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「俺なら自分が死んだことを喜ぶ奴など呪ってやるが

 彼女が善き魔女であることを祈るんだな」

 

王都の外れにある森の奥深く。湖に囲まれた小島に、魔女のロゼは住んでいる。

魔女は特殊な素材を用いることで「魔女の秘薬」を作ることができるのだが……秘薬はどうしても高価になってしまうし、特殊な効力をもった薬を欲しがるのは訳ありの身分を隠したい人ばかり。

ある日彼女の下にやってきたのも、ハリージュという王宮勤めのエリート騎士で……過去の出来事から、ロゼもひそかに思いを寄せていた。

 

しかし彼が求めた薬は「惚れ薬」で……。自分の失恋を悟ったロゼは少しでも引き渡しを遅らせようと、情報を小出しにしていくのですが。

それはつまりそれだけハリージュとの接点が増えるということでもあって。

母を早くになくし祖母に育てられ、その祖母も亡くなってからは古い付き合いの商人ティエンくらいしか深い付き合いの人いなかったんでしょうね。

好きだからこそ感情が制御できないでいるのも相まって、ロゼはハリージュに隠しておきたかったことや、見られたくなかったものを見られてしまうわけですが。

 

秘密を知った時に騎士として他言しないと誓ってくれるハリージュが格好良かったですねぇ。

ロゼが彼の名前を知り、惚れることになった一因にしたって彼の誇り高さを感じるものでしたし。

一般市民が知らないからこそ「魔女」を恐れているというのも、わからないではないですけど。ロゼの小動物みたいな姿をみていると、何言ってくれてるんだという気持ちにもなる。