気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

マニャ子

ぼくは異世界で付与魔法と召喚魔法を天秤にかける4

ico_grade6_3
「人助けより、カズっちの方が、大事だよ?」
(略)
「100人を見殺しにしてカズっちが助かるなら、わたしは全力で100人を見捨てるよ」


転移して孤立してしまった、カズとミア。
使い魔で偵察して、襲撃を受けている町の様子を観察。
現地住人と接触します。言語が分からないのは、白い部屋でベンダーを使用して新しい魔法を取得して解決。
……魔物の言葉まで分かるようになって「魔王軍」とかいうありがたくない名称まで聞こえてきましたが。

介入する決意をした以上、行動は迅速に。
途中混乱もありましたが、情報収集も終え、街から辛くも脱出したと思ったらまた問題が起きて。
行きつく暇もないほど、ハプニングの連続ですね。
この作品、1日の密度が濃いからなぁ……
そうでないと生き残れない程、過酷な環境に放り出されてしまっていた、というのが原因ではありますが。

新たに現れた敵。
邪なる神々の尖兵、メキシュ・グラウ。
この世界の神話に語られるような存在まで現れだして。
難易度がハードとか通り越して、レベル1一週目でナイトメアな感じですけど。
流石にカズとミアだけでは打倒できない強敵。
ただ、彼らが街を調査したり、領主の取った行動だったりによって、時間は立っていて。
最高戦力を呼び寄せることに成功したカズたちがチームワークで打倒。

現地の一般市民ではなく、事情を知った権力者からの接触もあって。
3日目にしてようやく、この異世界への理解が深まってきましたが。
帯にも合った通り、滅亡に瀕しているなんて情報を得ても、困惑するばっかりといいますか。
まぁ、アレだけ魔物に襲われて一つの街がつぶされたりしているのが「平常運転ですが何か?」と言われるよりはよっぽど納得できますな。
……問題は納得できたところで、ピンチを脱出できてないというか、より大きな問題になって帰ってきたというところでしょうか。


ぼくは異世界で付与魔法と召喚魔法を天秤にかける 3

ico_grade6_3
「死んだら、わたしはきっと、楽になれるんですよ」
「うん。知ってる。ぼくたちみんな、多かれ少なかれ、同じようなものだと思う。でもだからこそ、ぼくはきみに死んで欲しくないな。きみひとり勝ち逃げするのは、ずるいと思う」
(略)
「ぼくたちはみんな、もっと血反吐を吐いて、地べたを這いずって、生きあがくべきだよ」


高等部に行ってしまったアリス。
トラウマを刺激された和久は、一人で行動を起こしてしまって。
まぁ、たまきが追い付いて、引っ張り戻してくれたので、事なきを得てますが。
二人で行動している中で、なにやら怪しい石柱を発見したり、ミアの兄である変わった青年と鉢合わせたりとイベントも順調に消化中。

しかし、あの忍者はいったい何なんだ……
あぁも堂々とロールプレイされるとこっちの方が間違っているのかと錯覚しそうになる。
そして高等部の連中がいい感じにクズだなぁ。
こういう極限状況下で、トレイン実行するとか、相当ですよ。
和久のトラウマの重さの割に、結末はあっさりしていた感じなので、ちょっと残念。

アリスも無事に取り戻してひと段落……かと思いきや。
新しい魔物が現れたり、グロ注意なモンスターが厄介な儀式をしていたり。
状況が刻一刻と変化していく感じで、休まる隙もありませんな……
志木さん視点のエピソードなんかも追加されていて、いい感じに救いがないですけど。
これ最終的にどういうところに着地するんだろうか。
WEB版だと、どんどん問題が大きくなっていく一方だからなぁ……


ストライク・ザ・ブラッド12 咎神の騎士

ico_grade6_3h
「あんたのことは哀れに思うよ」
(略)
「目的のためには犠牲をいとわない。仲間の命すら平然と使い捨てにする――その犠牲の中にはあんた自身の命もカウントされてたわけか! 歪みすぎだろ、あんたは!」

連絡の途絶えた妹を心配して第四真祖は、島を出ようとしたわけです。
前回最後に、静寂破りの襲撃を受けて「逃げきれてないじゃん!」と11巻の逃亡の~というタイトルにツッコミ入れた覚えがあるんですが。
一応敵の攻撃をあえて受けてカウンターぶち込むことで、辛くもあの場所を離脱することには成功していたようです。
最も、脱出したときの勢いで海に沈んで、割と危ない所でしたけど。
ヴァトラーが、彼自身のためとはいえ手助けしてくれてよかったね……

