「死んだ仲間に、大切なひとへの思いに引きずられるのは、やめておけ」
「あんたがいうな、バカ」
「自分が大馬鹿なのは、わかってるさ」
積読消化―。
黒い霧と怪物に苛まれている異世界に召喚され、その世界を救い、日本に帰ってきた。
けれど、日本にも黒い霧は現れて。異世界で得た能力をそのままに帰還した彼ら彼女らは、未だ閉ざされた東京を解放するために戦っていた。
黒い霧の中に在る御柱を倒せば、異世界から解放され、黒い霧に封鎖されていた東京のエリアも解放されるそうですが。
一年がたった今も帰還したものは23名を数えるのみ。
そもそも異世界で御柱を倒しに行く途上で倒れたものも多く、黒い霧の侵攻をなんとか防衛している状況だとか。
帰還者達は強制的に政府チームに組み込まれることになっていますが……主人公たちは、ヒロインの実家の権力を使ってそのチームには入らず独自の目的をもって動いているとか。
最も、帰還者のチームのトップとの仲が悪いわけではなく、利害が一致したら協力したりしてる様子ではありますが。
主人公はかつて共に歩んでいた少女を敵に殺されて。
その仇と勘違いして襲ってきた少女と今は二人で行動していましたが。
ある事情から、一人の少女を保護し、三人のチームとなったところで色々と動きが出てきます。
こちら側が一枚岩でないのに、敵は容赦なく襲い掛かってくるわけで。今回みたいに分散して行動している時に、片方を狙われるとなぁ。
また同じことがあったとき、今度も間に合う保証はないわけで。機関車が急激に増える見込みがない以上、一人一人の戦力増強が必須なのではないだろうか。
そういう意味では、最後トレーニングを開始した彼女の行動は間違っていないでしょう。ああした積み重ねがきっと生きてくると信じたい所。