気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ミユキルリア

七つの魔剣が支配する15

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「……成り得ぬでしょう。たかだか一年で、人がこのようには」

(略)

「あなたの足元だ。それで漸く」

 

校長を筆頭に頼もしい戦力が不在の中で、異端との戦いに臨むキンバリー。

ファーカーが教師として潜入した上で目指した、キンバリーの迷宮の奥にあるもの。双杖ならあるいは成し得たかもしれない偉業について。

そういった真実が明らかになってくれたり、新たな魔剣がお披露目されたりと面白いシーンは多数ありましたけど。

 

敵も周到に準備して仕掛けてきているだけあって、かなり追い込まれていて。

そんな中でも抗い続けているオリバー達をはじめとした生徒たちの奮闘が、輝いて見えました。

卒業生のティム先輩が最寄りの町で奮闘し、自身の体質を生かした上で敵に迫っていたのは熱かったし。

エンリコダミーから悪魔の誘いを持ってこられていたピートが、一度は断った上で代案があるならそれに乗ったり……いざ一歩踏み出したらノリノリだったりするのとか面白かったですけどね。

 

ただ……どうしたって、犠牲は出るんですよねぇ。

最善としては無血開城を目指していたファーカー、対立が明確になってからも犠牲が少なくなるように立ち回ってはいて。そんな彼の思考を読み切って、罠に誘導したミリガンはお見事ですけど。

そこに戦力を割いた関係で、敵の鍵屋とリタ達4年生の後輩組が対峙する羽目になってしまったりとかもしましたし。

 

苛烈な戦場の中でオリバーやロッシが、傷を負いつつも調子を上げて格上に食らいついていったのも良かった。

最終局面で殿を務めたオリバー達の負担を肩代わりした彼を思うと、どうしようもなく悲しいですけど、少しでも多くが生き延びてくれたのは良かったと思います。

……それとは別に、今回校長先生を筆頭にキンバリーの魔人たちの実力を垣間見る事が出来たわけですけど、オリバーの復讐のためにはアレを蹴散らさないといけないの……無理では? って強さで、これまで引っ張っただけの事はあるなぁ、とも思いました。

『人斬り』少女、公爵令嬢の護衛になる

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「ただ1つだけ――ありがとう」

「あなたのおかげでわたしは自由を手に入れたから」

 

コミカライズ作品。

とある貴人に仕えるため剣術を学んでいた少女、シュリネ・ハザクラ。

しかし強敵と戦うことを楽しむ気質があった。犯罪者以外を斬る事はなく、シュリネ自身は制御できていたみたいですけど。彼女を「人斬り」と蔑む輩も多くて。

ついには仕えるべき人を殺され、その冤罪を着せられてしまうことに。罪を着せた一派がご丁寧に「お前には罪を背負って死んでもらう」と直々に宣言しに来てくれたので、シュリネはその相手ごと柵をバッサリ切り捨てることにしたわけです。

 

そうしてシュリネは国を離れて気ままに一人旅。

異国で保証人も居ない彼女は、個人で仕事を受けるにも障りがあって……路銀に心配がある状況のはずなのに、運任せで行き先決めてる当たり、かなり自由人ですよねぇ。

そうやって郊外に行こうと決めて乗り込んだ列車で、その国の貴族である少女ルーテシアを狙った襲撃が発生。

最初は自分を狙った追手かと思ったシュリネは、もののついでに護衛として自分を売り込んでその騒動に積極的に参加することに。

 

列車まるごと乗っ取れるくらい敵の手が長い状況で……それなりに自信をもって仕掛けてきていたでしょうに、単身で容易く蹴散らしたシュリネはかなり強いですよね。

女の身でそこまで腕利きなのも、故郷で嵌められた一因かもしれませんね……。

ルーテシアには狙われる理由があり、列車の襲撃を撃退しても次の追手が派遣されてくることになって。さらにその相手は、彼女の母の死にも関係があるとか……2代にわたって殺そうとしてくるとは、ずいぶんとまぁ血気盛んな敵ですな。

危険な相手だろうと、武装に心許なくても、護衛として戦いに臨むシュリネの覚悟決まってるところは結構好きです。

悪役令嬢はしゃべりません1 覚醒した天才少女と失われたはずの駒

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「わたくしに過分なご評価をくださるのは、閣下だけですわ」

「貴殿のご家族は、評価なさらないのか」

「ええ、何も存じてはおりませんでしょう」

 

