気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

三上康明

メイドなら当然です3 濡れ衣を着せられた万能メイドさんは旅に出ることにしました

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「ニナくんがすばらしいことは私たちが知っている。今はそれでいいじゃない」

「うん……」

 

帝国皇帝の要望によって城に招かれることとなったニナ達。

それは、近く開催される賢人会議に備えるためであった。会議の進行役を務めるのが、五賢人の一人トゥイリードであり……つまりはニナの以前の勤務先で、彼女の提供してくれる安らぎを求めていた、ニナにいろんな知識を与えた人物だったんですよね。

とはいえ、皇帝のお膝元となれば、既にメイドなどの人員はそろっているわけで……外部からメイドを招き入れることに反発したメイド長によって、ニナ達は隔離されることに。

 

無理やり連れてきたくせに、内部での意思疎通も出来ておらず、軟禁するとか権力者の傲慢さがこれでもかとでてますなぁ。

五賢人のトゥイリードは、ニナの事情や彼女の仲間たちについての話を聞いてくれたり、皇帝の横暴さに思う所があったりするようでしたけど。

 

……他の五賢人は変わり者ばっかりだったのが、残念ではありましたね……。

賢人会議参加者の内、教皇だけは宗教的な権威という意味で席が設けられている上に世襲制ということで、軽んじられてるし。教皇はそのことにいら立ち、横暴に振舞う小物だったり。

残りの賢人もそれぞれの立場と、主義主張に則って行動して他者を慮る感じはほぼなかったし。

一応、鶴崎聖人はトゥイリードと「役割」について語るシーンがあったりして、会議の流れをコントロールする思惑があったように感じましたが……いや、それはそれとして詩情を介すかメイド長試したのは素だろ……。

 

まぁこのシリーズ、問題がある場所で仕事をするニナが「メイドなら当然です」と解決していくのが愉快な作品なわけで、そりゃ会議が一筋縄でいくはずもなかった。

曲者たちの会議はなかなか進まないし。トゥイリード付きになったニナに、城の使用人は協力してくれないし。会議に合わせて悪徳貴族への復讐劇が繰り広げられそうになるしで、散々ですなぁ。

皇帝、在位は長くても足元見えてない感じがして、どうにも好きになれないキャラでした。まぁ帝国関係者で好感度高いキャラがそもそもいませんが……。

 

ニナや彼女の師匠ヴァシリアーチの様に、全てのメイドが目立つことを良しとせずしかし職務は完璧にこなすのであれば、任せていても問題はなかったでしょうけど。

最後、皇帝がニナにした提案はさっぱり状況にあってなかったわけですからね……。

今回のエピソードで仲間たちの有能さを知る人物が増えたこともあって、今後はニナ以外にも捜索の手が伸びてきそうですが、さてどうなるやら。

メイドなら当然です。2 濡れ衣を着せられた万能メイドさんは旅に出ることにしました

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「ふたりとも、ニナのせいでダメダメなのです。ニナのことはチィに任せてふたりは一度パーティーを卒業したらいいのです」

「ティエン……仲良くなってきたと思ったらずけずけ言うようになったわね」

 

ニナの元職場マークウッド伯爵家が零落したり、名高い五賢人の一人が執心しているという話があったり、ウォルテル公国が大金を積んで探していたり。

彼女に関する噂のネタは、各国の貴族の間で広がるうちにどんどん尾ひれがついて、どんどん真相から遠ざかっていって……。

 

それでも変わらず、メイドであろうとしているニナがブレないのが良いですねぇ。

ウォルテル公国の首都を訪問した彼女は、ここまでの道中で気になったことがありとある商会に足を運んだところ……なぜか、すげなく追い返されて。

店主のクレア、商会の状況がよくなかったり、自分のトラウマ踏まれてしまったりと苛立ちポイントがあったとはいえ、初見の相手を追い払うとかは良くないと思います。

 

ニナは野良のメイドだったわけですが、普通はメイドは誰かに仕えているわけで、そういう有力者候補からの評判下げる行為は商人として良くないと思うよ……。

というのは、一読者の感想ですけど。あくまでニナはニナだし、彼女に救われたパーティーメンバーたちもまた、そのニナの善性を大事にしようとする人々なんですよね。

商会の問題へと踏み込んでいって、ニナが以前縁を結んだ大商会の御曹司ファースの助力も得て、解決したのはお見事でしたねぇ。

 

そしてニナのパーティーメンバーも各々の得意分野では傑出していて……流通革命につながる可能性のあるアイデアとかを齎すことになっていて、それが形になっていくとまたぞろニナの評判が上向きそうだな……。

4人の旅はその後も続き、ティエンの両親探しという目的から「月狼族の2人組」という噂を聞きつけて帝国の首都に足を延ばしたり、噂の確認を終えた後はリラックスのために帝国南部のリゾート地へと赴いたりして、身分に縛られていないからこそ自由な旅をしていて良いですねぇ。

 

各地で問題解決をしていた中で、ついに噂が追い付いてきたというか。ニナを確保しようとする貴族がやってきたりしたわけですが。

……現状、この世界の権力者あんまりろくなのいない気がするんですが、どうでしょう。ニナとの対面を希望して使わされた執事とか、騎士とかの対応とんでもなかったですからね。

最後、皇帝の使者に連れられて行くことになっていましたが、厄介ごとのにおいしかしないんだよなぁ……。

メイドなら当然です。1 濡れ衣を着せられた万能メイドさんは旅に出ることにしました

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「……あたしだけならともかく、ニナまでバカにされたら許せないわ」

