気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

三浦良

抗いし者たちの系譜 再始の女王

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「やはりわかっていないな」

静かに、ラジャスは口を開いた。

「永遠だと。それこそ運命そのものだ」

 

BOOKWALKER読み放題にて再読。

人と魔物の存在について。なぜ、魔物が魔力を宿しているのか。

根本の情報が解き明かされる、シリーズ最終巻です。

 

魔大陸にある、魔王城に現れた「初代魔王」を名乗る少女。

当代の魔王であるところのサラに接触してきて。

実際に魔物たちが見ると継承されてきた「魔王の力」を感じ取れるし、今は廃れてしまった古式の挨拶や、誰も知らない世界の真実なんかを語るので、疑いようもないみたいですが。

 

最近頻発している地揺れ。

これが続くと、世界が壊れてしまうと初代魔王は言い、それを回避するために命を減らすと宣言。

その力を持って魔物たちに影響を及ぼし、帝国の統治によって途絶えたハズの、人と魔の戦争が再度勃発する事に。

 

各国から智者を集めていた事もあり、外部に敵が出来た時に、そのノウハウを共有できるのは強いなぁ。

火災の消火に関してだったり、城塞での防衛線に関するアレコレだったり。

色々と思惑を秘めている家臣が多くても、状況によっては手を組む強かさが好きです。

まぁ、突然出て来た初代魔王に引っ掻き回される展開は好みが分かれそうですけど。

 

サラとラジャスが協力したこともあって、今回の騒動はひとまず落着。

3巻で、帝国が滅びるもっとも簡単で確実な方法として「皇帝の寿命」が挙げられていましたけれど。

……実際問題、生きてる間は揺るがないだろうけど、未来においてはどうなるだろう。そんな事に想いを馳せる、余韻ある終わりで好き。

抗いし者たちの系譜 覇者の魔剣

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「一つ訊く。我の役はなんだ」

「どういう意味でしょう」

「軍の統括を解除された記憶がない」

 

BOOKWALKER読み放題にて再読。

魔物たちには魔力があるが、人間が持ちうる奇跡は物語の中にしかない。

そう思われていた世界で、『魔剣』と呼ぶにふさわしい、異能を持った剣が出土して。

現魔王サラと同様の魔力吸収能力を持つ一品で、発見時に近づいた魔物が一体命を落とす事態にもなっていましたが……

 

強力ではあるが、あくまで剣一本。帝国を揺るがすほどの脅威ではない、と判断される事に。

なので宰相は、その情報を活用してこの機会に不穏分子を炙り出そうと画策してます。

トップが謀略の皇帝と呼ばれ、智者を厚遇しているのもあってか、スキピオも絡め手バンバン使いますね……

 

もっとも、帝国の臣下たちもさるもので、ほとんどは裏を察し状況も見据えて、今は動くタイミングではないと雌伏を決め込むわけですが。

王族の誇りを捨てきれず、暴走する人物が現れる結果に。

彼のブレーンである、教師役だったハイエルはそれを諫めたハズなのに行動を起こされて、さらに説得に赴くも失敗し……いや、散々ですね。

慟哭が痛い。とことん追い込まれて人が変わったようになった彼も嫌いじゃないですけどね。強かさが増してる。帝国の家臣はこんなのばっかりか。

 

今回はあくまで人の反乱への対処。

という事で、前魔王ラジャスに対しては特に関与しない方針でしたが……ラジャスの方が魔剣に興味を持って、反乱軍への対処に名乗りを上げて。

偽りの勇者探しの時、彼を城に呼ぶ名目とした「軍の統括」と言うのを、今度はラジャスの方が軍に関わる言い訳に使うんだから面白いと思いました。

抗いし者たちの系譜 虚構の勇者

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「それはこういうものでした。

『かつての勇者は魔王となった。魔王と勇者は対のもの。

ならば空白になったその座が、今の魔王に対する今の勇者がいるはずだ』と」

 