乙女ゲームの世界に転生した主人公。

ゲーム本編では闇属性の魔術を使う悪役令嬢枠のリリアナ・アレクサンドラ・クラークだったけれど……流行り熱で高熱を出した際に声を失ってしまったものの、記憶を取り戻し同じ道を進まないように心がけることに。

この世界の魔法には詠唱が必須。つまり声が出せなくなったリリアナは、魔法を使う事が出来なくなってしまったということで……。

 

クラーク公爵家の令嬢であるリリアナは、王太子の婚約者候補として有力で……王太子妃教育も始めっている状態ではあるけど、声が出ないという欠点を追及される可能性も浮上してきた。

原作ルートを外れるために、リリアナ的には家族とも王族とも没交渉で良いという構えだし、父親であるクラーク公爵はその欠点を持って婚約を解消したい立場みたいですね。四年経っても声が戻らなければ、婚約者候補から外すという事にもなって。

それなのに、なぜか王太子との交流は途絶えず……むしろ声を失ってなお矜持を示してるリリアナに王太子側も興味津々っぽかったですけどね。

 

前世知識があるからかリリアナは、詠唱なしでも魔法を使うというこの世界の常識を破壊するような技術を身に着けて。

病気で声が出なくなったと思うよりは、魔法が存在する世界ならば「呪術で声を封じられたのではないか」という疑いを持つようになって。

有力な魔導士ペトラとの縁を紡いで、呪術について教えてもらったりもして……ペトラたちの助力を得ながらも、声を取り戻してるのはお見事。

 

とは言え、自分の声を奪う呪いを掛けたのは父である可能性が高く……表向きは声を取り戻したことを伏せつつ、味方を増やしていくことに。

実際、父であるクラーク公爵が結構暗躍してるっぽいですから、手札を伏せて暗躍するのは正しい。まだ情報が足りなくて分からない部分も多いですけど、リリアナの活躍には期待したいところ。

『人斬り』少女、公爵令嬢の護衛になる

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「わたし、あなたに信じてもらうのは悪い気がしなかった。むしろ、嬉しいとさえ思った。だから、わたしのことを信じてよ。絶対に負けないからさ。前に言ったよね? たとえ世界中が敵になったとしても――わたしが必ず、あなたを守る」

 

ある人に仕えるためだけに育てられ、剣術を叩きこまれた少女シュリネ・ハザクラ。

幼少期から教え込まれた生き方に疑問を持つこともなかったし……何よりシュリネは強者との戦いを好む性格で、鍛錬が苦ではなかったのは大きい。

ただ強敵とのギリギリの命の奪い合いが唯一の楽しみである、という生き様は他者からは苛烈に見えて……『人斬り』なんて蔑称で呼ばれることもあって。

 

最後には仕える予定だった人を切り殺され、その冤罪を着せられそうになり……それまで快楽に任せて人を斬るような罪に問われるような行いはしてきてなかったシュリネは、わざわざご高説をたらしに来た敵を切り捨てて、国も捨てて気ままな一人旅に繰り出すことになったわけです。

そうやって乗り込んだ先の列車で、謎の追手に追われている少女ルーテシアと遭遇。

シュリネは無関係だったんですが、もしや自分の追手がここまで来たものかと立ち上がってしまったことで騒動に巻き込まれることに。

……巻き込まれたというか、「護衛として雇ってくれない?」と売り込みしたので、自分から突っ込んでいったんですけど。

 

ルーテシアは五大貴族ハイレンヴェルク家の若き当主。

王が跡継ぎを決められずに亡くなった場合に次代の王の選定に対して関わることのできる、五大貴族と呼ばれる名家でもあるそうで。

彼女が狙われたのは、まさにその「次代の王の選定」が行われる条件が整いそうなためで。つまりは権力争いの一環なわけですけど。

何も問題が無ければ第一王子であるアーヴァントが即位する。しかし彼には悪いうわさも付きまとっていて……。

 

五大貴族のうち2家しかアーヴァントに与していないという時点でその評価も知れる

アーヴァントが五家の一つである当主を害そうと工作を働きまくって、前当主夫妻それぞれの死にも関与していたりするとか、そりゃ王にしたくないわなぁという気持ちがある。

一方で、残り3家は第一王女を支持している立場なわけですけど。

自分の支持派閥を守ることも出来てないあたり、こっちはこっちで先行き不安ではー? みたいな気持ちが無いと言えば嘘にはなる。

 

先手を打たれてルーテシア確保された時点で、後から兵を準備したら内乱扱いになってしまうとかわからんでもありませんけど。

第一王子、五大貴族家の一つである当主を冤罪着せて処刑して、それによって血脈が断たれるハイレンヴェルク家を潰し、別の家を五大貴族家に祭り上げて自分が王になろうとしてるんですけど。

……敵対陣営で、挿げ替える準備も整っているとはいえ『五大貴族の当主』すら切り捨てようとしている王子を王にして、他の4家が自分たちが安泰だと思ってるんならそれは甘すぎない……?

