気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

一つの大陸の物語

一つの大陸の物語~アリソンとヴィルとリリアとトレイズとメグとセロンとその他~ 〈下〉

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「本人も気付いていないのかもしれませんが――、今あの人は、ヴィルヘルム・シュルツとトラヴァス少佐の中間ぐらいにいるんですよ」

 

再読。シリーズ本当の最終巻。

墜落する飛行機から命からがら逃げのびたトラヴァスが、新聞部の新人君こと「あなた」に発見されるの、ツキがすごい。

あなたが見つけてくれたことや、その家にとある冒険家が訪れたタイミングも含めて神がかってて、何か一つズレていたらトラヴァスの命はなかったかもしれない。

 

頼れる知人と合流できたことで、命を狙われているトラヴァスではなくヴィルとして行動できるようになったこと。

足も確保できて、信頼できるイクストーヴァ王家のフィオナとベネディクトと対面が叶ったことなど。

積み重ねによって守られてるなぁと思いました。……まぁ、敵対者は切り捨ててきた「トラヴァス少佐」であるからこそ、恨みを買って狙われた節はあるんですけど。

そしてヴィルの危機にアリソンが黙っているはずもなかったんですよねぇ、という信頼が強い。

 

下巻は大人たちのエピソードとしての面が強く、両親の秘密について知らないリリアは置いてけぼりだし、母が仕事を失うことになったあたりで大分困惑する羽目になったりしたわけですが。

いやまぁ打ち明けられない事情については理解できますけど、母が突然失業して一時収監された末に帰宅してきた時に明るく「我が家はいいわー」とか言われた娘のことを思うと、ねぇ……。この件に関してはリリアの味方したくなりますなー。

その後盛大に結婚式を行うことになっているし。ドタバタ劇場型の決着ではありましたが、あの騒がしさがこのシリーズらしくて好きです。

一つの大陸の物語~アリソンとヴィルとリリアとトレイズとメグとセロンとその他~ 〈上〉

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「私の時間が、正しいか、決まっていません。それは、いいのですか?」

(略)

「気にしない! 一緒の時間がいいの!」

 

再読。これまでの総集編となる、シリーズ完結巻の上巻。

サブタイトルのキャラ名が愉快なことになってますけど、本当にオールスターモノというか。いろんなキャラが出てくるので、一人一人の話は少ないながら笑えました。

アリソンはトラヴァス少佐とデートして、スー・ベー・イルに帰国する彼を見送りましたが……彼を排除しようとする勢力によって、登場した飛行機で事故が起きて。

それでも生き延びるために足掻けるのが彼らしいと思いましたね。

 

ただ、上巻では表紙にも登場している子供たち世代のエピソードが多かったですね。

半端な時期に突然転校してきた、謎の人物トレイズについてジェニーはとても興味津々で。新聞部として彼に探りを入れることを決めてました。

リリアの友人でもあるメグが、セロンのフォローもあってリリアに情報を流してたのはありがたかったですねー。

あとセロンの母から結納品として贈られたらしい時計を、メグがセロンと一緒の時間に合わせてるシーンとか挿絵付きでニコニコしてるメグがとてもかわいかった。

 

トレイズの秘密について知ってしまったリリアが、これまでのトレイズの振る舞いとかについて「わかりたくないけど、わかってしまった」と若干疲弊してるの面白かったですね。

彼女、最初のシリーズ主人公の子供とわりと重要そうな位置にいるわりに、本当に何も知らない一般人でしたからね……。

 

新聞部がトレイズについて調べようと知人に当たっていったら、学校内で起きている別の問題についての意見の方が多く寄せられて。

そのことについて調査をしていったら、本当に事件が起きていたっていうんだから面倒だというか。メグセロの初期で、ハートネットが学校で起きてることは探りにくいって言ってたのが、こんな形で証明されようとは。

結果的に新聞部が気付いたことで守られたものもあったし、トレイズが転校してきたことで当然ついてきてる護衛官とかもいて、秘密裏に解決できた部分もあったのは良かった。

メグとセロン7 婚約者は突然に

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「たとえ地獄でも、俺は、好きな人と一緒にいたい」

 

