「多くの人は、愛してやまない人間の死には、何かの形で折り合いをつけなければ、そのまま生きてゆく事が出来ないわ」
積読消化―。いやぁ、懐かしいこの感じ。
甲田学人流「いばら姫」。怖い。
何が起きたのかわからない恐怖もあるし、風乃が語った真実を聴いても「理解できない」という怖さが残った。
生まれ育った町へ4年ぶりに帰って来た少女、繭。
かつての友人たちも歓迎してくれたが……彼女は、この地に、嫌な思い出があって。
仲良し6人組だった内の中心であった少女、小姫の死。
禁じられていた話題が、繭の帰還を期に話題に上がり……その後は、転げ落ちるように、結末へと至った。
風乃は、祖母の家があったためにこの地に来ていただけ。そして彼女たちの話を聞いただけ。実行したのは、少女たちではありますが。
同時に、彼女と出会わなければ、最後の一歩を踏み出すことはなかったのではないでしょうかね……いずれ別の形で崩壊していたかもしれませんが。
母が彼女を扱い兼ねて、祖母の家に療養の名目で封じようとしたらしいですけど。
まぁ、正直手元に置いておきたくないのわかるな……と言うエピソードでありました。