そういう柵に囚われている王女様たちと違って、異邦人であるシュリネは「助けたい」という欲求に素直に従って、一敗地に塗れてもなお諦めず、王子の罠を食い破ってくれたので実に痛快でしたね。

七つの魔剣が支配する14

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「構えなさい皆さん。――戦争ですよォ!」

 

剣花団のメンバーが誰一人欠けることなく、五年生に進学したオリバー達。

激動の時代を生きる5年生たちの研鑽著しく、かつてのゴッドフレイ世代のようだと感じる人もいる状況。そんな先輩たちの影響を受けて、4年生たちもまた素質を伸ばしてきているみたいです。

統括になったティムがオリバー達に見送られ、自分が人間であることを知った上で卒業したみたいですし。次の統括が誰になったのか、と思いましたが。

 

三年連続の教師失踪と、ロッド=ファーカーの介入や異端狩りとの確執で揺れている中で、ゴッドフレイからティムに統括が継がれたことで多少は校内が落ち着いていたものの、油断できない情勢なのは変わらず。

誰が統括になるかと悩ましい状況の中で、ミリガンが「留年生が統括になるのを禁じるルールはない」と主張して。周囲の思惑もあってそれが通り、まさかの八年生統括が誕生し、周囲に恥をさらしネタにされつつも、受け入れられてるの良かったですね。

 

異界の大接近が予知され、エスメラルダ校長を筆頭に戦力がキンバリーを離れることになって。大賢者ロッド=ファーカーの暗躍を怪しむ人もいましたが、尻尾を出す事はなく運命の日を迎えることに。

ファーカーは魅了の力で予知を行う人員を取り込み、偽装することに成功。派遣された

ダミー・エンリコの行動で時間を稼ぐことには成功していましたが、無血占拠を成し遂げようとしていただけあって、仕込みが充実してておっかなかったですねぇ。

ファーカーの弟子が異端2人を伴っているとはいえ、バネッサ先生に「勝率10割」と吹いてるくらいですし。メタいこと言うとオリバーの復讐相手の一人なので、なんだかんだバネッサが生き残りそうですけど、多少は怪我させてくれると次の標的にしやすく……なるか? 逆に「手負いの獣の方が恐ろしいの知らねぇのか!」と暴虐を振るいそうな予感しかないですけど。

 

ファーカー、ここに至って明確に裏切りましたけど、それでも指導には手を抜いていなかったみたいなのが、彼を考える時にノイズなんですよねぇ。

オリバーが願って指導してもらった、異端相手の戦闘方法とか有用で、乗り込んできた相手を撃破することに成功してましたし。

方針がとがっている特殊な場所とは言え、あくまで学校でしかないキンバリーを狙うのはなんでだ、とガイは疑問に思っていましたが。オリバーには心当たりがありそうでしたし。

一部の物しか知らない「世界の秘密」。まぁ母の関係で知ってるんでしょうけども、何隠してるんでしょうねぇ、キンバリー。

 

異端の幹部が乗り込んでくる中で、オリバー達が成果を上げているのを見ると成長を感じて良いですね。

……なんか、予想以上のところまでカティが踏み込んでいってるのが、恐ろしくもありますけど。彼女が思考がまとまったと言った上で「次はわたしの番かもな」とか言ってるの、怖すぎ。

怖いと言えば、ピートが重要な決断を託される状況に置かれてましたが……ダミーでもエンリコはエンリコだなぁ、というか。魔導に染まりすぎてる……。

さて、ピートはどんな決断を下すのか。後半戦、期待して待ちたいところです。

七つの魔剣が支配する3

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「彼女を蛮勇のままに死なせるわけにはいかない 凡人なりにできることをやる」

「俺が行かなくてはあの勇者は倒れてしまう だから怖がってばかりはいられないだろう?」

 