再読。メグセロ完結巻。

新人君から届いた手紙に「セロンはメグが好き」と記されており、動揺したメグ。

友人のリリアに相談し、セロンに真意を問いただそうと方針が決まったわけですが……「2人きりの時に」と条件を付け損ねたせいで、タイミングを逃すことになって。

 

メグの恋愛観が、付き合い始めるのであればそれは婚約と同義だから、もう少し後になってからの事だと思っていたことと、好意があるならハッキリ自分から言えないとダメということで、セロンに大ダメージ入ってましたが。

お堅いメグに対して、彼女の弟であるクルト君は、6巻でセロンの妹リイナと電話したときに「女友達みんなにいつも『愛してる』と告げることで、クラスのヒーローになった」とか言う軽さを持っているのが面白い。

この適応力を思うと、そりゃあロクシェに来てからも馴染むの早かっただろうなぁと納得。

メグも弟から教えられる場面がありましたからね……。

 

そうしてギクシャクしている中で、新聞部にある依頼が持ち込まれて。

今回は展開が露骨に予想できたというか。2×2のパターンで3通りしか想定してなかったので、これは話に出てない4つ目だなとは思いました。

……まぁ結末に関しては予想外でしたけども。セロンがかつて言った通り、メグを守るために動いたのは偉い。

サブタイトルの「婚約者は突然に」が回収されるの、本当に突然で吹いたのを思い出しました。

メグとセロン6 第四上級学校な日々

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「だから、部長に言ってもらいたい。何があったのかを。安心しな。あんたには喋る権利がある」

「“義務”じゃなくて?」

「“権利”。面白くない過去は、話しちまって初めて過去になるのさー」

 

再読。ゴシップ的ではない、まともな新聞を発行したことや、人数がそろっていることもあって、正式に部活として認められた新聞部。

顧問がまさかのマードック先生になったのには驚きでしたが、色々と知っているからこそ配慮してくれそうというか、突っ込んでこなそうなのはヨシ。

 

そうやって正式に認められたものの、合宿で練習していた演劇部の講演で忙しく来れないメンバーもいて、しばらく活動を控えていた新聞ですが。

学校主催のオリエンテーリングが行われることとなり、そこで1位を取ることで名を知らしめようと画策します。

 

ラリーとセロンにメグの優勝を目指すチームと、ジェニーがナタリアとニックについて深掘り仕様として組んだチームがありましたが。

同じように優勝狙いの部活とデッドヒートをする羽目になった前者に比べると、後者は穏やかでしたねー。

……面白そうな秘密があるんじゃないか、と探りをいれようとしたジェニーが逆に探られることになってましたが。

 

第四話「我々は新聞部だ」は、「あなたは~した」みたいな2人称の文章になってるのが珍しい。ラプトア共和国から交換留学生としてやってくる新キャラ「あなた」が、新聞部のメンバーと交流していく話。

最後、ジェニーに焚きつけられて爆弾放り込むことになってましたが、それくらい刺激ないと動きそうにないのも確かではあるのか……?

メグとセロン5 ラリー・ヘップバーンの罠

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「ステラは、オレのことが好きじゃない」

 

再読。親友であるセロンとラリー。

セロンはモテモテで定期的に告白されてるくらいだったようですが……今回はなんと、ラリーがラブレターをもらうことになって。

サブタイトルに「罠」ってある通り、その告白してきた少女ステラには別の思惑があったわけですが。

 

まぁステラ自身が、ラリーと付き合い始めた直後からそのことを女友達に流布しまくって、どんどん話が広まっていって。

それを彼女の家族にまでやったことで、ラリーの家に親族が乗り込んできたりもするんですから、ラリーじゃなくても違和感はあったでしょうけど。

ラリーがかなり早い段階でそれに気付いていた、というのがすごい。

 

