気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。2

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「悪いな 僕は冷たい男だからさ」

 

コミカライズ完結巻。完結しちゃうのか……残念。

まぁ、コミック2巻で原作1巻分のエピソードをしっかり描いてくれてたので、区切りが良くはあるんですが。コミックで興味持った人は、原作2巻のプロローグ部分まで続けて読んでほしいなぁ。1巻エピローグの直後の時間軸からはじまる新設設計ですよ。

 

扉絵カラーで灯火、小織、陽星、玲夏のドレス姿が描かれててそれぞれ可愛いんですけど……玲夏は、ヒロイン枠なの??? とか。

コミック範囲だとヒロインとして登場してないから仕方ないけど、まなつちゃんVer.も見たかったな……って気にはなりましたね。

 

露店で小織と会って「都合のいい奇跡なんてない」という話を聞いて。その後実際に、星の涙によって失われたものを直視させて。

伊織は灯火が星の涙を使う事、あるいは使い続けていることを止めようとするわけですが。彼女も中々頑固ですからね……。

立ち去った彼女を一度は取り逃がしても、家が分かってるんだからと踏み込んでく伊織のメンタルの強さは素直に尊敬する。

 

その後状況が悪化したりもしましたが、なんとか乗り切れてよかった……と言う所でおしまい。

後々の事を思うと、この段階で灯火ちゃんが与那城玲夏と伊織を仲直りするように背中を押してくれてたの、大きいんですよねぇ。ファインプレー。

 

細かい所だと第7話の「入れ替わる…?」の後の姉妹のコマ、2人よく似てたんだなぁって改めて思いましたし。突然に家に来たことを咎めたら「お前にだけは言われたくない」って言われて「うぐっ…」ってなってる灯火ちゃんがなんかツボだったり、顔芸も楽しいコミカライズでしたねー。

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。4 四度目の流れ星の日が来るからね

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「でも、ああ……わかったよ。それが小織の望みなら、僕が断れるはずがない」

「……そうするべきだから?」

「いや。――僕自身が、そうしたいと思っているからだ」

 

正直でないかもと思っていたところ、作者さんが頑張ってくださり読むことが出来た4巻。

完結巻と言っていいでしょう。正直なところ謎は多く残されていて、どこまで回答が示されるものかと思っていましたが……思っていた以上に情報が出てきて正直驚きました。

事前の告知でも後書きでも謳っていた「解決編」に偽りはありませんでしたね。……途中なんか地の文で主人公がついにラブコメ否定してたような気もするけど、きっと勘違いです。いや実際、割とラブコメしてた感もするけど、どうなんだろう……。

 

冒頭は3巻エピローグのしばらく後、最悪の許しを得た伊織君は流石に呆然自失としていたみたいです。

……そんな伊織くんをほっぽってナナさんは帰ったみたいですね! 最悪だよあの人! 本当にただ散歩中に面白いものみたから声かけただけで、その後には責任を負いませんってか!?

傷付いて自分でも心が折れたと言ってる彼の前に、陽星を登場させて「名前、訊いてもいいですか?」とか言わせるのも鬼だとは思いましたけども。

 

そして伊織と陽星が出会ってしまった時、空が輝き……2人は気がついたら7年前の77日に来ていた。

不可思議な事態に巻き込まれたので改めて自己紹介して、星の涙の効果範囲内にいたからか、陽星は日付が変わっても伊織を忘れることが無かった。

そして2人は現代に帰る為に協力する事になって。謎の女性の助力で、宿泊場所を確保できたのは良かった。

 

「おふとんはひとつしかないのです?」「そういう話はしてないのです」とか。「世界の質量を増やしている……!?」とかテンポのいいやりとりが多くて、やっぱり涼暮先生の文章好きだなぁとは思いました。こころ語の独特さも好きですよ。癖になる感じがする。

 

昔の流希と再会した後に「やっぱりそれは勘違いなんだよ、流希」とか思ってたり、沈みまくってる伊織君ではありますが。

昔の自分相手には腹立たしさを覚えたりしてる辺り、氷点下男とか笑わせてくれるわ……。心が折れたと言いつつも、今までの習慣か違和感を覚えた部分の考察を始めたりしてましたし。結局、伊織は伊織ってことなんだなぁという部分は(彼の記憶が信用できないとしても)信じられたし、作中でも信じてるキャラが居てくれたのは、いい塩梅だったと思います。