今回は、神縄湖の牙城たちがいる儀式を行った側。
そして捜索に赴いた浅葱と戦車乗り、古城と雪菜の三視点がメインで進んでいくわけですが。
古城たちからすると、妹追いかけてきたら変な事件が起きてて、訳が分からないまま巻き込まれたって形になるんですよね。
裏側では、また新しい吸血鬼の古株が出てきたりヴァトラーが暗躍したりしているわけですが。

カインの巫女を崇める一派。聖殲派。
色々と気になる情報は出てきていましたが、古城たち視点で行くと、明らかになったことって本当無いんですよね。
暗躍している人たちが、行動を起こして第四真祖が揺さぶられる展開になっていくんでしょうか。
古城と雪菜が「夫婦か!」とツッコミを入れられるほど、安定した関係になっているのは……今さら、というか何というか。

ストライク・ザ・ブラッド (12) 咎神の騎士 (電撃文庫)
三雲岳斗
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-02-10

ネクストライフ6

ico_grade6_2h
「やれやれ。マリウスめ。行き当たりばったりのようじゃの。もっとも、それで何とかなってきたからこそか……」
ヴェールはもう、自分が飽きれているのか、それとも感嘆しているのか、分からなくなってきた。

マリウスとアネットの二人旅。
……疲れてきた。
どっちも自分の力に自覚ないし、割とノープランでぶらぶらしてるから、目先の事件に振り回されるし。
まぁ、その目先の事件を追いかけていったら思った以上の大事になって、マリウスの魔法で解決するといういつものパターンなわけですけど。

この二人だと勢い任せの力押ししか解決法ないから、本当参謀役誰かつけて。
というかその力の特殊性をもっと自覚して、もうちょっと行動の一つ一つに対して悩もう。
今回一人助力してくれてるキャラがいたけど、彼は彼でいつまでもついてきてくれるわけじゃないだろうし。

問題が発生したら、とりあえずマリウスの魔法っていうのがワンパターンでなぁ。
転生チートものは大体にしてそういう展開ですが、それにしたってもうちょっと魅せてくれる。
一筋縄ではいかない敵が出てきたり、力に応じた地位や責任と言ったものを持ったりして、変化があるんですよね。
顧みるにマリウスは気ままに旅してるし、アネットも天然だし。
駄目だこの二人。その内詐欺にでも引っかかるんじゃないのか。

WEB版はそれでも最後まで読んでるんですがね。
書籍版の着地点が同じあたりになるんだとしたら、最後までは付き合えないような気がします。
もうちょっと展開に変化つけるなり、進み加速させるなりしてくれないだろうか。

ネクストライフ 6 (ヒーロー文庫)
相野 仁・著
主婦の友社
2014-11-29

ぼくは異世界で付与魔法と召喚魔法を天秤にかける 2

ico_grade6_3
「カズさん、高等部にいこう」
たまきはいう。
「いまからでも高等部に乗り込んで、なにが本当なのか、確かめよう」

異世界に学校の敷地ごと転移して、そこはオークのような魔獣が徘徊していて。
この作品のポイントの一つは、割り切ってる部分でしょうか。
突然異世界に行って、オークと出会って。みんな助かるなんて目は当然ないわけで。
友人が、クラスメイトが亡くなって、生き残っても心に傷を負った人もいて。
なぁなぁで済ませず、犠牲を描いているっていうのは状況に即した描写で、作品の質を浴していると思います。

ま、これだけ密度濃いのに2日目終わってないんだぜ……? とかいろいろツッコミどころもあるんですけどね。
「白い部屋」という謎のシステム。強化されていくスキル。
そして仲間を増やし、責任が増し。効率を重視して行動していったのに、一度は助けた仲間から犠牲者が出て。
これ、無事に帰還することができても、社会復帰できるのだろうかってレベルの傷追ってないだろうか。
現代から見れば、山一つ丸ごと転移した集団神隠しになるんですかね。で、戻ってきたと思ったら半数以上は死に絶えているとか、何の冗談だって話になりますが。

主人公がいじめられていた、という設定からして、当然そのキャラが出てくるだろうとは思っていましたが。
また厄介なタイミングで出てきて引っ掻き回してくれるもんだ。
かなりのトラウマになっていたようですけど、そこをたまきが引っ張ってくれてなんとか踏みとどまった。いや、一度暴走した後だったっていうのもありますけどね。
さて、次回はいじめっことの決着になるんですかね。
全体的に描写が洗練されていない感じがするのは、まぁ、なろう作品だからなぁ……。


