「先生 この台詞素敵ですね」
(略)
「・・・ああこの台詞 これは・・・」
(略)
(本当はあなたに言いたかった台詞なのよ)
表題の「あんただけ宝石」という姉弟ものが中編で、短編が9話収録。
5話が百合系統で、それ以外は兄弟姉妹の話。
最後は……金魚が書きたかったそうですよ。
仙石さんの頭の中は割とカオスな気がします。
短編の「日向で咲いて」とか「白、またはピンク」当たりが好みでしたねー。
打ち明けられずにもどかしい距離を保っているぐらいが、読みやすくていいです。
BLGL近親と少数派だったり、禁忌とされるような関係が多いですので、短編で終わらせておくのが綺麗な気がします。
ストーリーになると、やっぱり一般的でないという枷があって、もどかしさが全体に漂いますからねぇ。
短編で短く読むんだったら、こういうエピソードはいい雰囲気だなぁと思えるので。
表題の「あなただけ宝石」の姉弟も、間違っているかも、と思いながら止まれずにいたりするわけで。
一度姉は恋人ができたけれど、関係を進めることはできず。
結局は、元の位置にきて、もう戻れないように変化していって。
なんてところで終わるんだ、とは少し思いましたが。この後どんどん転げ落ちていくだけな気もするので、あそこで終わっておいて正解かなぁ。
落ちていった果て、って言うのも見てみたいような気もしましたけれど。