気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

依空まつり

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女のかくしごと2

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「…動くお金がびっくりするほど大きいのにびっくりするほど管理が杜撰でびっくりしました」

 

人ごみを避けていたら、護衛対象の王子と鉢合わせて。

さらにそのタイミングで鉢植えが落ちてくるちうトラブルまで発生してしまって……そのことで事件の共犯なのではないか、と疑われたモニカは犯人探しの役割を振られることに。

慣れない場所で困惑しつつも、得意の計算で犯人探しは爆速で解決してるのスペックの高さが伺えるエピソードで良かったですね。

肉球ぷにぷにでセラピーしてるモニカとネロの構図、可愛くて好き。

 

自分が犯人を暴いたことで、極刑になる可能性にゾクッってなってたモニカでしたが……そのあと、問題のある会計報告書を見て間違いを指摘。

チェックを王子に依頼されたことで、自分の好きなものに触れられるとウキウキし始めてるの、分かりやすいよなぁ……。

小リスとか小動物に例えられるのも正直良くわかる。

 

数字への才覚を見出され、不正によって飛ばされた前任者の代わりに会計を任されることになったモニカ。

護衛任務的にはありがたい配置ですけれど、対人コミュニケーション能力が低いモニカ的にはハードルがどんどんあがっていますね。

就任を決められたときに衝撃が大きすぎて倒れたのも無理ないね……。

 


サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと1

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「あとな 無駄を楽しむのがいいんだ」

『人生は無駄だらけだならばその無駄を大いに楽しもうではないか』

「ってダスティン・ギュンターも小説に書いてたぞ」

 

コミカライズ作品。

過去二回だけ現れた黒竜という大災害。過去に会では街が複数消え、王国は半壊状態になったとされているとか。

……これ振り返ってみると、複数の街が消える災害が2回もあって、その間に他の竜による災害も起きていただろうに、よくもまぁ王国存続してるなって、別のところに感心してしまった。

 

今回黒竜が現れたケルベック伯爵領のウォーガン山脈。

ケルベック伯爵家、そんな災害を前にしても兵士を連れて戦いに赴く当主と、屋敷に留まり続けて民よりも先に逃げることをしなかったお嬢様たちとで、覚悟が決まっていて良いですよね。

そんな絶望的な状況を救ってくれたのが、王国の誇る魔術師集団「七賢人」の一人である、沈黙の魔女モニカ・エヴァレットだった。

 

人の身でありながら唯一詠唱せずに魔法を使える、無詠唱魔法の使い手でありスペックは飛びぬけているんですが……。

その実態は、数字には強いけれど対人能力は低い引きこもり少女であった。

そんな彼女に同僚の七賢人、結界の魔術師ルイス・ミラーが学園に潜入して王子を護衛する、という任務の協力を半ば強制的に強いてくることになって。

 

第一王派のルイスに第二王子の護衛を任せた。そのためにつくった魔法具が不自然な形で壊れた、などなど。不審な点が多いため、「人見知りであからさまに不審な少女なんて護衛にしないだろう」という裏をかいた作戦ではあったようですが。

説得力を増すために、モニカによって救われたケルベック伯爵家の協力を取り付けていたりするあたり、仕事は早いですよねルイス……あくどいけど。

悪役令嬢ごっこを楽しんでるイザベラ、実に楽しそうで良かった。

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと7 小冊子付特装版

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「唯一無二の武器があれば、絶対に勝てるというものでもないでしょう。結果的に、勝てば良いのですよ、勝てば」

(略)

「だが、天才が有能とは限らない。一緒に仕事をするなら、無能な天才より、有能な凡人の方が良いに決まっている」

 