 

昔の流希や伊織、まなつ、きょーちゃんを名乗る謎の女性、遠野、小織などと出会い会話をしていく中で、囚われていたものから解放されていきエピローグに辿り着いたのだから拍手喝采したい気分ですね。

特に流希。既に亡くなっている伊織たちの幼馴染である彼女は、これまでも多様な故人ヒロインをお出ししてきた涼暮先生の強さを感じたといいますか。敵わないなぁ、と思いました。
エピローグ以降にもあるだろう出来事とかも気になりますが、ひとまずの区切りとしては満足のいくものでした。本当に面白かったです。




……と、ネタバレを(極力)伏せつつ感想を書いてみましたが。ネタバレ増し増しの感想をふせったーに投げたので気になる方いたらそっちもどうぞ。



今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。14

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「それでも…」
「本当に奇跡にでも縋らないと敵わない望みがあるなら」
「いったいどうすればいいんですか…」


おさいもコミカライズ! 1話~5話を収録。

灯火ちゃんが可愛くて良い感じです。表情がコロコロ変わるんですよ。
巻頭の「どうですかぁ? うれしいですか?」のハート飛ばしまくってるコマとか結構好き。
子犬扱いされてたりもしましたね。わりと分かる。

7年前の7月7日に降り注いだ7つの流れ星。
「星の涙」と言われるそれに願えば、失失った一番大切なものを取り戻せるという。
ただし、二番目に大切なものと引き換えに。
よくありそうな都市伝説ですが、実際のところ本物には効果があって。

主人公の伊織が久しぶりに幼馴染の妹、灯火と再会した翌日から彼女が付きまとってくるように。
彼女は「星の涙」に願おうとしているのかもしれない、と伊織は考えて。
それを阻止するために、意図がつかめない彼女の行動に付き合うことに。

同じ学校だったので、合うのは難しくないものの。
伊織は校内で嫌われているため、進んで灯火が会いに来たときには変な空気になったりして。
3話のデート回とか結構好きです。なんか小説版と違う描写になってるところがあって、原作者Twitterを見るにそれはわざとっぽいので、種明かしされる機会をずっと待ってる。4巻出て……。
個人的には小織推しなので、たまに登場すると嬉しいです。

巻末にはおまけ4コマを収録。
放課後楽しそうにデートしてる風景が描かれてて中々楽しい。
電子版買ったので自信ないですが、多分並び的にカバー裏にも漫画書かれてるタイプなのでそちらもご確認ください。おまけ4コマ3と4がある筈。

 

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。3 3年分の「ありがとう」だよ、先輩

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「――伊織先輩は、私のことなんて、早めに忘れてしまってほしい」

 

露店で働いていた少女、生原小織。

まなつによって、彼女こそが伊織が見舞い続けていた、「かつて星の涙を使った、眠り続ける友人」であったことが判明した後……

一旦店を閉めてしまうから、喫茶店にでも行っててよ、と言われて。

 

当然、事情の一部を聞いた灯火やまなつがそのまま帰るはずもなく。美少女3人を氷点下男が侍らせてる図が出来上がってましたが。

灯火とまなつが、適宜ツッコミを入れてくれるのがありがたかったなぁ。

結局伊織は一人で(当事者の小織を連れてはいましたが)星の涙問題にあたることを決めてしまって。

 

裏側で、友人として話をしようとしてるのが良いですね。まなつの「なんでそれで普段はアホなの?」とか笑えましたし。

今回は特に蚊帳の外に置かれていた二人ですが、その交流がこの後に続いてくれると嬉しい。

 

さて、眠り続ける生原小織。

彼女は星の涙の力を持って、ずっと夢を見続けている状態だとかで。

問題を解決するために、星の涙に願いを捧げた張本人に会うために夢の世界へ。

現実とは違う時間が流れている、夢の世界。そこは、夢であるからこそ、そうであれば良かった理想的な「夢」が広がっていて。

陽星が、伊織の親友であることを自覚して、その明るさを見せつけて来たりするわけですよ。

あり得ない筈の光景を見せつけられて、また伊織が頭痛を覚えていましたけど。彼の、星の涙に干渉を受けた時に見せる反応も、絶対起きるわけでも無いですし謎が多いですよねぇ。

 

