「私たちが先を急ぐ理由は一つだけじゃない。だから、頑張らないとね」
アリヒト達の快進撃は、迷宮国の上層で活躍する人々からしても注目に値するもので。
管理部から観察用の人員が派遣されてくることになったり、地味に動きがありますね。
まぁそれはあくまで上の動きであって、アリヒト達を阻む者でもないんですが。
順調に七番区での実績を積んでいく中、トラブルを起こしていたトップギルド同盟のリーダー、ロランドとついに邂逅して。
初対面のアリヒト相手に「運だけでやっていけるような世界じゃない」とか苦言を呈してきたり、経験者故の価値観で助言と言うか苦言と言うか言ってきたりもしましたが。
グレイが女性冒険者を泣かせているって噂に対しては、自分の与り知らぬところで勝手してるような印象を持っていたみたいで、思ったよりも敵対しないですんだのは良かったか。
……グレイは思った通りあくどかったというか、本当に好き勝手していただけの小物で、同盟全体が与してなかったのはマシでしたけど。
グレイの関わったことでかなりめんどうな状況を作り出してくれやがったのは、度し難い。
まぁアリヒト達の活躍と縁もあって、尻尾を掴んでしっかり身柄の確保までやってくれたのは良かったかな。