気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

三田誠

イスカリオテ

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「でしたら、この僕が、あなたの敵です」


再読ついでに記事作成。

初版2008年ですって。もう12年前か……信じられないくらい時の流れが早い。

確か去年あたりに電子書籍化されたとかの情報を見て、読み直したいなぁと思ってたんです。時間が取れたので、紙の本引っ張り出してきました。

 

七つの大罪を具現する〈獣〉、ベスティアと呼ばれる化生が存在する世界。

人々は信仰を武器に戦っていた。もっとも、〈獣〉には喪神現象という精神汚染を引き起こす現象があって、人類一丸となって協力するという訳にもいかず。

2年前に聖都が堕ちたこともあって、かなりジリ貧な環境に想えます。

 

久瀬イザヤは、その戦いの最前線。〈獣〉と戦うために作られた街にやって来た。

それは本人が望んだわけではなく、追いやられた状況で、手を取るしかない悪魔のような取引の末でしたが。

聖都で英雄と慕われていた、亡き兄の代わりをしてほしい。

 

双子の弟がゆえに、外見は問題なく。記憶喪失という体裁で、過去の話は乗り切る。

報酬が約束されているからとはいえ、四か月の準備期間で神父の真似事が出来るくらい知識を叩き込んだイザヤ自身も結構能力高いですよね……

実戦を経験していない彼は、窮地で内心ぶつくさ言ってましたけど。

それでも。追い込まれた状況で、逃げを選ばなかった彼の選択を尊びたい。

仮面神父と、彼の剣として戦う人形のような少女のやり取りも楽しい作品。なにかと胡散くさいカルロの事も好きですけどね。


ロード・エルメロイⅡ世の事件簿マテリアル

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つくったのは誰だ? 僕だ。

                                                                                                                  

10巻で完結した『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』のマテリアル。

冒頭のあいさつによれば、従来のマテリアルとは違い、原作サイドの奈須きのこ氏が『事件簿』の為に提供した膨大な資料の中から、現時点で公開できるものを著者の三田誠氏がピックアップした「シークレットファイル」と通常の「用語辞典」から構成されているそうです。

正史と地続き設定だから、綿密に調整を行った結果とのことですが……三田先生大変だったろうな……

 

Fate歴浅くてプレイできてないもの、読めてないものが多いので追々手を出したいとは思ってるんですよね……コンマテとか読みたい。

「シークレットファイル」だと時計塔の年表が興味深かったですねー。デジマ!?とか言葉砕けてる辺り笑える。

用語辞典にもありましたけどね。「おお、なんということだ人形師よ」とか。こういう、それまでの文章との落差がある演出好きですよ。あまり多用されると冷めますが。

 

キャラクターのページも楽しかった。それぞれの魔術系統、魔術回路の質や量、とは決戦の日とか。冠位人形師の質はともかく量は意外だったり。

自覚していないけど質が高いとか、ランクは高いけど最良という意味ではないとか。

ハートレスの好きな物・嫌いな物とか、どこまでもあのモットーを貫いてたんだなぁとか。

用語辞典のあちこちにも刺さる言葉がありました。エルメロイⅡ世が、忘れる事のなかった呪文や、彼自身の項目もそうですが。うん、やっぱりⅡ世好きだなぁ。人間臭くて。


ロード・エルメロイⅡ世の事件簿5

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「…本当か?」

「本当にそんな簡単なことでいいのか?」

 

黄金姫の死について調査していたライネス。

しかし。その過程て疑惑が深まり進退窮まったか……と言う所で、Ⅱ世が登場。

「ロード」という立場を誇示し、黄金姫と白銀姫の術式に関する考察を述べることで、状況を動かし猶予を勝ち取った。

戦闘になったら死ぬだろうに、それでも踏み込んでいけるのが彼だよなぁ。

 

得た時間の中で彼は考察を進めていって。

調査だけ依頼していたはずの、生徒スヴィンとフラットまで来訪して。

状況は刻一刻と変化してく。冠位の魔術師を敵対させようと仕向けるものがいて、イゼルマが最近オークションで獲得した呪体の話があり、それを狙う外部の魔術師による襲撃まで起きた。

予想外の事が起きても、少しずつ推理を進める愚直さが好きですねぇ。


Bestia2

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俺は… 母さんが大切だったお前達の事を

もっとわかりたい――!