コロシアムでのバトルに乱入してきたガルダ。

臆したものから襲われる状況で、ナナオが向かっていったのは彼女らしいですが。

知識があるオリバーとしては、無茶だと思いつつも加勢することに。

ガイも応援に行きたいと思いつつも、2年生すら蹴散らされる状況で。シエラも気に駆けつつも助力に行くのが難しく。

 

オリバーも負傷しつつ、それでもなおナナオの無謀に付き合ったのが良いですよね。

対立する立場で、ガルダにも怯えていたアンドリューズが最後には奮起して自分の剣を見せてくれた、という展開が熱くて好きです。

オリバーも一回臓物こぼしかけて治療してましたが、かなりボロボロになろうと治療魔法とかを駆使すれば助かる魔法使い、ヤバいよなぁ。死者ゼロだし、この程度なら問題視しないだろうキンバリーが魔窟すぎるんですが。

 

そのことが通じて、表向きの嫌がらせが沈静化したのは何より。

オリバーの活躍は地味過ぎて、なかなか周囲には受けなかった模様。身内は評価してくれてるし……そんなところで、従姉が接触してきたことでカティが動揺してるのは可愛かった。

いくつか状況が明らかになっていく中、分からない部分もあって……最後のピースがハマってからの展開はスピーディで良かったですね。



七つの魔剣が支配する2

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「俺は君を天使よりもずっと尊いと思う」

 

原作小説だと進級してるので、コミカライズだとまだ新鮮な1年生時代の彼等が見られて楽しかったですね。

キンバリーでの学園生活を送りはじめたオリバー達。

理想の為に無茶をして負傷したカティ。治療後の検査をかねてオリバーと向き合って、彼女の事情の一端とかも出てきたわけですけど。

そんな彼女に「あまり一人で抱え込むな」と言えるオリバーが好きです。

 

この6人組、本当に仲良しで良いですよね。

まだ微妙に距離がある感じもしますけど。一人で本を取りに帰ったピート、夜の学院は危険だと付いていったオリバーとシエラのコンビが目線で通じ合ってるの良きかな。

ヤバい先輩と鉢合わせてましたし、実際に用心は無駄にならなかったわけですけど。

頼れる先輩との縁が出来たりしたのも良かったんですけど、ナナオの危うさなんかも明らかになってきて……他のメンバーとの関係変化のきっかけになったのは良いか。

 

カティがトロール関連で行動を起こしたことで、反対意見側との対立が顕著になって。

コロシアムでの決闘騒ぎに繋がっていくんですが、実にキンバリーらしいんだよな本当に。



七つの魔剣が支配するXIII

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「無粋な雑音はここまでだ。身の内の呪詛と共に、しばし妙なる楽の音に浸り給え〈呪樹〉。……その異名も謹んで預かっておきなさい。それもまた君への呪いであり――きっと、同じだけの祝福なのだから」

 

ガイが呪詛使いとしての才能を示した後……呪いが移るのを避けるため、彼は剣花団と距離を取ることに。

彼自身は植物の世話を手ずからできない事が気掛かりでこそあったけれど、一年生の頃から世話になっていたオリバー達と並べた事を喜んでいる部分もありました。

……ただ、ガイという人物は剣花団において潤滑油みたいな存在であって、彼との距離が生じてしまったことで、どうしたって他の5人の間がギクシャクするのは避けられない問題だったのでしょう。

 

折しもオリバー達も4年生になり研究室選び……つまりは進路を見定める時期だったというのも色々と大きいかな。

一線を越えたオリバーとナナオの関係を察して、距離を取りガイを拠り所としていたカティですが……彼女も不安定になっていましたし。

それをみたシェラが魔術師らしい合理で状況を強いた事でギスギスしてたし。彼女の血筋ゆえに抱えているのが明示されましたが。魔術師、業が深い家ばっかりかよ……こわぁ……。

剣花団内部だけではなく、彼らの後輩もまたキンバリーで鍛え抜かれて、時に先輩たちの心を刺しに動いたりもしてくるんですが。先輩・後輩関係の中でもまたいろいろ思惑が入り乱れてるのが面白い。

 

さて、キンバリーという魔境において、外部から派遣されてきた大賢者ファーカー。

その真意を探ろうと色々と動いていたわけすが。オリバーが切り込んで、グルグル心をかき乱される結果になったのは……敵もさるものというかなんというか。

彼の復讐相手である校長一派を抜きにしても、魔術界という魔人の巣窟で生き抜いてきた先人たちはやはり恐ろしいものですね。

ファーカーはエスメラルダを蹴落としたい勢力から派遣されてきたと思わせつつ、オリバーを揺さぶるような言動をして、その上で別勢力との接点まで出てきた。一体何を考えているのか。それが明らかになるときは……より過激な争いの中になりそうですが、さて五年生に進学したオリバー達は何と対峙することになるんでしょうか。今回もまたあとがきが不穏……。

