気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

三田誠

RPFレッドドラゴンⅢ 第三夜 妖剣乱舞

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スアロー ……つまり、あなたはひとつの事柄にこだわる人なのですね? 僕にはその、ひとつの事柄にこだわるという考えが、どうしても持てないんだ。
婁 なるほど……。
スアロー 初めて会った時から、あなたがそういう人間であることはなんとなくわかっていた。だから興味があったんだ。もしからしたら、あなたを見ることで僕にもそういう感情が学習できるのではないかと。だが……。
婁 いや、その期待が裏切られることはないでしょう。約束というか予言というか、一つだけ断言しておきます。……いずれあなたも、この気持ちを思い知ることでしょう。


FMの「やばい!(中略)・・・・・・このセッションはどこに行くんだ(笑)」の下りが面白かったです。
PLたちの思惑がFMの思惑を超えて、波乱を巻き起こしていく感じがいいですね。
あちこちで、それぞれの気持ちを研いでいるようで、これからの絡みが恐ろしくてしょうがない。
巻末の新聞とか、QRコードとか、単なる書籍で収まらない工夫がされてるのがWEBで知っていても、楽しめるところかと。
初版乱丁でちょっとばたついてたようですが、面白さに変わりはなし。

ちょっと前回から時間が経過したという事で、今回はキャラクターたちが成長してたりもします。
岩巨人の戦闘の結果、腕を失った婁は禍グラバの手配で義腕を得てますし、エイハは新しい特技で二十キロ先まで見られるように。正確にはつながれているヴァルが見られるようになったんですが、エイハも知覚共有できるから間違ってはいない。

正直初めてタイトルを見た時には、婁さんすでに恋する怪人でぶっ飛んでいるのに、これ以上妖剣が乱舞する余地あるの? とか思ったんですが……
婁が本気で暗殺に臨んだ姿が、おっかないけど、格好いいわ……途中のイラストが、すごかった……

革命軍の王としての覚悟を決めた忌ブキ。
ただ、一方でエイハとの関係については悩みが尽きないようで。
禍グラバに相談して、スアローにアドバイスをもらって。
この二人の関係もどんどん進んでいっているというか、強固なものになっているよなぁと思います。

スアローが巨人との戦闘中に行った行為によって、島にはまた違う災厄が発生しています
火山が噴火したり、島の中心部の魔素流がドナティア有利に傾いたり。
うっかりもう一本落としていたら、もうドナティアこの島取れたんじゃないかってぐらいの範囲が汚染されてましたね・・・

婁の行動により、これまでかろうじてチームの体裁を成していた、調査隊は、決裂。
禍グラバも同行はしているけど、決して参加者ではないと明言。
スアローがリーダーとしてふるまうことになりますが、残っているのって、黒竜騎士と不死商人と革命軍の王とその剣なわけで。まぁ、既に道分かたれた暗殺者もそうですが・・・これだけ集まって分裂しないわけがない、という感じで。
シュカで行われる、親善会議。荒れる予感しか、しませんね。

 

RPFレッドドラゴンⅡ 第二夜 竜の爪痕

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スアロー いや、少年らしいといえばらしいが・・・純粋であることと、責任が重いことは別だろう。もう少し軽く考えてもいいんじゃないかと思っていたんだがね。
FM(祭燕) 「ああ、自ら思い定めた道でない限り、どんな硬い意志でも砕けはするだろう。個人的にはひとちで組織を担うほど強いよりは、どこかの組織に寄り添うことをお奨めしておく」


虚淵さんが暗殺者プレイを楽しんで、重要人物の拠点に忍び込んだら、そこにいたのはプレイヤーでした、と。
不死商人、禍グラバ。
かつての戦争において、2大国を手玉に取り、戦争を継続できなくした狸。
後書きにもありましたが、禍グラバからすれば、起き抜けに目の前に暗殺者がいるとかいうのっぴきならない状態なわけですが。
何か一つ言葉を間違えたら殺されるかもしれない状態でも、飄々としている禍グラバが老獪さが出てていい感じ。

クリエイターをPLに迎えているだけあって、ロールプレイの一つ一つが光って見えますね。

婁(抑揚のない声で)腹に一物あると思って接したほうが、得策でしょう。
スアロー 婁サンハホント、ミンナノ守り神ヤデ・・・・・・(棒)


