気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

伏見七尾

獄門撫子此処ニ在リ2 赤き太陽の神去団地

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「アマナは、確かにまっとうな人ではない」

(略)

「でも……わたしはアマナのこと、きらいじゃないのよ」

 

現世と幽世のはざまにある『神去団地』。

閉じ込められた無耶師たちが争っている、かなり特殊な場所であったようですが……。

別件の調査をしていた撫子とアマナはその場所へと迷い込んだ、というか。引きずり込まれた、というか。

 

最初は撫子が、自分が獄門家の人間であるという記憶も失っていて。

アマナと早々に会えたことで、「獄門撫子」としての自認は直ぐに取り戻せていましたが、欠けている記憶なんかもまだあって。

さらに神去団地からの脱出方法もないということもあって、団地を巡る騒動に対処する必要に駆られるわけです。

 

撫子とアマナが合流したり、時には分断されたりしつついろんな勢力と交流や戦闘をしているのが面白かったですね。

アマナの本性を知る相手に「まっとうじゃないけど、嫌いじゃない」と言っている撫子、割と彼女の事好きだよなぁというのが良かった。まぁ終盤にも良いシーンは合ったんですが。

一方でアマナは愉快な二等儀式官の四月一日白羽と合流し……本調子でないけどウキウキで無耶師相手に暴れていて笑いました。ゲーム好きだからリアリティ増してる幻術だされて、挿絵でもあんな良い笑顔してたら笑うしかなくないですか!?

獄門撫子此処ニ在リ

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「もう手遅れよ――たとえ地獄に堕ちようと、わたしはあなたを逃がさない」

「…………どうかしているぞ」

 

17回小学館ライトノベル大賞の大賞受賞作。

妖怪や魔物なんかがいる世界、それに対処する霊能力者(作中での呼称は無耶師)も存在していた。

主人公の少女、獄門撫子の生家である獄門家もまたそういう家ではあるんですが……悪名が広がりすぎて無耶師はおろか化物すら畏怖する家でもあった。

 

獄卒の流れを汲み、通常の人としての食事は実際のところ必要なく、化け物の肉だけが彼女の飢えを満たす。

そんな特殊な立ち位置でありながら、人に近すぎる怪異は食べようとしなかったり、人と鬼の狭間に居て、他者を遠ざけながらも自分の立ち位置を定めようとしていた。

そんな中で、とある依頼を受けて八裂島という場所に赴いたときに、無花果アマナという「普通の人間」を自称する女性と出会って。

彼女と交流する中で、鬼でありたかった少女は少しずつ人間味を取り戻していくの、好きだなぁ。

 

撫子の曾祖母は界隈で恐れられる偉業を成し、獄門でも特に恐れられている人物だったようですが。撫子はまだ、怪異を一蹴とかできるレベルには至っておらず、奮闘しているのもあって、最初から等身大の少女感はあって撫子好きでしたね。

……まぁ再三言っている通り、怪異の肉を必要とする異種としての性質も持っているわけですが。

 

そんな異質である彼女を変に恐れることもなく、近づいてくるアマナの存在はなかなかに救いであったと思いますね。

アマナはアマナで色々と胸に秘めたものがある人物であったというか。普通を自称する人物は、たいてい普通じゃないんだよなぁというべきか。その秘密を知り、今度は自分から踏み込んでいく撫子が良かったです。凸凹だけど良いコンビと言えるのでは?

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ちゃか

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