「僕は瀧浪先輩のことが好きだ」
正面からそう告げる。
「奏多先輩が大事なことは変わらないけど、僕が好きなのは瀧浪先輩ただひとりだ。ようやく自分の気持ちに自信がもてるようになってきたのに、それを疑わないで欲しい」
蓮見邸での生活にも慣れてきた静流。
ぼちぼち夏休み、ということで瀧浪先輩からの攻勢も激しくなったりはしてましたが……。
母が亡くなった後なこともあり、帰省をどうするのかという話が蓮見先輩との間で出たりしていました。
事ここに至ってはちゃんと顔を合わせて説明しようと蓮見父は考えていたようですが……それはそれで問題がありそうだなぁ、とは思いました。そこまで本筋ではないながら、ちゃんと描いているのはこの作品の味か。
瀧浪先輩との距離が近づいて、だからこそ彼が大事にしている奏多先輩との関係が今回の肝になっていたわけですな。
中学時代からの付き合いで、独特のかみ合い方をしている静流と奏多先輩ですが。
服に興味が無いから静流に選ばせているとか、それは確かに静流をして「いちおう彼女がいる」と対応に悩む言葉も出るでしょう。
奏多先輩、直接瀧浪先輩に許可取りに行って、気にしている瀧浪先輩と蓮見先輩が当日後を追いかけてくるイベントが発生したりしてました。
そうやって、静流が奏多先輩を大事にしている姿を見て、瀧浪先輩が珍しく足踏みしてましたが。これまでの経験から、静流自身がしっかりと言葉にして問題解決に動いていたのは良かったですね。