「他の選択肢なんて誰も覗けないから。全部運命だし全部必然。わたしはそう思う」
「そうかもね」
沙弥香先輩主人公のエピソード、完結巻。
大学2年生になった彼女に懐いてくる後輩の少女・枝元陽との交流の話。
元気溢れる、沙弥香の周りにあまりいなかったタイプの可愛い子。
少しずつ距離を縮めて、実家を出て一人暮らししているという彼女の家に遊びに行く事も増えて。告白されて。
大学生活の中でなにを見つけるのか迷いながらも、沙弥香は沙弥香だった、と言いましょうか。
大人びていて冷静な彼女を見ると、沙弥香先輩とセットで呼びたくなる。
それは、まぁ。今も交流が続いていて、しれっと登場した小糸さんや、陽ちゃんがそう呼んでいるからと言うのもありますけど。
大学に進んで世界が広がっても、過去のつながりが絶えるわけではないんですよね。
他のキャラとの交流が合間合間に描写されていて楽しかった。
『やがて君になる』本編は、卒業した彼女達が文化祭に顔をだすエピソードで締められましたが。
本作は、その後の話も入っていましたね。文化祭後に改めて燈子と沙弥香が会話しているシーンが好きです。沙弥香先輩の方が、小糸さんとよく会って話を聞いてると振れば、「よく」の部分は聞いてないとか言いますし。冗談半分で浮気疑うし。
気心知れた二人の関係がいいですよね。「素敵な子なんだね、きっと」と言う台詞が出てくるのが良い……
原作好きなのもありますけど、入間人間先生の文体もやっぱり好きだなー。最近あまり読めてませんけど。積読にいくつか眠ってたはずなので発掘するか……