突如訪れた春に思考を鈍らせず、彼女の真意について探ろうとしていたのはお見事。

普段は鈍いラリーですけど、ステラの気持ちに察しをつけられた理由が彼らしくて好きです。……その上で、彼が納得してるからいいですけど、ちょっと苦いか。

あとは再読してるから思う、リリアとセロンが対面して会話かわしたシーンが趣深いというか。ちょっとズレてるところとか、色々と彼らしいなぁ。



メグとセロン4 エアコ村連続殺人事件

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「セロン君は、もし好きな人ができたら――、死んだあとでも、たとえそこが地獄でも、ずっとその人と一緒にいたいですか?」

(略)

「ああ」

 

再読。新聞部の夏合宿と称して、ジェニーに誘われてエアコ村の別荘に集まった6人。

いやちゃんと新聞部らしい活動を教えるつもりはあるらしくて、全員分のカメラを用意してその教習をやっているあたりジェニーも真面目ではありますが。

……それでやってるのが基本的にパパラッチだからなぁ。結成初期のメンバーが次々抜けて、しばらく彼女1人でゲリラ的に活動している時期があったというのも納得できる。

 

セロン、部活動関連でメグに連絡する格好の機会を得たのにヘタレてラリー経由でナタリアに頼む羽目になっているのは、あまりにもヘタレすぎる……。

これで外見は良いからモテてるらしいですけどね。いい子なのは確かなんですけどね。

まぁ、一途なのは悪いことではないですから、はい。

早起きは三文の徳とばかりに、髪を下したメグを見て感極まっていたりして、そこまで好きなんだったら動け、と背中を押したくなってくる。

 

……と、そんな感じでウキウキ夏合宿! と楽しめればよかったんですが。

サブタイトルが「エアコ村連続殺人事件」な時点で、叶わぬ望みでありました……。

ジェニーの実家所有の別荘だったものの、彼女も久しぶりに来たらしくて。来ていなかった間に、村に住んでいる若者たちが複数の不良グループを作ってつるみだして、多少荒みつつあったようですが。

 

各グループから死人が出る事件が起きて、死ぬ寸前の少年を目撃してしまったこともあって、少し介入することにして。

ガセネタ疑惑の強いタレコミの調査にやってきたハートネットと遭遇したりしつつ、真相究明できたのは良かったですけど。どうにも寂しさを感じる結末ではありました。



メグとセロン3 ウレリックスの憂鬱

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「失敗するときのことを考えなくてもいいです! そんなのは、失敗してから考えればいいんです!」

 

再読。

演劇部の夏合宿に協力しながら、揃って新聞部に所属することになり仲を深めていく6人。

セロンがメグの近くにいるだけで幸せそうなのは良いですけど、もうちょっと頑張りましょう感じがある。

……と言いたいところですが、メグの言葉があると頑張りすぎてしまう部分もあると今回描かれたので、さじ加減が難しいところというか。

 

新生新聞部のメンバーは、演劇部副部長のソフィア女史からある相談を受けます。

彼女の思い人である演劇部部長が以前言っていた、彼がどうしても欲しい「五十の蜂」について調べてほしい、と。

それはソフィアが告白に踏み切るために、代わりに彼が欲してるものを探し出したいという意欲から生まれた依頼でしたが。

 

メグが「素敵ではないですか」と乗り気で楽しそうなのが良かった。

調査が行き詰った時に、当たって砕けろとばかりに発破をかけて、それが横で聞いてるセロンにもダメージ与えてたのは笑っちゃいましたが。

……そこで色々言っていたことが、セロンが謎の答えを導くきっかけになったわけですから、何が幸いするかわかりませんなー。



メグとセロン2 三三〇五年の夏休み〈下〉

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「さて? ――さっきから気になっていたのですが、あなたは一体どこのどなたですか?」

 

再読。今は使われていないはずの地下にいた謎の人影。

相談した大人はまともに取り合ってくれないどころか……証拠になるネガを盗んだ疑いまであった。

工事業者も入っていてこのままだと埋められてしまうかもしれない。そんなわけで、セロン達は6人で連れだって調査に踏み込むことを決めて。

なかなかに無茶をするなぁとは思いましたけど、実際それで真実にたどり着いて、彼らなりの回答を見せてくれたのが好きです。

 

