気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

久遠侑

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係2

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「ああ、煮るなり約也好きにしてくれ」

「こんがり焼いてあげる」

 

積読消化。

これを積読の山に埋めている間に新作がでて、そっちの感想は書いている辺り、読み切れる量を買え、と我ながら思いました(実行できるとはいってない)。

 

閑話休題。

幼馴染として一番近くにいた彼女からキスをされて。

戸惑いの中にある健一。同棲することとなった、里奈への感情も入り混じり、答えを返せずにズルズルと時間を過ごしていって。

 

これはまた格好悪いというか。由梨子は良く待っていてくれたよ、としか言えない。

距離を測り間違えているというか、自分の立ち位置が全く定まらずに、フラフラと八方美人な態度を取り続けている感じは、見ていて気分は良くない。

見かねた後輩の女子から指摘されるくらいには、迷いまくっていましたけど。

 

まぁ、これで里奈の方に振れたら鬼畜の所業も良い所ですが。

里奈との交流とかで、少し健一自身にも変化があって、ちゃんと答えを出せたのは、良かったんじゃないでしょうか。

由梨子は気苦労が耐えなそうとか、ちょっと思いましたが。幸いあれかし。



親しい君との見知らぬ記憶

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「わたしは、あなたのことを知ってます!」

 

経験したことの無い夢を見ることがある少年、幸成。

夢の中で彼は、あったことの無い同年代の少年少女と遊んだりしていて。

けれど、実際はその夢で出会った「トモキ」や「ユウコ」といった名の相手は知らず、小学校の卒業アルバムなどにも乗っていなかった。

病院に行っても原因不明で、カウンセリングも試してみたがよくわからず。

 

知らない記憶を夢に見るというだけで、それが特に日常に悪影響を与えてもいなかったので、あまり気にしないようになっていたある日。

彼は、夢の中で見た場所へふらっと立ち寄り、そこで夢の中で会っていた少女、ユウコと初めて対面して。

 

彼女も、幸成と同じように「知らない記憶」を夢に見ることがあって。

夢で出会った他の友人たちの状況、周囲の環境など一致する事が多く。

その不思議な現象が気になったユウコの提案で、二人は「記憶のかけら集め」なる交流を続けていくことに。

 

順調に親しくなって、恋人になって、時間は流れていきますが……その果てにあるトラブルが起きて。

他の人に離しても信じてはもらえないような出来事。

決して派手ではないけれど、確かに起きた異変。彼女の為に奔走できる主人公でほっとしました。

周囲の人々も、秘密を守ってくれる人で良かったなぁ、とちょっと安心する結末でしたねぇ。良い物語でした。



近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係

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「俺の方が、あいつとの付き合いは長いよ」

「……まあそうだな。でも、近いと見えないことってあるもんだぜ。そのへん、よく考えてみろよ」

 

母と二人で暮らす、サッカー部所属の学生、坂本健一。

仕事で家族が海外に行くという事で、一人残ることになった同い年の少女、和泉里奈と同居することになり。

一つ屋根の下、彼女と交流する中で、彼の心には何とも言えない悩みが生じているわけで。

 

学校が違うので、同居していることは少しの間は隠していられましたが。

生活圏が被っていることもあり、いつまでも秘匿できるわけもなく。

親しい女友達に見られて追及されたり。部活の試合を見学していった和泉を部活の友人が気にするそぶりを見せたり。

 

順当にイベントを消化していく中で、彼は自分が見えていなかったものを、正面から突きつけられるわけですが。

「そういうことだから」と、一方的に告げる幼馴染の少女、由梨子は健一よりもよっぽど男前ですね……

 

けど、健一からすればまだ自分の中の想いもはっきりと形になっていない状況で。内面がかなりグルグルしてるように思えますが。

あぁ、青春だなぁ、というか。

もどかしくて見てられない、とも思うのに目が離せない。

今後の展開が気になるので、ぜひとも続いてほしいものです。

和泉の心が何処かに向いているのか、とかも描いてほしい。

 

 

黒崎麻由の瞳に映る美しい世界2

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「…私も、考える。助けられてるばっかじゃやだ。私の問題だし、私も頑張る」

たった一人でいた少女。
ふとしたきっかけで少年が手を差し伸べて、彼女の世界は一変した。
1巻でお化けと呼ばれる場面がありましたが、以前の彼女は確かにそう呼ばれてもおかしくないくらいの歪さがあった。
でも、伸ばされた手を取って、動き始めた彼女の周りには今は友達がちゃんといて。
今の彼女を見て、お化けなんて言う人はいないんじゃないだろうか。

母に習っていたピアノを改めて勉強したい、と自分のやりたいことを見出して。
たまたま聞きに行ったコンサートの奏者が、黒崎母に教わっていたというあたりはちょっと都合良いなぁ、と思いましたが。
まさかまた『彼』に関するエピソードが出てくるとは思わなかったので、ちょっと意外ではありました。
そして、過去のエピソードの方がインパクトありすぎて、実のところ主人公が目立った活躍していないように見える。

実際、黒崎の傍にいただけな気が。
その傍にいる、っていうの一人だった少女にとっては大事だったんだと思いますが。
全体的に穏やかな展開だったので、退屈に思う人もいるかも。
自分はスラスラ読めて気になりませんでしたが。
黒崎の抱えていた父親との問題もとりあえずは落ち着いて。
もう1巻くらい出てほしいですけど、どうかなぁ……


黒崎麻由の瞳に映る美しい世界

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「……私のために泣いてくれる人がこの世界にいるなんた、ちょっと前まで思いもしなかった」
(略)
「黒崎はここにちゃんといるよ」
(略)
「……私も、黒井君たちと、これからももっと一緒にいたい。……だから、助けて」


純度100%の学園青春小説、と帯には書かれてますなー。
まぁ、おおむね間違いではない。途中でちょっとノイズ挟まっているような気もしましたが。
黒崎麻由。誰もが気になって仕方ない存在でありながら、誰もが手を出せずにいた少女。
平凡な少年、黒井は、学園祭の準備をきっかけに、彼女と交流していくことに。

それまで誰ともふれあっていなかった彼女。
黒井が引っ張り出したことで、興味を持っていた人が彼女と交流するようになったり。
何気ない日常が描かれています。
仲良くなった相手がいて、同時にそれをよく想わない相手もいて。
そのあたりの面倒な交友を含めて、青春しているなぁ、という感じです。

好奇心優先で、危険なことに手を出す山田は正直危なっかしくて見てられないですけど。
校舎に忍び込んだときも結構危なかったし、その内、もっとひどい目に遭わないか少し心配。
いや、正確にいうと、今回の時みたいに心配した友人たちが山田の自業自得に巻き込まれないかが心配になってくるんですけど。

たった一人だった黒崎が、クラスメイトとのふれあい、友情を感じ。
お化けだと罵る奴がちょっといたりしましたが、それを乗り越えて。
こちら側に踏みとどまったのは、幸いであったんじゃないかと。
幽霊とかちょっと非日常の要素混じってましたが、まぁ、デビュー作としては良質な青春模様が描かれていたんじゃないでしょうか。

黒崎麻由の瞳に映る美しい世界 (ファミ通文庫)
久遠 侑
KADOKAWA/エンターブレイン
2015-01-30

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