気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

モリエサトシ

星空のカラス8

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「…ジジイを超えて 過去にするために戦ってる」

「オレが語られる時にオレしか語られないように」

 

完結です。かなり展開急いだなぁ、という感じ。

ダイジェストを見ているようでした。

 

けれど、とりあえず和歌のプロ試験の結果。「名人の孫」という看板だとか。

周辺のキャラそれぞれについても、短いながらもうまくまとめてあったんじゃないでしょうか。

それぞれのエピソードをもっと厚く書けてたら、より面白くなっていたようには思います。

けど、和歌がプロになって終わり、とかではなく。

その先までを、駆け足でも描いてくれたのは、読者としては楽しめたので良かった。

 

しをりがまた盤外で引っ掻き回してますねぇ。

名人の孫という地雷を引っ張り出してきたのも彼女でしたし。

けれど、それを和歌が気にせず蹴散らしてくれたのは胸がすっとしました。

作者コメントでしをりが院生を辞めたとあるのは、結局他の面々と比べて足りないものが多かったって事でしょうなぁ。

 

そして、駆け足で辿り着いた最後。

和歌と総司の対局。プロとして、本気で戦う碁。

それぞれが必死で。迫力のある一戦にはなっていたと思います。

シリーズ通して南雲さんの迫力が一番印象に残っていますが。それでも全体的に好みの展開ではありました。



星空のカラス7

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「だって スゲー不思議だ これが名人なんて」
「俺がずっと思い描いていた名人は」
「もっと大きくて大きくて 偉大だった」


次の巻で終わりみたいですよ……
総司と和歌の背景とか結構重い設定がありますし、その辺描くとなるともうちょっと時間かかるかと思っていましたが。
そちら方面にはあまり触れずに終わっていくのだろうか。
とりあえず本編は、和歌のプロ棋士採用試験と、総司の名人リーグがメイン。

帯に書いてあるので行っちゃうと、総司は持てるものを出し切って名人になってます。
ただ、短くまとめられちゃったので、6巻の対局ほどのインパクトがなかったかなぁ。
名人にまでなっても、彼の態度は変わらず、「嫌われものの名人」となっていますが。
けれど、どれだけ敵を造ろうとも前に進み、勝ち続けている総司は、結局かなり碁が好きなんですよねぇ。

和歌の試験のほうでははーちゃん無双。
彼の堕ちっぷりは編集さんから、もうギリギリですと言われるレベルだったとか。
歯止めかかってよかったね……と言ってあげるべきなんだろうか。
しをりがすごく楽しそうにあちこちに火種巻いていましたが。
ま、多くのキャラがその誘惑を跳ね除けてくれたのは良かった。
それぞれの性格が出て面白いと思いましたけどね。はーちゃんはばっさり行ったし、吟は唆された相手を待ったし。
裏で動いてる子はいますが、ほとんどが夢に真剣で、熱にあてられそうになりますなぁ。


星空のカラス6

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「どんな手も 結局は自分で選ぶべきなんだ」
「でも和歌さん 盤外ではひとりではないから」
「――総司くん」
「彼女が困難に直面したときは 君が力になってほしい」

本当に少女漫画かと思う、迫力のある表紙に惹かれて購入。
この6巻に目を引かれてシリーズまとめて買ったんですよねぇ。
迫力があるというか、鬼気迫るものがあって圧倒されます。
表紙の通り、この巻でのメインは、疑いようもなく南雲さんでした。
総司や和歌が何もしていないという訳ではないんですが、どうしても壁として前に立った南雲さんに目が行ってしまう。

病身をおして、なお囲碁と向き合う姿勢。
身体が重いからこそ、思考の羽をどこまでも伸ばし、囲碁に打ち込んでいる。
鷺坂名人の弟子で、そのことを誇りに思っているから、総司を認めない。
勝つだけのつまらない碁だと。彼をそう育てたのが尊敬する名人であることも認めたくなくて。
だからこそ、彼に勝ち続けたのだ、と。
これだけの熱がありながら、碁を芸術と為し上げているというんだから、凄まじいなぁ。
健康に碁を打ち続けられていたら、碁界の勢力図は変わっていただろう、という評価にも納得です。

