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「私の恩人……いや、私の師は、私を無能ではないと言いました。だから私は断言します」

「……」

「もう、私は無能ではありません」

 

両親を亡くし、妹共に義父の下で暮らしていた主人公の飯島忍。

住んでいる場所は高級タワーマンションだったが、小遣いなどはなく義父は金を持っていても、忍個人はいろいろと制限のある中で過ごしていた。

そんな状況でも、もっとハードな生活してる人は居るし「何事も前向きにコツコツと」をモットーに過ごしていた彼ですが……。

 

実は義父は、忍の実母に長年恋している間に実父にかっさらわれたため恨んでいて……父の会社に圧力をかけて死を選ぶほどに追い込んだし、親友面していたために託された子供たちも厳しい環境に置いた。

娘の方はかつて恋した相手に年々似てきて、手を出す事すら考えていた。とはいえ夏枯れなかったし、警察に捕まる愚は犯したくないと踏みとどまる理性だけはあった。うーん、序盤からヤバいサイコパスですなぁ。

 

そんな真相を打ち明けられた後、忍はプレイしていたゲーム世界へ異世界転生することになるんですが。ランカーを引きずり込むために、現実世界で殺しに来る超常存在はヤバいなぁ。

しかし超常存在がゲームデータを基に転生させようとしていたのに、サイコパス義父が忍のデータを消していたため、彼は他の転生者たちとは違うチュートリアルワールドに飛ばされることになって。

 

そこで彼は不親切なシステムと格闘しつつ、妹は自分の死んだタイミングで致命傷を負って植物人間常態となっており、いずれこの世界に来てしまうだろうこと。義父もまた異世界転生をしていること。

……つまりは、妹がやってきた時に「現代地球の法律」という柵がなくなった義父の毒がが襲ってくるだろうことに気が付いて。

異世界ではゲームと違いHPが亡くなればそのまま死ぬ。けれど、忍が飛ばされたのはチュートリアル世界であり、なんと復活することが出来た。

自分よりも上位のランカーである義父に対抗するための力を求めて、また妹を守るために忍が努力を続けた上で、異世界へ足を踏み入れることになります。

 

チュートリアル世界は現実世界と同じ時間軸で動いていたようですが、異世界は異なる時間が流れていて。ざっと他の転生者たちに比べて100年は遅れてしまったのは痛い。

転生者が初期に暴れたことで、現地住人たちのレベルや知識が低迷していたりするのも辛いところですねぇ。

情報的にディスアドバンテージを背負いすぎ。有望な住人を弟子にして戦力拡充しようとしてたり、召喚師として補える部分もありますが。それでもカンストパーティ相手は辛いと言ってるので、今後どうなるのやら。

シリーズ読み進めるとあのサイコパス義父と再会してしまうのが難だなぁ……。実力のある現地住人が居た黎明期には、逆に転生者が殺されることもあったようですから、なんかの間違いで倒れていれば良かったのに……。