七つの魔剣が支配するⅫ

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「喪うことに怯えられるな。貴殿には守る力があり申す。……かつて何を取り落としたか、それを拙者は知り得ぬ。が――今の貴殿は、その時よりもずっと強い。それだけは確かなのではござらぬか?」

 

オリバー達が復讐で3人の教師を撃破したことで、キンバリーにも変化が起きることに。生きてる中からも2人、異端狩りの現場に出向することになっていたおり、臨時講師を雇い入れることになって。

新たに雇われた3人の内2人はキンバリーのOBOGであり、学園長の手が及びそうではありましたが。天文学を担当するファーカーは、キンバリー出身ではなく「大賢者」の異名まで持つ実力者であり……リバーシを取り込み続けている家系の代表でもあった。

 

それゆえにオリバーやシェラは、ピートに警戒を促そうとするわけですが……彼自身は逆に近づこうとする素振りを見せて。

一方のガイもとある先生から目をかけられて、その一端を受け入れることになっていくわけですが。

さすがにキンバリーに長らく在籍してきただけのことはある、というか。剣花団においておいて行かれることの多かったメンバーが、魔術師として成長しているのを感じられるのはありがたかったですけど。

 

反面、魔術師として成長するということは、深淵に近づいていくということでもあって。新学期突入早々、魔に呑まれた生徒の騒動に対峙することになっていたのは、皮肉というかなんというか。

……年単位で積み重ねてきた思いがあって、ピートがオリバー相手に踏み込んできたりと、どうしてもこれまで通りではいられないというのが改めてはっきりと描かれた12巻だったと思います。

新しい先生も登場して続きが気になる4年次スタートということで、今後の動向が気になる箇所がおおかったですねぇ。大賢者という予想できない脅威が増え、警戒も厳しくなる中で、さて次の復讐相手は誰になるのかも気になるところ。

七つの魔剣が支配する Side of Fire 煉獄の記

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「誰かに助けてほしいのだろう。自分ではもうどうしようもないのだろう。なら――なぜそう言わない。存在もしない神ではなく、ここにいる俺に訴えない」

(略)

「呼べば、必ず助けに行く。声が届く限り、この手足が動く限り――俺は、そうすると決めている」

 

『七つの魔剣が支配する』シリーズのサイドストーリーを原作者直々に描いてくれる、スピンオフ。

煉獄の記とある通り、本編でメインを張るオリバー達が入学して以来とても頼りになったゴッドフレイ統括のエピソードですね。

同時発売した本編最新11巻では、その頼りになる印象そのままに卒業していってしまったわけですが……当然ながら、そんな彼にも若い時は存在したんですよね。

 

火力のコントロールが苦手だった、というのは本編でも描かれていたような気がしますが。

親が彼の資質を見抜けず、魔力暴走と断じてしまったせいで、彼はその膨大な魔力で自らの蓋を作ってしまっていたそうで。

まともに呪文を扱えないまま、魔術学校入学の年齢になってしまって。とりあえず片っ端から受験したが成果は芳しくなく……落ちる前提で挑んだ名門キンバリーに拾われたとか。

 

まぁキンバリーの教師たちは一癖も二癖もあるから、彼の資質を見出した後も懇切丁寧に教えてくれはしなかったわけですが。

ギルクリスト先生にも、これまでの年月徒労を重ねてきたからこそ、自分で自分を救わなければならないという考えはあったみたいですけどね。

厳しい状況にあっても折れず曲がらず、彼らしくあり続けたのはお見事でした。

 

……しかしゴッドフレイが彼らしくある、ということはキンブリーの現状を良しとしない、という意味でもあって。

無秩序なキンバリーで低学年が集まって自警団を作るっていうのは、なかなかに無謀だと思いますけど。校長にも直談判してある程度黙認される環境を作ったり、馬鹿正直に突っ込むことも多いけど、しっかり交渉も出来る強かさを持ってるの良いですよねぇ。

気に入らない勢力から叩かれたりもしつつ、頼れる先輩に助けられたりすることもある。不思議な魅力を持つ彼だからこそなしえた軌跡がそこにあって、一部だけでも垣間見れたのは嬉しかったですね。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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