「この調子だと全校生徒から告白されるんじゃない?」
(略)
「いつも断り方一緒だって噂になると困るな……」
「斬新な悩みね……」
アニメ化もした『やがて君になる』の外伝ノベライズ2弾。結局アニメ見れてないんですけどね。
表題の通り、佐伯沙弥香視点で描かれる高校時代のお話と、それから。
なんと「その後」を描く大学編の構想があるらしく巻末に3巻の制作が決定したとのことで楽しみが増えました。
佐伯沙弥香視点で描かれる「小糸侑」という少女の姿が、当然なんですが、違って見えて新鮮でした。
好きな人はいるの、と聞かれていませんと答えた後輩。
面白い後輩だな、と最初は思っていたがそれはどんどん変化していって。
学年2位の成績が取れるくらい努力をして、色々な積み重ねをして。
それ故に、自分という人間を把握していた彼女。「限界さえ、見渡せばすぐに見つけることができた」と思ってしまう佐伯沙弥香という人物の魅力が今回も詰まってました。
言葉を選ばない先輩後輩としての佐伯沙弥香と小糸侑の会話が結構好きです。
「そういう相手も大事よ。毎回身構えていたら疲れるもの」は至言。
彼女たちが一年生だった頃の話もあってなかなかに新鮮でした。佐伯沙弥香は真面目に過ぎる。ま、そこが魅力的なんですけど。