BOOKWALKER読み放題にて再読。

帝国の有力者たちに送られた、差出人不明の書簡。

それは、勇者が魔王になったのならば。それに対する「今の勇者」がいるはずだ、と指摘する者で。

最も神々がいて、勇者を選択してくれるわけでもない世界で、誰が勇者かなんて決められずはずもありませんが。

 

不審な書簡であるのは間違いないが、ある種のアハ体験というか。気付きを臣下に与えた事は間違いがなく。

先の武芸祭において、皇帝の暗殺未遂があったように、主に害をなす可能性は潰しておきたいとスキピオは調査に乗り出してましたが。

……終わってみると今回の一件、大山鳴動して鼠一匹みたいな結末なんですけどね!

 

とは言え、元々各国で王の教師をしていたり、将軍や宰相であった人々の集まる会議で大真面目に「今の勇者」について話してる構図は笑える。

統一されたとはいえ、過去の遺恨までなくなったわけではなく、会議前にそれらを持ち出してギスギスしたり。それでも、未来の栄華を諦めたわけでもなく。

適度に帝国の足を引っ張りながら、首を着られない程度に有能さをアピールする狸ばかり集まっている辺りが好きです。

……まぁ、相手したくはありませんけど。スキピオの胃に穴が開かない事を祈っておきましょう。ラジャス相手に啖呵切れるなら平気か。

 

今の魔王であるところの皇帝陛下。

彼女を害せて、その意志もあると見做される存在。それについて考察するならば、先代魔王であるところのラジャスを外すわけにはいかず

スキピオが交渉して、数日城に滞在する事となっていましたが。

それによって事態が動き出すんだから、もう……感想としては、誰もが踊らされたな、という感じです。

抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王

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彼は最期に言った。

新しきが古きに挑むは義務であり、古きが新しきに敗れるは権利だと。

そう。敗れることこそ権利なのだと。

己よりさらに高き場所へ登る可能性を見ることの、何と喜ばしい事かと。

 

BOOKWALKER読み放題にて再読。

紙の本も持ってたはずなんですけどね……多分実家に置いてきたかな?

久しぶりに読みましたが、文章の好みが少し変わったかなぁ、とは思いました。ただ、キャラのポリシーとか気に入ってる部分が多いので、やっぱり好きだなぁと再実感。

ラジャスの「古き者の義務」が、好きなんですよね……

 

人の住む大陸と、異形の魔物たちが住む魔大陸がある世界。

その二つは海で隔てられていたが、時に海が割れ地続きになる時期があり、その時は人と魔物との間で戦争が勃発していた。

そんな中、人々の間には伝説が残っていた。魔物たちの首魁である魔王は、勇者と言う運命によって倒されるものだ、と。

 

最もこの世界、魔物は魔力を扱い火を吹いたりしてくる個体もいるんですが。

人間にはそうした便利な力はなにもなく……伝説を信じて魔王に挑んだ刺客は、悉く退けられたようですけれど。

ある時、魔王ラジャスの前に現れたのは、まだ年若い少女であり……魔力を吸収するという特異な力によって人から迫害された経歴を持つ者だった。

 

不意を付き、魔王の魔力を奪ったことによって、勇者に仕立て上げられた彼女は新たな魔王となった。

そして、魔物たちを従え人間の領土に攻め入り……わずか3年で、大陸を統一してのけたというんだから驚きです。

魔物たちの身体能力があり、勇者が策も練れる傑物だったのが大きい。

降伏も受け入れてきたので、併呑された国家の王族なんかも生きていて、内部に火種抱えまくっている状態でもありますけど。

 

一方で、魔力を奪われた魔王は、側近の手によって落ち延び、生き恥をさらすことに。

持っていた力は失ったが、その信念まで折れたわけではなく、彼なりに復讐をせんと行動を開始し……

建国四年目に開催される運びとなった武芸祭にて、別たれた道が再び交わる事になる、そんな物語です。

 