 

とある伯爵家で働いていたメイドのニナ。

彼女は豊富な知識と巧みな腕を持って様々な仕事をこなすことのできる、万能メイドだった。しかし、師匠の教えもあってその成果を誇示するようなことはなく……。

それゆえに他のメイドたちから評価されることもなく、果てにはメイド長から濡れ衣を着せられ、次の職場への紹介状ももらえず追い出されることに。

 

これまで伯爵家の人々の無茶ぶりに対処できていたことや、伯爵家の評判が上向いていたのもすべてニナのおかげであり、それを理解できていなかったためにボロが出ていくことになるわけですが。

まぁ、自業自得以外の言葉はないかなぁ……。メイド長が「ツボを割った」という冤罪で追放したのを温いと懸賞金をかけるような人物が当主ではねぇ……。

 

追い出されたニナは旅にでることを決めて……その先で出会った人々の悩みを「メイドなら当然です」と言って解決していくんですが。

彼女を気に入っていた賢人から教えられた、貴重な知識を惜しげもなく披露したりするし。そもそもニナがメイドとしてスペックが高くて、ゴミ屋敷状態だった家を半日で掃除した上で、外観にまで手を出す余裕があったりするし。

そしてニナの知識に助けられた少女たちが、ニナへの恩と彼女への心配から旅に同行してくれることになって、楽しい旅を贈ることになる話。

行く先々でトラブルに遭遇するし、それを解決する過程で存在が知れ渡って、別の貴族家が雇い入れようと手をまわし始めたりしてるので、ニナ達が穏やかな旅を続けられるといいんですが難しそうなんですよねぇ……。

限界越えの天賦は転生者にしか扱えない―オーバーリミット・スキルホルダー―2

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「わたくしを――わたくしたち全員を、守るのだわ」

(略)

「承知しました」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで430日まで。

1巻から4年が経ち、レイジはクルヴァ―ン聖王国までたどり着いていた。

元居た公爵領からは国を一つ越えた更に先にあるようですが。そこで彼は、なぜか貴族のお嬢様の護衛をしていた。

姉・ラルクの行方と、ヒンガ老人の孫娘の情報を求めて大都市を渡り歩く予定だったようですが、その途中で襲撃を受けた貴族を助けた縁からそんなことになったとか。

 

万能に近い【森羅万象】の能力に頼りきることはせず、オーブを外した状態で使った事のある天賦を思い出しつつ、自身の練度を挙げるなんてことをレイジはしていたそうで。

天賦はあくまで一足飛びに効果を得るための手段であるとか。他者が付けているオーブを観察できる天賦や、天賦が使えない部屋を準備してる悪党が居たり、レイジの準備が無駄になってないのは良いですねー。

 

護衛対象のお嬢様、エヴァ。彼女は今年12歳になり、本格的に貴族社会に踏み込むことになる。

お披露目というか顔合わせのために行われた晩餐会。エヴァの父親は他の貴族の断罪とかを行ってきたため、反発する子もいるようでしたが。幼いなりに誇りを持っているエヴァの事嫌いじゃないです。

まぁ理想的すぎるきらいはありますが……変に擦れてない彼女だからレイジと良い関係を築けた感じがしますねー。

 

この国では貴族の子供たちが成人する時、オーブを授けられる儀式が行われるそうですが。

晩餐会でちょっとした余興とトラブルがあり先送りにされた上、オーブの授与においても聖王国ならではの問題が生じて……。

その騒動にレイジがまた巻き込まれていくことに。トラブルに愛されてるな……。まぁ、最終的に国を出る事にはなったけれど、良い出会いと求めていた情報の断片を掴めたので、総合的にはプラスなのでは。これからも頑張ってほしいものです。

限界超えの天賦は転生者にしか扱えない―オーバーリミット・スキルホルダー―

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「……だらだら歩いてたってダメだ。やるなら走らなきゃ」

(略)

「今、行きます。僕も『銀の天秤』のメンバーだから」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで1130日まで。

小説家になろう書籍化作品。WEB未読。

この世界にはスキルと呼ばれる特殊技能があり、スキルオーブを使うことで習得することが出来る。人は全てスキル枠を8つ持ち、強力なものほど多くの枠を占有することになる。

主人公はスキルオーブを採掘する鉱山で働く奴隷で、歳の近い相手と姉弟の様に過ごしていたが……。

ある時、6つ星という破格のオーブが見つかったことで、鉱山が荒れることになります。

 

領主が視察に来たと思ったら、崩落事故で亡くなり……それによって、奴隷たちを縛っていた契約魔術が失われ、暴動が起きて。

その混乱の中で、主人公は自分が異世界転生したことを自覚。さらに、前世と今世の2つ分スキル枠を持っているため、枠を10個も埋める常人には使えないオーブを取り込むことまで出来た。

 

そして逃げ延びた彼でしたが……逃亡奴隷であるという身分、忌まれる黒髪黒目の容姿などがあって、街にも入りにくい有様で。

ただ縁に恵まれて、それぞれの理由で嫌われる要素を抱えた冒険者たちの庇護を得て。そのまま平穏な暮らしに落ちついてくれれば良かったんですけどねぇ。

いくつものトラブルに見舞われた彼が、それでも前に進もうと決意する。そんなお話でした。外に出てからのファーストコンタクトが『銀の天秤』の面々で本当に良かった。


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