「精々ご主人様に見捨てられないように頑張るさ。この世界に迷い込んで、帰る方法も分からない。今のところはそんなに帰りたいとも思ってないけど……とにかく、行く宛の無い俺を拾って、命も救ってもらった以上はその恩を返すまでは一緒にいるよ。少なくとも、シルフィが望む限りは」
空腹度だったり渇き度だったりの体調を示すステータスがあったり、採取や採掘で素材を集めて拠点を作ったり敵を倒したりするのが主眼となったサバイバルゲーム。
ブロックで構成された世界で遊ぶものが有名なものではありますが。
主人公はそのゲームを好んでプレイしていた日本人の青年コースケ。
……彼は気が付いたら異世界の森の中に放り出されて、途方に暮れることに。
最初は石と石をぶつけて割って石器を作ったり、靴紐を使って弓きり式で火を熾したりと、まぁ原始的な方法で生き抜こうとしていたわけですが。
ちょっと落ち着いたタイミングで、ゲーム操作みたいにインベントリとか開けたらなぁ、と思ったところで、まさしくゲームのようなクラフトメニューだったりが出現して。
武器を生み出したりもできて、より安心できるようになったかと思いきや……ゲームならまだしも、自分で動いて狩猟するとなるとなかなか上手くはいかず。
そんなタイミングで彼は、褐色の肌を持つエルフのシルフィエルと出会うことになります。
この世界ではエルフや獣人のように、人とは違う形質を持った亜人も多く存在していて。
聖王国と呼ばれる大国が人間至上主義というか、亜人を奴隷として扱っており……その苛烈さで、亜人と人間が融和していた国が攻め込まれ失陥したなんてこともあったとか。
シルフィエルはまさにその攻め込まれた国の姫であり……コースケが遭難した先で出会った亜人の人々は、そんな過去を持つがゆえに人間に激しい敵意を持っていて。
最初にシルフィエルと出会って、「彼女の奴隷」として囲われていなければ、早い段階で命を落としていたかもな……。
ファーストコンタクトこそ最悪でしたけど、コースケを守ろうとそうやってふるまっているシルフィエルの思いやりにもコースケは気付いていて。
彼女や亜人たちと交流していく中で、彼はシルフィエルの力になりたいと思うようになり、クラフト能力を存分に活用していくことになるわけです。
能力万能すぎてサクサク問題解決できていくのは良いですね。読みやすかった。