気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

久杉トク

平兵士は過去を夢見る6

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「待たせたみたいだな?」

「いや、構わぬ。別れというものは、いつ訪れるか分からぬもの。惜しむ者には十分な時間が与えられるべきだ」

 

神都に襲い掛かる魔族の軍勢。

これはジョンの記憶には無かった事態で。

自分が行動して歴史を変えているから、魔族が先手を取って動き出したのだろうか、と疑念を抱いていましたが。

既に行動してしまっている。ここで後ろを振り返って立ち止まるよりは、先に進んだほうがいい、と覚悟を決めていましたね。

 

その辺の割り切りが出来るなら、「光剣」にしても、知識をもつ自分を守る力が増えた、と喜べばよかったのに。

勇者の存在をしっていて、それゆえに、選ばれなかったこと故の葛藤もあったんでしょうけど。

そして魔族との戦いが始まって。魔法学院の学生たちも、若いながらに魔術はそこそこ使えます。神都の兵隊も協力してくれて、何とか戦線を維持している感じ。

最もそれは最前線につっこんで、敵を減らしてる先生方の力があって、のモノですけど。

 

ジョンは前世でもっと過酷な戦場を経験しているため冷静で、周囲を見る余裕もありますが。

他の学生たちにはそこまでの余裕がなく、押される場面も。なので、余裕があるジョンが支持を出すために動き回ったりしていましたね。

それだけ動けて本当に一兵卒なのかと。人数が減っている分、精鋭を作らないと厳しいという面もあったのだろうとは思いますが。

……そしてこの襲撃にもオチが付くんですよね。迷宮って便利。

 

しかし、迷宮にこんな機能があるんだとしたら。

簡単に倒せる下位の魔人ではなく。強力な魔法を放てる中位以上のデータが残っているのなら。もっと前世でも対策が出来たのではなかろうか。

対策の一つが、神都が保管していた勇者の剣なのかもしれませんし、中位魔族が魔族の最精鋭と思われていたのかもしれませんが。

試験が終わり、約束通り剣の師匠、ハキムを訪ねたところで終了。さて、本当に助力してくれるものやら。

平兵士は過去を夢見る〈6〉
丘野 優
アルファポリス
2016-05


平兵士は過去を夢見る5

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「別に、そんな栄誉などいらぬ……が、人が生き残る未来があるのなら……」

「あるのなら?」

「お主がまた、道を開いてくれ。ここから始めるなら、きっと、もっとよき未来があるじゃろう……」

 

迷宮をなんとか脱出したと思ったら、目の前に竜。

かなりの窮地ではありますが、ジョンとケルケイロの心は折れず。

応援が来てくれるだろう、という希望がなければやられていた可能性もあります。

地の底に落ちて迷宮探査して、それでもなお諦めずにいたから救いの手が間に合ったわけで。

生き残る、という一点においてジョンはそこそこ秀でてるのかも。

ま、前世は最後気が抜けたところをやられているわけで、突出してるとまでは癒えなそうですけど。

 

ケルケイロは友人を助ける為に竜の素材が欲しかった。

そして、ジョンはジョンでファレーナとの契約があるため、ここで竜と戦えるのはありがたい話でもあるんですよね。

コンディションは最悪に近い状況でしたが。

残り僅かな力を使ってファレーナも援護してくれたため、何とか討伐に成功。

最も、砦に帰還してから数日意識を失っていたようですけれど。

 

その後はわりとテンポよく進んで、もう学院の卒業試験が描写されます。

前世において。勇者の扱っていた剣を保管していた神都において、試験が行われることに。

そこでジョンは、前世で手にすることのなかった武器を得ることに。

お偉いさんに「神の思し召しだから、持っていってよい」と言われて「前世持っていなかった。つまり神は俺にこれを持たせる必要性を認めなかった」という思考に入ってましたが。

目的のためには、もうちょっと割り切っていくべきではないかなぁ。本当不器用だ。

 

卒業試験は、ジョンが魔の森で迷い込んだ迷宮のように、入ったものの記憶に応じた試練が課される部屋で。

未来で剣聖となった、最強の男が壁として立ちはだかることに。

彼は、かなり割り切った性格をしているようで。ジョンが若返っている事などから状況を推察して、助言する余裕までありました。

師に叱咤されたんだから、ジョンにはもっと頑張っていってほしい所です。

……と思ったら、なんか予想外の引きなんですが。まさかの襲撃って。どうするんだ、コレ。

平兵士は過去を夢見る〈5〉
丘野 優
アルファポリス
2015-12-18
 

平兵士は過去を夢見る4

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「ここの光景を、ここで起こっていることを、できるだけよく見て覚えておいてくれ。ここは、俺の原点なんだ……俺が、頑張る理由なんだ。だから覚えておいてほしい。いいか?」