先輩軍人から教えられた技術を使って入り口を開いたラリーに、隠し通路を見抜いたナタリアの耳。

要所でセロンの閃きがさえわたっていましたし、最後の答えを導くためにはメグの伝手が必要だった。

ニックとジェニーの活躍は控えめでしたが、そもそもこの問題を表に出したのはジェニーですし。ラリーとセロンが前に出たとき、ニックが女子3人をフォローするフォーメーション取れたので人手があるだけでも大分ありがたかったですよねー。

 

マードック先生が隠したかった「地下の住人」の真相。

戦後世代が育ってきてはいるものの、まだ戦争の影響が消えたわけではないって言うのが刺さる。

今回の一件を聞いてラリーが祖父から聞いた「過去、亡命扱いになった親友の話」とか、『アリソン』を思い出すと痛いなぁ……。オスカーが稼いだ時間と縁があればこそ、ベネディクトの壁画発見につながったとも言えますが。その過程で生じた犠牲者側は納得いかないでしょうしね……。

メグとセロン1 三三〇五年の夏休み〈上〉

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「違う。君は最初から間違ってない。ネガは盗まれたんだよ」

 

再読。前作『リリアとトレイズ』でたまに登場していた、リリアの友人メグをメインに据えたシリーズ。

リリトレの6巻でメグのダンスパートナーに収まっていたセロン君。この作品の序章もそのダンスパーティーの様子が描かれていましたが……。

リリトレ1巻の時期では、まだ友人関係にもなれていなかったようです。

 

メグとリリアが友人となるきっかけの授業をセロンも履修していて、その時に彼はメグに一目惚れしたとか。

見惚れていたせいでリリアに出遅れて、それからも接触を試みようとはしていたものの、あと一歩踏み出せずにいたとか。

下手するとトレイズ以上のヘタレなのでは、セロン君。……いやトレイズは幼少期からの積み重ねがあるから、どっこいどっこいか……?

 

そんな彼の恋路を応援してくれる、ラリーという快活な友人もいたのですが。

クラスが違ったり同じ授業を取っていなかったり、どうにもタイミングが悪くてフォローもできなかった。

そんなラリーは、何もできずに夏休みに入ってしまったので気晴らしにでも、とセロンを演劇部の夏合宿の手伝いに誘ってくれて。

いざ足を運んでみたら、他の部から応援としてやってきたメグと出会えたので、運が悪いわけではなさそうですけども。

 

そして同じく外部からの応援組であるオケ部のナタリアや、セロンの友人ニックを交えて仲良くなっていった……で終わればよかったんですけどね。

嘘八百をセンセーショナルに掻き立てる記事を書いてる新聞部のジェニーが、学園内部で不審者の写真を激写したことで、その謎に向き合うことになっていくわけです。

一つの大陸シリーズの中では屈指の平和な日常を描いていましたが、シリアスからは逃れられない……!



リリアとトレイズ6 私の王子様〈下〉

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「あなたは行って、そしてリリアさんを助けてきなさい。囚われの姫を助ける。それが、王子の務めですわ。さあ、時間がありませんよ」

 

再読。シリーズ完結巻。

マティルダ王女を守るため、他を切り離して行動することにしたトラヴァス一行。

リリトレ12巻は、アリソン3巻の「非常な作戦実行しようとしたら、娘が巻き込まれて計画変更を余儀なくされた」部分のリメイクって感じでしたが。

最終巻でも「列車を切り離す」っていう要素が拾われているの、親世代と子世代の物語が進行してるシリーズならではだなぁって感じで好きです。

 

今回トラヴァスは、計画を実行していた敵がトレイズ狙いだということに気付けず、振り回される結果になってましたが。

敵が用意した戦力は容易く撃退出来る備えがあって、そこはさすがでした。

トレイズも囚われたリリアを助けるために、単独で追いかけられる行動力はあるんですが……その胸中を問われたときに「わからない」と言ってしまうのはヘタレすぎる。

彼も頑張ってるんですけど、まだ青さがありますよね……。両親世代を思うと若干の物足りなさはある。

 

そんなトレイズが奮闘して、最後に再会を果たしたりする流れとかは結構好きなんですけどね。

巻末の「王子観察記」とかも、エモいですしね……。じいさん、なんで死んでしまったんだ……。

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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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