 

暴走を続けるファーブニル。

それを放っておくことは出来ない、と飛鳥はエドガーの協力のもと、命懸けの無茶をすることに。

腕利きの幻獣使いが使う『増幅』の技法。それをエドガーの主体で無理やり発動し、その上でファーブニルと契約する。

一歩間違ってたら本当に死んでたよなぁ、という感じでハラハラしましたねぇ。

 

無茶をした甲斐はあって、ファーブニルを救出。

彼女も人型を取って、飛鳥の側に居る事に。

オールドマンの手引きも合わさり、飛鳥達は、ZOOが出資している幻獣使いが通っている学校に転校してましたが……

転校初日まで飛鳥が事情を把握してないのはひどい。いやまぁ、契約した以上は知識を身に着けてもらう必要はあって、どの道通ってもらわないといけないんでしょうけど。

ファーが可愛くて楽しそうなのが救いですね。

 

アリスは、先日のトラブルの記憶が曖昧になっていて。

動物を飼いたかったこともあり、犬形態もエドガーを大変可愛がっていましたが。

そんな彼女を、新たな幻獣が襲撃。おまけに、コイツまでホノカが使役していた相手だとかで。意外とみんな近くにいるのな……

とか思っていたら、最後に予想外の事態に発展。3巻はまだですか!?(2巻でたばっかりです)



ロード・エルメロイⅡ世の事件簿4

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「我が師に問う。美しさとはそもいかなるものか」

 

双貌塔イゼルマ編、開幕。

巻頭のカラーでライネスが自分の性格の悪さを暴露するところからスタート。

ライネスとウェイバーの出会い。

縛られて連れてこられた様子、その後のライネスの要求だとかが絵になるとみものというか。魂消てるってこういう表情何だろうなぁ……

 

スヴィンやフラットも登場して、いつも通りのやり取りをしてますが。

楽しそうで何より。スヴィンの方は血圧上がってそうですけどねぇ。

義兄と妹としての、からかわれる方とからかう方の関係も見ていて面白いですけど。

魔術師としての師匠と弟子の間での緊張感漂う場面も好きです。

 

 

ライネスは、グレイを連れて魔術師の社交界へ。

美を追求する家系の成果、黄金姫と白銀姫のお披露目会場。

冠位魔術師が来たり、エルメロイ一門とは別派閥であったりと厄介事の種には困りませんが……

そこで事件が起きて巻き込まれることに。美を追求する一門の拠点ってことで背景も凝ったデザインがちらほら見えていいですねー。

 



ロード・エルメロイⅡ世の事件簿10「case.冠位決議(下)」

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「本当に、ボクは、お前の望みを叶えてやりたかったんだ」

 

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿、ここに完結。

ハートレスの思惑を阻止するべく、霊墓アルビオンに突入するⅡ世チーム。

そして冠位決議に挑むライネス側のエピソードの、同時進行。

どちらも面白かったですねぇ。魔術師の業というものを強く感じた。

 

Ⅱ世達の状況から始まります。

一日足らずで、深奥まで簡単に辿り着けるような場所ではなく。

フリューの伝手で情報やなんかを得てましたが、こんな所にまで伝手あるあたり傭兵凄いというか。

彼の師父殺しという異名についてもしっかり触れてくれて満足。微妙に気になってたんですよね。

即席のチームではあれど、実力者揃いであるので何とか先に進んでいました。

その中に混じったⅡ世が要所要所で自信ないことを明言してて、ちょっと笑ってしまった。

 

冠位決議に望むライネスが、アルビオンの工房を見学したりしてる一面もありましたが。

秘匿をなげうった複合工房とか、そこで行われている蕩尽とか、魔術師の側面を見られたのは新鮮でしたね。

一筋縄ではいかない決議の場に、油断ならない相手を引っ張り込んでくるあたりライネスも策士というか。暗躍好きな魔術師ですよね。しかしあの人形師、とことん自分のやりたいように場を作るな……

 

最後、全てはⅡ世がハートレスを止められるかどうか、という局面になって。

残り14分という時間で、答え合わせに時間を割くあたりが彼だよなぁ、と言いますか。

魔眼蒐集列車の時のような激しさはなく。思ったよりも、静かな幕引きになったのは少しだけ、意外でした。

……そこに至るまでが大変だったんですけどね!

