「チッ 怪我をしても知らないからな」
(お前の生死は私の繊細さにかかっているんだが……)
カドカワBOOKSより刊行されてる作品のコミカライズ。
乙女ゲームの悪役令嬢ユミエラ・ドルネクスに転生した主人公。復活した魔王にヒロインと攻略対象たちが協力して挑むタイプのゲームで、ユミエラは運営の遊び心的に追加された最強の裏ボスであった。
かつて猛威を振るった魔王が黒髪だったという伝承から不吉だと言われており、ユミエラもまた侍女から遠巻きにされていた。
しかし、転生したユミエラは「裏ボスになれるスペックがあるのは最高なのでは?」ととてもポジティブに、悪役令嬢ルートを回避しつつ自身のスペックを向上させていくチャレンジを始めます。
身を守るアイテムではなく経験値アップアイテムを持ち、魔物を呼び寄せる笛も最大限活用してダンジョンを周回するという、この世界の人からすると狂気の沙汰とも呼ぶべきレベリングによって、ユミエラは裏ボスらしいレベル99のという最強の座を勝ち取るわけですが。
生まれてきてから顔も見たことがない両親からの命によって、学院に通わされることになった時、レベル99というのが周囲にもバレて。
忌まれる黒髪の少女がそんな実力を持っているはずがない、と嫌がらせを受けることになるのですが。
やたら睨んでくるヒロインや、彼女に絆された攻略対象がやたら絡んできて鬱陶しいんですよねぇ……ユミエラは受け流してますけど。
面倒ごとお断り精神の彼女は、最悪実力に任せて他国に逃げればいいやとか考えてるし、絡んでくる生徒はレベル低いしで、歯牙にもかけてないというのが正解かもしれない。
ゲーマーみたいな思考で、ユミエラ・ドルネクスという裏ボスを満喫している彼女がおおむね楽しそうなのが良いですね。
彼女の実力を利用しようとする貴族が接触してきたり、贈り物を送ってきたりしているようですが。ユミエラにつけられた侍女のリタが、とても良い菓子が送られてきたから良いお茶もそろえないとですね! ってウキウキでそろえてたらしい小ネタが地味に笑えて好き。