クロックフォード公爵とズブズブの七賢人、宝石の魔術師エマニュエル。

しかし彼は、今回の偽王の笛に関する一件を公爵には伝えていなかった。それは、修理できるかも不明だし、途中で報告を挙げたら取り上げられることは必至だったから。

さらには他の七賢人への嫉妬などもあり、彼は他に負けない唯一無二の輝きを求めたのだ。

実際、精霊を原動力にした鎧だとか、特殊な結界を展開する魔道具だとか、かなりの成果を上げていたので、その点では執念が実を結んだようですけども。

 

彼の前任が、身内の不祥事で辞めざるを得なかった星槍の魔女カーラだったというのも、良くなかったかもですねぇ。今回ついに星槍がお披露目されていましたが、あんな輝きと比べられたら、そりゃ影の一つも落ちるでしょう。

まぁ同情できるかと言ったら、まったくそんなことはないですけどね。だから、ルイスがバッサリと言葉で切り捨ててくれたのは痛快でした。

 

モニカがオドオドしながらも、七賢人だから、としっかり行動しているの良いですねぇ。ルイスやブラッドフォードと合流した後、打ち合わせをせずとも各々が為すべきことを為して連携しているのとかその実力を感じさせてくれるエピソードで好きです。

……ルイスが魔力温存のために、途中まで物理で障害排除してたのも、あまりにもあんまりで笑っちゃった。それで対処できるのは武闘派すぎでしょ。

 

加筆エピソードで七賢人たちの個性が見えたの、凄い楽しかったですね。

砲弾の魔術師が使う六重強化術式が、精霊王召喚によって借りた力をそういった形で出力してるのには驚きましたし。

モニカが無詠唱で四重強化までは使えるけど、そのためには彼女の美的感覚では「美しくない」分割という工程を挟まなくてはならず、進んで使いたくはないのとか。尖った個性を持ちすぎなんだよな……誰も彼もが。

 

公爵相手に明かせない秘密を抱えたエマニュエルに、とある人物が接触していたり。

ブリジットが「モニカ・ノートン」の生まれに疑念を抱き、接触してきて。「左手を怪我した女性」の噂を流して、モニカの隠したいことに協力する代わりに、こちらにも手を貸せと脅迫を交えつつ協力することになって。

薔薇の魔女との伝手もあって、公爵邸に侵入して情報を得られたのは良かったですけども。星詠みの魔女が「いよいよ動き出すのね」とこぼしていたりするし、情報が揃いつつある中で、近く事態が動きそうな予感はありますねぇ……。

 

特装版小冊子はキャラのアイコンに台詞が載っている会話劇というか、チャットスタイルというかの短めのエピソードを複数収録した形のもの。

公式アカウント初出の「突風注意」とか「自己紹介」なども収録しつつ、半分以上は書き下ろし。七賢人のエピソードとか笑えるものが多くて良かった。

サイレント・ウィッチⅥ 沈黙の魔女の隠しごと

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「わたしが、あなたに望むものは何もありません」

 

ケルベック伯爵家が、本当に全面的にモニカの味方してくれてるのが分かるプロローグが結構好きですね。

他所の家の間諜が、モニカについて探りを入れようと領内に入ったりも増えてきたみたいですが。それを察知した領民たちからの報告を受けて、「それっぽい状況」を見せつけることで、誤魔化すことに成功していたのはお見事でした。

「いじめられる演技をする少女」を領内から雇い入れて、演技中以外は福利厚生をしっかり整えているの、こだわりを感じてなんか笑っちゃった。

 

モニカが成し遂げた魔術奉納、評判なのは良かったですけど……それを成し遂げた後、注目を集めすぎて失神してしまうのは実にモニカでしたねぇ……学院に通って、大分緩和されてきていたとは思ったんですが。

呪竜騒動について深淵の呪術師レイと話していたのを、七賢人の一人である茨の魔女ラウルに知られてしまって。七賢人の若手で奇妙な協力関係が築かれたのは面白かったですね。

七賢人としての活動中に、シリル副会長に会ってしまったり。怪しんでいるクロックフォード公爵と話をする機会があったり、城に行った分のイベントは発生していましたが。次への伏線になるネタが多かったですかね。