 

グレイが、良い立ち回りをしてくれていましたね。

内弟子としての彼女が、彼をエルメロイⅡ世として引き締めさせた、というか。

わざと間違えた言葉を口にした時。師匠にも言わぬ秘密を得た時。

「君が居なければ、困る」というロードの言葉が、彼女たちの日常そのもののようで、綺麗なエンディングだったと思います。



よすがシナリオパレェド2

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「作家と作家が互いのエゴをぶつけ合って互いの世界をすり合わせるのには……」

「博打以上の価値があるんだ ないほうがおかしいんだよ」

「そう信じたから私達は シェヘラザードを作ったんだろう?」

 

よすがが由字の家まで押しかけてきて。

そこで、由字の父から伝言を預かってきた弟子と遭遇。

家を手放す、という伝言すら人伝にするって、どんな関係なんだこの父子……

由字の父の蔵書。カードキーでロックされた、その部屋には数万を超える本が詰め込まれていて。

 

あぁ、いいなぁ。この上ない贅沢だ。幼少期にコレを詰め込みまくったという由字が羨ましくて仕方がない。

書店員としてやはり紙の本は好きですが、スペースとの兼ね合いとかもあっていくらかは蔵書電子にしてますので。

小さい頃は、こういう書斎がある家を持ちたいと思ったものです。

 

膨大なインプットをした由字が物語を書くとき。それは一体どんな形になるのか。

彼の近くにいるクリエイター達は、興味津々のようで。

創作話になると生き生きすんな、シェヘラザードの人々。いやまぁ、坂口みたいに魂振り絞って書いてる人もいるけど。

創作に手をだすことにした由字。坂口との合作で、短編を書くことになって。苦しみながらも、それでも創りあげた辺り、彼もクリエイターなんだなぁ、と。

やっぱり彼らの活動は、眩しくて仕方がない。自分でも何か書いてみたくなりますなー。

 


よすがシナリオパレェド1

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「じゃあ正しい作品ってどんなものなんですか?」

 

「引き」が強くて物語アレルギーを持つ高校生桜橋由字。

そんな彼が、バイトの面接を受けに行ったのは只の喫茶店ではなくて。

シナリオライターの共同事務所として使っている店舗で。

創作者たちと交流する中で、由字にも変化が生じていってますが。

 

彼も重要人物であるのは間違いないですけど。

登場するクリエイターたちの存在が、本当にまぶしいんですよ。

創作をしている人。あるいは、かつてしていた人。そういう人達に、手に取ってほしい。

締切破って冷や汗書いてたり、修羅場を協力プレーで乗り切ったり。

天才に届かないとしても、創作をする情熱であったり。痛くて苦しくて、それでも書く人々の姿に圧倒される。

 

「書くぞ俺はっ!!」

「てめぇが勝手に「坂口考一郎」の価値をさげるんじゃねぇっ!!」

一番苦しみながら、書いているように見える坂口が好きですねー。

彼の叫びは、本当に胸に痛い。けど、彼は自分で言った通り、書き続けてるんですよ。尊敬できる。



ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

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「こんなにもたやすく… 君たちは… 本当に卑怯だ」

 

原作1巻、剥離城アドラ完結。

4巻以降で双貌塔イゼルマ編もやってくれるようで一安心。

このまま続いてほしいなーと思いますが、ツェッペリンはアニメでやるから~とか言って刊行されなかったら泣く。

7月までにどうにか視聴環境整えたいなー。懐に余裕があればいいんだが……

 

閑話休題。

地の文も、台詞も長くなりがちな解決部分を、コマ割りとかで工夫して魅せてくれます。

誰も彼もが魔術師らしい中で、紛れ込んだ未熟者のロード。

知識と覚悟だけは一人前で……そんな彼だからこそ導き出せる答えがあり引き込まれるんですよねぇ。

イゼルマ編も楽しみです。

 



Bestia1

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「お前の賭けに乗ってやるって言ってんだ」

「行くぞアスカ!」

 

姿を消した母。記憶に残る少女。

その影を追い、ロンドンへの短期留学を決めた司飛鳥。

母が借りていた屋敷を訪れ……そこで、奇怪な出来事に遭遇、今まで知らなかった母について知っていくことに。

飛鳥に聞こえている声とか母の真意とか気になることが多いですねぇ。

続きが楽しみなシリーズが増えるのは喜ばしいです。心が豊かになる。

 

知る者が限られる幻獣の存在。

保護と共生のための組織だというZOOですが……今のところ、不信感しかわいてこないんだよなぁ。

怪しさしかない、というか。飛鳥の母と方針の違いもあったって話ですが、絶対あちこちで似たような事してるだろ感がすごい。

 

百の幻獣を取り戻すと聞いて桁多いなと思ったら九十は凍結状態になってると聞いてかなりハイペースで進みそうな雰囲気。

とりあえずは、嫌みなZOOの連中を見返してやってほしい所です。

本編はわりとシリアスですが、構成担当のみやこかしわさんの後書きは笑えました。正論に負けたそうです。編集さん正解、といいつつネタ方面もいっそアリだったのではとか思ったり。




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