ネクストライフ

ico_grade6_2h
「あ、ありえない……化け物め」

魔王を撃退して、ホルディア王国を掬ったマリウス。
そして、すぐにアネットと二人で、ヴェスター王国に。トラブルを避けようと、出来るだけ二人の能力については隠そうとしてますが……
まぁ、それ以前に常識が足りないからなぁ。しれっと、ほかの人の度肝抜くようなことをするし。

マリウスの魔法についても、アネットのモンスターマスターとしての能力にしても。隠すならもっと細心の注意を払えよ……というか、ブレインとして誰か一人常識枠のキャラが付いてくるべきだった。
登場してくるキャラが、好意的というか善意を持った人ばかりで良かったね、というべきなんだろうか。

あと帯で、「美少女たちとの再会も――」とか書かれてますが。
再会早いよ。せめて一巻分のエピソードくらいは二人で頑張れよ……まぁ、マリウスが空間転移できる以上、距離なんてあってないようなものだとは分かってますけど。
それにしたって、もうちょっと何とかならなかったのか。

途中、黒幕ぶっている小物が出てきたように思いますが……マリウスの能力がチート過ぎて、戦闘とかパッとしないんですよね。
よほどの状況じゃないと負けないし。そもそも普段から手加減しているような状態だし。
俺ツエー系ではよくある悩みだとは思いますが。この作品では、マリウス一強が行き過ぎていて、なおの事作品の切れ味鈍らせてる気がします。


アルジャン・カレール~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~ 下

ico_grade6_3
「俺の心臓はひとつきりだ。姫さんが望むかぎり、俺は姫さんのものだ」
ロクサーヌが泣きそうな顔で、笑う。
「なら、安心ね……」

最初3話は、上巻と同じ、アルジャンの日常なエピソードですね。
国と結婚しているから、と誰とも結婚しない意思を表明しているロクサーヌ。
しかし、政略結婚による他国とのつながりっていうものは、割と重要なわけで。
対策として、養女を迎え「娘」として縁談を取り持つことに。
その娘は、アルジャンとも因縁というか関わりのある相手で。
1話で、うまく面倒な事情をまとめこんでいるなぁ、というのはさすがですね。

国の守護者と謳われるバルトレオン将軍も登場。
思いのほか若い面構えでしたね。けれど、征服欲を抑えられない、どうしようもない軍人という顔も持っていて。
有能であることは間違いないが、女王と見解の相違があって、混乱を抑えるために力を借りたものの、現在では微妙なバランスで二人の関係は成り立っているようで。
実際、最終話においては遠征失敗してもなお、次の戦争について考えている将軍と、外交で納めようとするロクサーヌとで戦っているような者でしたし。

最後のエピソードは……ちょっと都合よすぎかなぁ、とも思いましたが。
まぁ、これまでの伏線をまとめて終わらせようとするとあんな感じになりますかね。
女王の菓子職人として、職務を全うした彼は格好いいですねー。
ラスト2ページでその後についてまとめられていましたが、あのあたり膨らませればもう1冊くらいかけたんじゃないかとか思えます。
けど、駆け足に思えても、上下巻で落としてしまうのが、一番まとまり良さそうなのも事実ですね。
傑作とまでは行きませんが、そこそこ良質ではあったんじゃないかと。


アルジャン・カレール~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~ 上

ico_grade6_3
「俺の命も体も、全部姫さんにくれてやる! だから俺を庇ったりするなっ! 使い倒せ!」


革命によって王が打倒され、しかしてその革命政府も長続きせず。
結局は王の姪であった少女が立ち上がり、混乱期を乗り越えて、平和を取り戻した国、フロリア。
その王都の片隅に、不愛想な銀髪の青年が営むパティスリーがあった。
動乱の時代において、女王に協力した将軍の下で活躍した、銀の猟犬。

多くの二つ名でよばれた彼は、しかしその地位を捨てて、幼少期の夢であった菓子職人になっていた。
将軍にも言われてますが、英雄が菓子職人とか。なんて無駄な。
けれど、その無駄こそが彼と、彼が主と認めた女王が目指したものだと思うと、感慨深いものがありますね。
国があれていたら、贅沢なんてしている暇はない。
王侯貴族が処断されたのは、贅沢を独占していたからだ。

「贅沢は生きるために不要な、排除すべきことなんかじゃない。無駄なことだって、必要なことなのよ。アルジャン、あなたが夢見るお菓子のお城なんて、最高に無駄で、最高に贅沢で最高に素晴らしいわ!」