メインは勇者にして当代の魔王サラと、先代魔王となったラジャスではありますが。

周囲を彩るキャラクターたちの方、特に宰相のスキピオとかの方が、登場頻度的には多いのでは……彼説明役や状況整理役として動かしやすいですけど。

そして、メイン2人は少ない中で濃度高めに動いてくれるので、個人的には満足。

銀の河のガーディアン3

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「君があの人の娘に相応しくないなんていう人がいるなら、僕がそれを消し飛ばして見せる。邪魔する者もだ」

 

前回、銀河中に演説をぶって帝国批判をした叛乱の首謀者が居ましたが。

皇帝がその場に乗り込んで「じゃあ私の進退を議題に会議開いて、臣民の意志を問おうじゃないか!」と乗ってくるとはだれも思うまい……

それを考え付いた辺りセーヤってやっぱりどこか頭のネジ外れてるんじゃないのかな……

 

まぁそんな会議が行われるとなれば、当然妨害を企む勢力もいるわけで。

皇帝の養女という立場があるラリエナに、会議に出席してもらえないかという依頼が持ってこられて。

任務、じゃない辺りが肝ですよねぇ。そしてその護衛としてセーヤも参加する事に。立場なりに、皇帝いいお母さんやってると思いましたがねぇ。

どちらも不器用で距離感間違ってる感じはありましたが。

 

警戒していた通り、大会議においてトラブル……そこを襲撃してくる勢力が居て。なんとか追い払う事には成功していましたが、黒幕の姿は拝めず。

この3巻で一つの区切りという事だそうですが。

今回出てきたキャラクターが、これまでの敵達よりもいいキャラしてたので、もうちょっと読んでみたかった気もしますな。

 

 

銀の河のガーディアン2

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「どこに行こうが、何をしようが、目的がわかっているのなら問題ないよ」

 

1巻で起きた事件を受けて、各部署から人員を集めた部隊が新設されることに。

能力はあるんだろうけど、あちこちから個性的なメンバーが集まってきて、ラリエナはそこはとなく不安を感じているようですが。

セーヤは、目的分かってるなら大丈夫でしょ、といつも通り平然としてます。

 

部隊が新設され……メンバーが集まり切る前に、任務が告げられ。

前回の事件を受けて、旧同盟国において叛乱が起きたため対応せよ、と。

その惑星ザザは、特殊な鉱石が算出される場所で、魔術が阻害される要素が大気中にばら撒かれている状況だとか。

よって、魔術で地表に転移することはかなわず、少数を選び大気圏突入させる、という作中においても珍しい手を使う事に。

 

そうして叛乱に対処していくわけですが……

事を荒立てるからには、それなりの目的があるわけで。と言っても、今回の相手は、何とも言えない小物感が、どうしても好きになれない。

理想にひたむきに走って、自滅するタイプと見た。周囲巻き込んで自爆するんだよなぁ。まぁ、引っ掻き回そうとして、最後皇帝に利用される結果となってましたが、やり方含め色々拙かったからしょうがないわな……

 

銀の河のガーディアン

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「助けられる命なら、助けるに越したことはないだろう?」

 

銀河を統治する魔術帝国がある世界。

かつては帝国としのぎを削る「同盟」と呼ばれる敵対国家もあったものの、十年前に帝国によって滅ぼされたとか。

まだ十年前、ってことで禍根もあちこちに残ってる状況。

 

元同盟の中でも辺境にあった惑星出身のセーヤ。

帝国の版図に加えられたのも最後の最後、ということで。

魔術師の才能があると認められたセーヤは帝国に招かれることに。

最も、その容姿と魔力量から、忌まれてあちこちたらいまわしにされたそうですけど。

 

魔術があり、それによって動く機械の人型……「機甲杖」なる兵器があって。

直属軍、蒼衣衛に加わることになったセーヤは、ラリエナという少女とコンビを組むことになり。

セーヤがかなり頑固というか、周囲への興味に薄いため、ラリエナという常識人が隣にいることで、何とか回ってる感じですねぇ。

ラリエナが振り回され続けて大変そうですが……うまく使いこなせれば、君の相棒はかなり強力だよ、多分……

 

 

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