総司の嘆き。
碁が嫌いなのに、どうして自分には碁しかないのだろうか、と。
勝っても負けても一人ぼっち。年若い挑戦者、名人の孫。
多くの重圧の中で、戦い続けてる総司が嫌いに離れないなぁ。傍若無人で、時においおいって思いますが。
しかし、鷺坂名人のキャラが読めない。暴君で、無茶苦茶していたのは間違いないんでしょうが、総司に対して厳しく教えたのに対し、なんで和歌には楽しむように言ったのか。
その辺り彼はいったい何を考えていたんだろうか。


星空のカラス5

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「――お前 碁を打つの楽しいだろ」
「楽しんで碁を打つのはアマチュアだ」
「プロは苦しんで碁を打つ」

Aクラスに上がった和歌。
序盤が響いて、戦績は良くないですけど、最近は勝ちも手にしてるようで。
今回のメインは、表紙にもいるイーレン君な感じ。
負けなしのA級トップ。和歌よりも年下でありながら、圧倒的な力。

ただ、彼は色々と切り捨てて日本に来ていて。
プレッシャーの中戦い、家で一人泣く姿は年相応に見えて少しほっとした。
切り捨てていく中でどこかの葉月くんみたいに歪まないといいなぁ……
和歌に頼まれて占いの話をしたり、しおりにプレッシャー懸けられて揺れた後、豪に荒療治で引っ張り上げられてたのは良かった。
競っているけど友達だ、と和歌は言っていましたが、まさしくそんな感じ。

あとは総司が、18歳になってました。
……こいつこれでまだ10代なのか……作者もたまに忘れるそうですが。
勝手気ままな彼だけど、それでもプロとしての矜持はあるんですよね。
和歌に対して、そのあたりを忠告していました。
一方で、和歌に碁を教えた祖父は、「囲碁を楽しんでおまえは碁を好きでいてくれ」と言われていて。

後半、これまで所々で出てきていた南雲さんが一気にキャラ立てていきましたね。
同時に、和歌と総司の関係というのも大分厄介なものだって言う事情が見えてきましたが。
盤上での勝負、南雲さんとの決着は、どうなるのやら。


星空のカラス 4

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「他人の勝ちにすがるのも 過去の勝ちにすがるのも」
「どっちも同じで どっちも意味ない」
「オレはそれを止めに院生に来たんや」

友人である吟のために、ペア碁をすることとなった和歌。
ただ彼女、実力はそこそこあるけど、あちこち知識が抜けているから…
元気よく「ペア碁って何ですか?」って聞いたりしてます。
ルール知らないのに、よくもまぁ、私も組むとか啖呵切ったな。

吟の絡む試合、他人に任せるのではなく自分で戦いたい、と言い出した彼は、少し成長しましたねー。
しかしまぁ、葉月がいい感じに歪んできたな。
もともとかなり歪だったのが、さらに酷くなったというか、深く深く落ちていった感じ。
それで切れ味増しているって言うんだから、碁打ちってかなり業が深いですな……
結局ペア碁は負けてしまったけれど、その覚悟は認められて。
吟はA級に戻り、和歌もBクラスまで駆け上がってきました。

そして、総司の事情もちょっと明かされてましたね。
祖父が昭和最強の棋士と呼ばれる名人であったと。
「名人の孫」として期待している人もいるようで。
弟子の一人である南雲さんからは、一貫して認められてないようですが。
しかし総司は本当に傍若無人で、よくもまぁこれで生きてこられたなと不安になります。
いつか踏み外してしまった時に、戻ってこられないんじゃないか、と。

総司の元カノが登場したり、和歌がA級に登ったり、自分の想いを見つけたり。
少女コミックらしい要素もぽつぽつと出てきましたねぇ。
今のところ、碁打ち紹介まんがっぽいからなぁ……

星空のカラス 4 (花とゆめCOMICS)
モリエ サトシ
白泉社
2014-05-20

星空のカラス3

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「……鷺坂さんにとって 勝つって 何?」
「…失わない」
「何も失わない それだけ」

囲碁をやめても、あきらめきれず。
和歌が、自分の場所へと戻ってきました。
あれだけ楽しんで関わっていた場所から、離れられるはずもなかったか。
母にも認めてもらって、院生研修を始めることに。