小織回で、これを見せつけてくるのは本当に人の心がない、と言いたい。……心があるからこそ、的確に傷つけられるという説もありますが。

誰も悪い事をしていないのに、間違った場所に入り込んでしまっているのが、本当に救いようがない。

 

星の涙に願ってしまったという事実がなくても、いじめは生じていたわけで、誰かは傷付いたんだろうなぁ、と思えてしまうのが痛い。

電子書き下ろしのエピソードも、小織の過去を描くもので、どうしてそこまでするの? というか。誰がそこまでやれと言った感があって、思わず叫びたくなりました……えぐい。

 

小織の事好きで、さらに好きになりましたけど。……この終わり方だと、彼女が再び登場してくれるのか、悩ましいんだよなぁ。

少なくともリハビリに専念する事になるだろうし。伊織は、習慣になってる見舞いを続けるかもしれませんが。それはそれで、問題があるというか。

 

エピローグでついに登場したナナさん。

もったいぶった甲斐があるというか、胡散くささの極みみたいなムーブしてきて、そりゃ伊織も不審者と評するわけだ、という感じ。こういうキャラ、結構好きですけど。

それはそれとして、傷口に塩塗り込むような、衝撃の事実を突き付けに来るなよ。タイミングとか演出含めて最高に最悪だよ!

こんな極悪な許し、見たことないって思わず叫びたくなるくらいには、凄まじかった。

 

あとがきでシリーズもギリギリを飛んでるとか書かれてて、不穏ではありますが。

遠野くんも何か裏で動きだしてるみたいですし、4巻にも期待したい。

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。2 先輩、ふたりで楽しい思い出つくりましょう!

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「……みたいだな。そうなんだよ、こころ。僕は忘れ物をしてるんだ」

(略)

「忘れものなら、取りにいかなくてはいけませんね」

 

1巻読了後に、2巻プロローグを読んだっきりでした。

いや、発売前の宣伝で試し読み企画をやってたのは知ってたんですけど、読もう読もうと思ってるうちに発売日になってしまったんですよね。

読み始めて速攻で読了。涼暮先生の文章好きだなぁ。

ちなみに、日付変わってすぐ読む用にBOOKWALKERで購入して、特典目当てでアニメイトにも行きました。紙と電子で2冊買いだ……

 

灯火が星の涙に願った出来事が無事に解決し、戻って来た日常を謳歌できるかと思いきや。

翌朝からもう次の星の涙に遭遇するんだから、伊織もツキが凄いというかなんというか。

読み進めて行くにつれ、今回の遭遇もまた必然だったと分かるんですけどね……

 

表紙も飾った今回のヒロイン、天ヶ瀬まなつ。

1巻で灯火を探しに行った時に遭遇した、彼女の友人らしき子。

朝出くわすなり伊織は洗脳されて……「まなつは恋人だ」と思い込んでしまう。

衝撃を受けて獣性言語を喋る灯火ちゃん、ヒロイン力よりマスコット力の方が強いのでは……『自分より強い奴に会いに行く』じゃないんだよなぁ。

 

灯火ちゃんが浮かれて面白枠に寄ってるのを抜きにしても、まなつが普通に強いんですけどね。目力とか、色々と。

しかしまぁ、わざわざ名前を出していた辺り何かあるかとは思っていましたけど、予想以上の爆弾持ってたね、と言いますか。

全部読んでからサブタイトルを見ると破壊力が凄い。担当さんの仕事だそうで、お見事です。

 

新キャラの女子小学生、こころちゃんもいいキャラしてて好き。

人の心がないと言われ続けた結果、2巻で「人の心(物理)」として具現化するとは思いもしなかった。

一風変わった思考回路をしている子ですが、「忘れもの」の下りとかが特に気に入ってます。

 

あとは、1章にて伊織の毎週水曜日ある用事についても描かれましたが。

どれだけ背負ってるんだ、伊織は。あそこまで行くともう呪いの類に思えてきます。

いやまぁ、星の涙なんて存在自体、解明できないオカルトですけどね……。

謎と言えば、ナナさん一体何者なんでしょうね本当。登場してないのに存在感はバリバリにあるし、なんなら嫌いじゃないですけど、不気味ではある。

というか、まなつが星の涙を拾いに行ったことを知っている人物に心当たりしかないんですが。おいおいあのキャラも星の涙持ってるんかい。一度疑い始めると、全てが伏線に見えて来て怖い。