表向きは、チームの為を装って発言しているあたり婁さんが本当に怖い。
プレイヤーとしては、設定やらを知っているから恐ろしいけど、キャラクターは徹底的に疑うほどの粗を出してないんですよね。本当に暗殺者が似合いすぎていてもう・・・

禍グラバを脅すために婁が「自分は一人ではない」と張ったりかますところ。
2国の軍に挟まれた状況を改善するために、禍グラバが打った一手も油断ならない存在だと示してましたし。
最後の戦闘でのスアローの一撃も恐ろしい威力でした。
この巻だと、道行きに悩んでいる忌ブキやその傍にいるエイハがまだ癒しですねー。
これが回を重ねると黒玉さんが出てきたりするわけですけど。

一方でスアローが合言葉を忘れるための判定をしたりユーモアもあるんですよね。
シリアスな部分もあるし、スアローとかだと盆暗な演出もあったりして、うまいバランスだよなぁ、と。
おまけに、PCたち以外にも個性があって魅力的なキャラクターもいるんですよね。
祭燕さん結構好きですよ。まぁ、個性とか魅力がありすぎるあまり・・・っていうキャラもいるんですが。
まぁ、序破急の、序の部分であるわけで、まだ穏やかだなぁ、と思います。本当に。

最後、ドナティアが動きを起こしたり、1巻で助けられた阿ギトも手を打ったりと、動き出してきた感じがしますねー。
この巻の最後で、迷っていた忌ブキも道を定めました。
次からは、序破急の破。ここまでの積み重ねが、どう生かされあるいは壊されていくのかが見ものです。


RPFレッドドラゴン1 第一夜 帰り人の島

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エイハ 忌ブキの友達から、さっき一杯のスープを貰ったの。とても美味しかったわ。幸せの味だと思った。その一杯だけで、忌ブキは幸せに生きていけると思う。自由のために戦って死ぬことが、そんなに素晴らしいことだとはどうしても思えない。
FM(阿ギト) 「そうかもしれねえ。自由のために死ぬなんて言うのは本末転倒かもしれん。だけど、俺は別の生き方を知らん。ほかの死に方なんてもっと知らん」


TRPGの技法を用いて作られたRPF。
ロールプレイング・フィクションという新しい遊び。
たった五人、たった六夜のためだけに作られたシステムや世界観。
これだけの量のデータをよくも作ったもので・・・ここまで来るとなんて言っていいかわからないですよね。
後書きにあるハジマリにある通り。最高に「遊んで」る作品。

――最高のゲームをしよう、といいました。
――最高の物語(フィクション)を遊ぼう、と話しました。


リプレイでいえばGMに当たるフィクションマスター(FM)に、三田誠。
プレイヤーには、虚淵弦、奈須きのこ、紅玉いづき、しまどりる、成田良悟といずれも劣らぬクリエイターが集結。
これで面白くなかったら嘘ですよね、という感じですけど。
最終話の更新を前に読み返しているので、感想書いてますが。
読み直しであってなお輝きが劣っていないっていうのはすごいなぁ。
最新話当たりまで読んでいると、本当にこのあたりは平和だったと思うことしきりですが。 

巨大国家ドナティアと黄爛。
その狭間に位置する島国、ニル・カムイ。
守護神ともいえる存在、赤の竜が狂い猛威を振るうようになった島。
それぞれの国がそれぞれの思惑を以て、赤の竜に対抗する調査隊を結成することとなる。

虚淵さんに暗殺者とかやらせちゃダメでしょ!? って思いますが、すごく隠密ロールが生き生きしてます。
NPC見つけて、代理人やらせようとか、単身先行して潜入作戦決行したりとか。
すごく、暗殺者です・・・

奈須さんのスアローも、呪いを背負っているから、いい感じに壊れてるよなぁ。
壊れているというか、ゆがんでいるというか。
それに付き従うメリルも大変です。

紅玉さんのエィハも、つながれものという寿命の短い自分について達観してるというか、独特の価値観を持っていますし。忌ブキはニル・カムイにおける重要な存在である皇統種ですし。
二人は、島に関係するものとして、革命軍とのつながりをもったりするわけですが。
本当に、あちこちの思惑が入り乱れていて、たまりませんね。

FMも容赦ないというか、オープニングからキャラが死亡するとかどういうことなの。
イベント仕様なんで復活するんですけどね。ただ、後々明らかになる判定の恐ろしさよ・・・
失敗していたら本当にどうするつもりだったんだろう。
いったいいくつのルールが、どれだけの選択肢が使用されずに封印されていったのか、すごく気になりますね・・・



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