今の碁界には四天王がいるそうで。
最初解説をしていた南雲さんとかもそこにいるとか。
名人リーグに属している鷺坂が相対することになる相手。
これまで強かった。けれどこれからの事は保証しない。
そういって、壮大な夢を語る姿がプロとしての迫力を感じます。
首藤さんがなんか鷺坂と日常パートで絡んでいるとすごく面白い人になるんですが……

このままドロップアウトしていくのかと思っていた八日町君とかも再登場して、院生編は随分波乱の展開になりそう。
和歌も、楽しいだけじゃない囲碁の世界を知って、涙を流すこともありました。
それでも、前へと目標へと進んでいくんだから、凄まじいというかなんというか。
葉月を一度退けたように、和歌には、あふれかえらんばかりの想いがあります。
けど、それをうまく表に出せる地力が足りない。だから、暴走しているように見えて、目が離せないんですけど。
最後、弟子存続をかけて勝負するとか。前しか見ていない子だなぁ。後先考えないというか。

星空のカラス 3 (花とゆめCOMICS)
モリエ サトシ
白泉社
2013-12-20

星空のカラス2

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「敗れ去るのではなくただ諦めるなら」
「追いやった思いはいつか必ず蘇って 君たちをこちらに引き戻す」
「何を選ぶのにも悔いが残らないようにしてほしい」
「君たちが盤上で死力を尽くしたように 最後まであきらめなかったように」


幼い頃の友人と対決することになった和歌。
相手は、実力だけでいえば、プロになってもおかしくないと言われてます。
好形の見本。最も効率よく意志を置いていく形。
それが基本の打ち方となっていたため、罠にはまってしまってましたが。
でも応援されたみんなの事を思い出して奮起する和歌がかわいい。

そしてその後で、対戦相手の絶望を見せられて。
「君に見える未来が見えなくなったから」。
葉月はまた随分と歪んでいますねぇ。
和歌と距離を取りたいのか、近づきたいのか。
迷って自分の位置を見失ってる感じ。だから、気持ちの強い相手に押されるんじゃないかと。

「たしかにママは卑怯だったけど 戦う事さえさせないつもりじゃなかったのよ……」

和歌の母親も、棋士の祖父に思うところがあるだけで。
子供を思う母の気持ちが確かに見えて、そこはいい感じだった。

鷺坂はプロとして、囲碁に真剣で。
傲慢で傍若無人で、脆くて必死で。
その世界で生きると決めて、足掻き続けている姿を見ると、嫌いにはなれません。
対局の様子をテレビで見て、和歌も引き込まれてますしねー。

星空のカラス 2 (花とゆめCOMICS)
モリエ サトシ
白泉社
2013-07-19

星空のカラス1

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「いいか わか どんな時でも」
「常に相手に響く手を打ちなさい」


少女漫画で囲碁って言うのは中々思い切った題材なんじゃないですかねー。
最新6巻の少女漫画とは思えない表紙に心惹かれて、ちょっと手を出してみたんですが。
烏丸和歌。13歳の女子。祖父の影響で囲碁にはまった少女。
まぁ、その祖父は、家族からは嫌われていたようですけど。
囲碁に全てを捧げすぎて、家族が倒れても対局を優先した過去なんかもあるようで。

若くしてプロとして名人リーグに属している、鷺坂総司という少年も出てきて。
傍若無人で、あちこちに敵を作るような生き方をしていますが。
アマとしてそこそこ打てる程度だった少女は、プロの本気の戦いを見て、重さやある種の迫力を覚えて冷や汗書いてましたね。

正直地味な囲碁という題材を、丁寧に描いている印象。
俺は囲碁さっぱり分からないですけどねー。
プロとして凌ぎを削っている鷺坂の対局では、その凄みが。
アマとして囲碁をやっている和歌からは、純粋な楽しさが。
それぞれ違う想いで盤面を見つめていて。

総司はかなり自己中というか、自分本位ですが。
プロとして戦っているだけの経験や覚悟があって。
なんだかんだと和歌と交流している姿がいい味出してると思います。
和歌は、総司の対局を見て、家族の反対を押し切ってプロになろうと思い立ったわけですしね。
少なくともそれだけの影響を与えられる実力を持っている。
家族の反対を超えるために、和歌は随分不利な賭けをしてましたけど、さてはて。

星空のカラス(1) [ モリエサトシ ]
星空のカラス(1) [ モリエサトシ ]