 

まなつが何を想って星の涙を使い、伊織に影響を及ぼしているのか。

彼が気付けていなかったこととはなにか。考えて考えて、最終的に答えに辿り着いている辺りは素晴らしい。ちょっと遠回りもしてましたけど、人間味あって良いです。

 

描写されてなかった過去回想を挟むことで、強度を増してくるのが凄いですね。

実は、かつて2人は出会っていた。

その時はまなつが偽名を使ったりしたこともあって、伊織が連想し辛くなっていたようですけど。あの時伊織に助けられたから。恩人だから。だから……星の涙に願ったのだ。

不器用にも程があるとは思いますし、星の涙なんて怪しいものに手を出したのはいただけませんが。その想いまで間違ってるとは言いたくない。

このまま、まなつちゃんがヒロインでもいいんじゃないですかね(洗脳済)。

 

どのキャラも個性的で好きと言うのが大前提なんですが。

灯火ちゃんよりまなつちゃんの方が好きですねー。BOOKWALKER特典で玲夏が見たようなクレバーな灯火ちゃんとか気に入ってるんですが。

でも、出番少ないですけど、一番好きなのは小織なんですよね。アニメイト特典が小織視点と聞いて、思わず買ってしまった。彼女の内面描写が新鮮で良かったですね。
今回のラスト的に次の巻が楽しみですけど怖くて仕方がない。


今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。 せんぱい、ひとつお願いがあります

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「……せんぱい。笑えません」

 

安心安定の、涼暮皐先生のラブコメ。

つまり、心が痛いってわけですよ!! どうしてこういうことするの……

しっかり面白かったですけど、所々に人の心があるようなないような……揺さぶられる感じ。すくなくとも容赦はない。

 

舞台となる街には『星の涙』という都市伝説が存在した。

七年前に降り注いだ、七つの流れ星。

不思議な力を有したその石を使えば、無くしてしまった一番大事なものを取り戻せる。

ただし――2番目に大事なものと引き換えに。

それにあやかったアクセサリー作って売っているところもあって、結構広まっている話みたいですねー。

 

『氷点下男』の異名を持ち、学内で浮いている2年生の冬月伊織。

彼は不定期に、郊外にある公園に足を運んでいた。そこは一番星が綺麗に見える場所。

最も伊織は星を見に行っているわけでもなく……ある夜に、幼馴染の妹と再会した。

彼女の姉とは友人だったが、妹はそうでもなく。年を重ねて疎遠になっていて、同じ高校に進学していたことすら知らなかった。

 

不意の再会の翌日から、幼馴染の妹――双原灯火は、伊織に付きまとい始めた。

昼食を一緒に取ろうとしたり、デートに誘って来たり。彼女が別に自分を好きでもなく、思惑があることを承知の上で、伊織は交流を続けていますが。

致命的なまでに不器用なだけで、割と付き合いいいですよね伊織。でも、自分の過ちを知っているのもあって、ある一線からは譲らない頑固さも見えて、正道の主人公ではないけど、割と好き。

 

序盤はまだラブコメの皮をかぶっていましたけど、途中から隠す気もなくなった感。

余談ですが、今作を試し読みで2章まで読んだ時の感想は「絶対に地獄に引きずりこんでやるという気概を感じる」でした。

文章の合間から「不穏」が漂っているんですよね……三章なんかは、章のタイトルからしてアレでしたし。

 

伊織が過去にしでかしたこと。灯火が願おうとしていたこと。

さらには、Twitterでのキャラ紹介でノーコメントを通されていた伊織の友人であった「陽星」のこと。

手を変え品を変え、よくもまぁここまで厄をお出しできるなと正直震えましたよ私は。

今回起きた異変はなんとか無事に収まってましたが……陽星の問題とか、大きな爆弾にしか思えず今から先が怖い。

 

読了後にタイトルと帯文を見るに、人の心はないのでは……疑惑が募りますが。

作品としては、冒頭でも述べたようにしっかり面白かったです。

カクヨムで2巻プロローグを公開するという、面白い試みもやっていて、とりあえず続きが出る雰囲気なので楽しみではあります。

プロローグも読んだうえでの一言で、今回の感想記事を締めたいと思います。

 

「どうしてこういうことするの?」

 

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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