 

ファレーナがケルケイロに「皿」を持たせたことによって、彼もファレーナ達の仲間と契約をしてしまい。

傷をいやす能力もあるようですし、有用ではあるでしょうけど。

彼女たちは結局なんなんですかね。この世界における悪魔、とかにしては変に義理堅いしなぁ。

 

竜の攻撃によって地の底へ落ちた二人。

落下してきた穴の近くにはまだ竜が待機しているため、壁を上って脱出することもできず。

付近にあった迷宮へ挑むことに。迷宮は出口が複数ある事もあるため、それに賭けての行動でしたが……

そこで二人は、予想外の運命を眺めることに。

 

その迷宮は、挑んだ者の心理を読み取り、試練を形成するタイプのもので。

ジョンの前世の記憶を読み取り、王都が襲撃を受ける光景をケルケイロも目撃することとなりました。

 

瓢箪から駒というか、不幸中の幸いというか。

特殊な形ではあれど、ケルケイロにジョンの抱えている事情を伝えられたのは良かったんじゃないでしょうか。

ジョン、本当生きるのが下手だから、もっと仲間を増やして動けるようにした方がいいと思うんですよね。

そうしてダンジョンを脱出したと思ったら、結局振出しに戻ってピンチになるあたり、生き方が……云々より前に、純粋に彼が不幸なんじゃなかろうか。

平兵士は過去を夢見る〈4〉
丘野 優
アルファポリス
2015-07-22


 

平兵士は過去を夢見る3

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「分かってるさ。だけどお前一人を放ってなんかおけないさ。そうだ……俺は二度とお前を見殺しにしたりなんかしないって決めてるんだ」

 

順調に魔法学院で学んでいるジョン。

彼は、研修に父が配属されている魔の森の砦を訪れ……

かつての親友ケルケイロとの再会を果たす。

 

最も、その親友は貴族。それもかなり高位の家柄の男児で。

前世のような特殊な状況でもなければ、そうそう平民と会えるはずもなかった。

親友は元々その家柄によらず、貴族らしからぬ部分を持った貴族であるらしく。

自分に気安く接してくれるジョンの事を得難く想っているようです。

 

ある目的の為に竜を討伐しようと試みている彼と一緒に砦の精鋭にしごかれていましたが……

トラブルに見舞われて、ジョンとケルケイロの二人だけで竜と対峙する状況に。

ジョンも前世の知識によって多少アドバンテージがあるとはいえ、身体は未熟、前世で行った人体改造もファレーナの助力もなし、となれば竜に勝てるはずもなく。

逃げの一手を打つわけですが。中々に絶望的というか、よく死ななかったなコイツらとしか。

平兵士は過去を夢見る〈3〉
丘野 優
アルファポリス
2015-02-24

 

平兵士は過去を夢見る2

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「……来たか、ファレーナ」

「うん。どうしたの? ぼくをよんでさ。そんなにおいしそうなにおいをさせてると……」

――食べちゃうよ?

(略)

「新たな契約を、俺はお前に望む」

 

未来の知識を駆使して、魔法学院へ進学したジョン。

ジョンの生きた世界線においては、人類が滅亡の危機に瀕したこともあって、一丸となり協力することが出来ていましたが。

現時点では、その脅威がないため意識が変革しているはずもなく。貴族と平民のトラブルが起こって。

 

ジョンは、根本的に不器用だと思いますがね。もう少し事情を誰かに討ち明けてフォローしてくれる人を早めに増やしたほうがいいと思う。

未来において行われた実験の副産物。前世において契約していた、人の魂を対価として力を与えてくれる。

最も、しっかり契約しないことには、助力してくれるから相手次第。しかし、契約したら死後の魂はすべて彼らのモノになる。

……悪魔との契約、みたいなものですね。こういう手を使わなくてはならない程、追い込まれていたんだなぁ。

 

巻末の番外編は、ナコルルが表舞台に出てくるまでのエピソード。

ジョンの父親、アレンが動いたことによって、魔術学院の院長となった彼女ですが。

元々は、学院と関係が深い魔術ギルドから追放された木っ端学者。苦労はあったようです。

ただ、上手いことまとめて今ではいい関係を築いているっていうんだから、流石というか。

未来において英雄の一人となっただけの事はある高スペック……

ここまで引き込んでるんだから、ナコルルに事情を打ち明けてみてもいいような。

 

平兵士は過去を夢見る〈2〉
丘野 優
アルファポリス
2014-06


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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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