無駄なことだって必要だと女王は唄い、当時の経験はいい無駄だったと菓子職人は笑う。
この二人の関係が完成されている感じがいいですねー。
アルジャンが決して多弁なタイプではないですけど、劇作家のオーギュスと、彼の養い子二ノン。
周囲のキャラも中々いいキャラ立ちしていて、平和な一幕という感じがよかったです。
これが普通のラノベだったら、第四話辺りを膨らませて1冊にして、シリーズ化とかなりそうなところを、短くスパッとまとめているあたりはテンポがよくていい感じですね。
平和が続けばいいですが、なにやら下巻の方ではトラブルに見舞われそうな感じがありますな。
どういうオチが付くのか楽しみです。

作者的には、アルジャンの菓子職人としての修業期間とかがファンタジーだなぁ、という葛藤とかいろいろあったようですけど。
まぁ、読みやすくまとまっていましたし、これぐらいは許容範囲なんじゃないかと思いますがねー。


ネクストライフ4

ico_grade6_2h
「私も恨みを捨てよう。お前も捨ててはくれないか? お互いの守るべき者の為に」


魔王陣営のイラストが見栄え良くないなぁ……P31とか。P165とか。
なんでここに挿絵指定つけたって感じが。
そして帯。女王のピンチを救えるか!?ってありますけど……アステリア、まだ王女ですから。
帯の裏では王女も……って書いてあるんだから、そこは統一しておいた方がよかったんじゃないのかなぁ。
状況からいって、どうにかして王女が女王になっていくんだろうか、っていうのが見え筋だからといってわざわざ帯でネタバレしていいとは思いませんがね。
……と言いつつ、感想記事の冒頭で之に触れているあたり自分も配慮が足りないような。

閑話休題。
マリウスが魔法使って敵を倒すだけの機械に見えて仕方ない。
もうちょっと頭使おう。
主人公だっていうのに、あまり魅力的に見えないっていうのは致命的だと思いますよ。

今回思ったのは……王女様、要ったの? というような。
キャラが増えてきていて、それぞれの見せ場が足りてない。
というか、バランスがおかしい。文章に乗り切れなかった感じがする。
これならWEB版の方が楽しかった。
デカラビアが魔王でありながら、ただ敵役ってだけではなく、魔王なりの誇りを持っているのはよかったと思いますけど。


ストライク・ザ・ブラッド11 逃亡の第四真祖

ico_grade6_3h
「いいわ、すべて聞かせてあげる。後悔することになると思うけれど――」
真紅に染まる水平線を背にして、霧葉は最初のひと言を告げる。
それは古城たちに大きな決断を迫る、運命の一日の始まりだった。

新年を迎えようとしている時期。
帰省した妹からの連絡が絶え、心配していたところにひょんなことから情報を獲得して。
そして、心配事を抱えている状態で、獅子王機関との連絡も絶える。
すわ何事かと古城と雪菜は焦りを覚えていくわけですが。

これまで古城は、なんだかんだ言っていろんな人の協力を経て戦っていたんですよね。
獅子王機関やその関係者。那月ちゃん。
後書きにもありましたが、古城は魔族特区から自由に出られない代わりに、ある程度の行動の自由があったわけです。
ただ、そこから外に出ようとしたことで、状況は変化していく。
事件が多発こそしていましたが、ある意味では、その事件を通して第四真祖を取り巻く環境っていうのは安定してきていたと思うんですよね。

手を貸してくれる人もいますし、眷獣を順調に把握していったり、事件を解決することで、知人を増やしていったりと順調にイベントをこなしていた感じ。
それらが一変して、それまで協力してくれていた人に足止めをされ、敵対した相手にアドバイスをもらったりと結構ちぐはぐな状態で話が進んできます。
シリーズが順調に進んでいるから、こういう逆転が面白い演出になるんだとは思うんですが。
新章の序章といった感じが。
そもそも逃亡と言ってるのに島でれてないじゃないですかーみたいな終わり方はちょっとモヤモヤするものが。続刊早く。

ストライク・ザ・ブラッド (11) 逃亡の第四真祖 (電撃文庫)
三雲岳斗
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-09-10

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
 コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。

メールアドレス
kimama.tyaka@ジーメール なにかご依頼等、特別連絡したい事柄はこちらにお願いします。
メッセージ
アーカイブ
カテゴリー
記事検索
最新コメント
  • ライブドアブログ