不埒なシスター ~オムニバス短編集~

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「シスターなんて呼ばれても 私ほんとは 何も許せないし 受け入れることもできないの」
「どうしたら 私だけのになるんだろ」
「私を全部あげるのにな……」

タイトル通り短編集―。
同じ学校を舞台にしているので、あっちこっちで、他の作品に登場しているキャラがいます。こういう構成は割と好き。

不埒なシスター
表題作。去年の夏から夏でも冬服を着て過ごす、シスターと呼ばれるようになった少女宮本澄。いつも女の子と戯れている、ちょっと軽薄な男子沓掛可二。
可二は、偶然触れた澄の「熱」が忘れられず、なんとか触れようとする者の、シスター様には避けられて。
シスターなんて呼ばれても、一人の女の子だった澄が結構可愛い。可二は変態臭いけど。ちょっとフェチ? 

泣き顔のマリア
水分が多い体質らしく、涙がでやすい少女。自分の涙に意味はないといい、色んな男に媚びると噂されている。ついたあだ名はマグダラのマリア。罪の女とは、また。噂が好きな人が多いのねーという感じで。
逆に水分が足りずに、こまめに水分補給をしている男子。興味ないといいつつ、誤解ならば弁解すればいいと、助言してくれるのは、まぁ、良い奴ってことなのかなぁ。

緑のモンスター
緑色の目をした少年と、スポーツ少女。母方の血によって異国の風貌を宿す年下の少年が、因縁つけられているのを目撃した女子が、交流していく話。
年下の少年に勉強教わるのはどうなんだ。
好きなことにためらったり、それでも踏み込んだりと、まぁ、青春している感じ。

日影のシスター
俳優の弟が転校してきて、ミーハーな友人から、その俳優について聞いていた女子生徒とひょんなことから知り合う話。
…どーでもいいけど、友達のミーハー少女は、ポスターとかその手のグッズをよく学校に持ち込んだな。いや、手荷物検査とかそういうのではなく、保管とかそっちの問題で。痛むから動かさないもんじゃないのか、そういうの。布教用?
「不埒なシスター」の妹さんなのでその絡みもちょっと。「日影」とあるように、ちょっとコンプレックスあるようですね。

不実なピアニスト
不破奏、ピアノが自分の恋人だと言ってはばからない変人。
太刀原唱子、完璧を求める声楽部の女子。
太刀原は、完璧を求めるあまり、伴奏が中々決まらずにいて、ちょっと引っかかるものがあって、練習がはかどらずにいた。あと…紹介してもらった伴奏って、もしかしてマグダラのマリアさん? 宮田くんが傍にいたあたりそーかもしれないけど。と気になっていたら柱で答え出てましたね。
変人だけど、不破は、自分が好きなことには結構正直なタイプ。変人ってわりとそういうのが多いかな、と書いていて思った。

 

白磁2

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好きなだけで一緒にはいられないふたりだから
これからもぼくは 世界の違いに悩んで その肌に触れることを恐れるだろう
だからって 僕は彼女を失うわけじゃない それならば
だいじょうぶ だいじょうぶだ
彼女を好きだというきもちが 彼女の幸福を望んでくれるだろう

シリーズ完結巻。
最初から2巻で完結させることは決まっていたそうで、結構すらすらと話が進んでいきましたね。
とりあえず、最初の病院関係者はくたばればいいのに。
まぁ、あれがあったからこそ、二人の距離が近づいたり、依存状態になっていたのを振り切って多少は健全に距離をつかめるようになったりと、悪い事ばかりではないですけど。
それは結局結果論だからなぁ。

失明という難題を突き付けられ、お互いに依存しあうような状態に。
明春は、その状況に絵の進みも遅くなりがちで、展覧会にも絵を出せない。
そうして、関係が、距離が代わってしまっても、二人でいることを選んだ……と思ったら、また、驚きの展開に。
病院関係者云々はそこにつながるわけですが。
教育者(生花父)と画商(明春の友人)は病院事情に疎かったんですね。
悲劇的状況を作っても、ちゃんと最後にはいい終わり方になってたので、いいんじゃないですかね。
多分本人たちはどうあっても幸せなんでしょうし。

白磁 第2巻 (花とゆめCOMICS)
モリエ サトシ
白泉社
2010-07-16

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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