして。

身体能力に劣るセラの体で荒事に対処するために、トレーニングを開始した莉、錬金術師に顔を繋いで手錠や拳銃といった武装を開発してもらって。

セシルに必要な情報を集めてもらって、真相解明に向けた思考を深めていくことになったわけですが。

 

セラと竜胆、セシルの関係というのが特に重要視されているような印象を受けましたねぇ。

犯人は結構本気でセラを殺したかったみたいで、彼女が毒で倒れた後にも人を雇って襲撃を仕掛けてきたりして……。

危うい場面もありますが、想定できたことでもあるので対策を取っていたのは偉い。

全てが終わったあと、意識を取り戻したセラが竜胆時代の経験を活かして、変化したのが彼の行いが無駄ではなかった証になってて良かったですね。