 

休み明けのセレンディア学園。

モニカと悪縁のある二代目ミネルヴァの悪童ディーや、チェス大会で興味を持ったロベルトが転校してきたり、政治的な問題から第三王子までやってくることになったり。

グレンもディーと悪縁があって、魔術の勉強に打ち込んだりしてましたが……。

無詠唱で魔術を使う沈黙の魔女モニカが、「あれは早く発動できるだけで、言うほど大したものじゃない」と割り切ってるの凄いですねぇ。

実際、無詠唱は彼女の武器の一つでありますが、以前ルイスの結界を解析したように魔術への深い理解と見抜く力がモニカの本当の武器みたいな感じがありますし。

 

好き放題暴れるディーが、モニカに気付いて目を付けたことで決闘騒ぎにまで発展。

モニカは実力隠しているので、義憤に駆られたシリルたちが戦うことになったわけですけど。

好き勝手振舞うだけの実力がディーにはあって……モニカがバレないように介入して叩きのめしてるのはスカッとしました。

そして書籍書下ろしのエピソードが差し込まれてて、ズブズブの第二王子派の七賢人宝玉の魔術師が暗躍していた問題に巻き込まれていくことになって。

モニカが敵の使った精霊を捕らえた兵器に即座に対応したのは、彼女の凄さを感じて好き。

 

あとはモニカに雇われたバルトロメウスが「ガキは大人を頼っていい」と言ってたのは良かったですねぇ。複数の七賢人が動く事態になっていたのは、ちょっとワクワクしましたが……決着は次回に持ち越しになったので、早く続き読みたいですね。

あとがきによれば7巻は次の冬頃になって、その前に上下巻でルイス主人公の番外編が出るみたいですが。

6巻(実質上巻)→番外編上巻って刊行順になるの、もどかしいな……。

サイレント・ウィッチⅤ 沈黙の魔女の隠しごと

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「……その目に焼きつけてください」

(略)

「貴方の呪いが、もたらしたものを」

 

学院も冬休みに突入し、予定ではモニカはイザベル達と一緒にケルベックへと帰郷するつもりだったようですが。

星詠みの魔女がこの冬に竜害が起きると予言したため、沈黙の魔女であるモニカは戦力として数えられるだろうから、残ることとなった。

……そこまでは彼女達の予想通りだったわけですけど、予定外なのは時を同じくして行われる第二王子と隣国との外交における護衛を任されることになってしまったこと。

 

万が一にもセレンディア学院の生徒会会計モニカ・ノートンが、沈黙の魔女モニカ・エヴァレットと同一人物だと見抜かれるわけにはいかない。

そうでなくても第二王子は隠れ沈黙の魔女ファンであるため、接触には注意が必要。

さらに当初の予定ではルイスが同行してフォローするつもりだったそうですが、防御能力にたけた彼を王都から離すのを渋られたせいで、代理として彼の弟子であるグレンがやってくることになったんですから、悪いことは重なってます。

 

モニカにとってなかなかハードルの高い任務になってしまいましたが、顔を隠した上で、人型になったネロを従者として扱い会話を任せることで、綱渡り状態の日々を過ごすことに。

そんな中で異常な竜の襲撃を受ける羽目になるんだから、災難というほかないですけど。

竜に起きている異変を察知し、その場で不完全ながら対策の術式を組めるあたり天才ですよね、本当。

 

今回の一件でネロの正体が明らかになったりしてましたが、対人関係はさっぱりでも強いモニカらしさを感じましたねぇ。

暗躍している公爵の操り人形で終わるつもりがない第二王子だったり、モニカを怪しんで調査を入れているブリジット嬢だったり、気になる動きはまだまだ多い状況で。

モニカが父の死にも隠された事情があると知り、これからの彼女がどう動くのかも見逃せません。

サイレント・ウィッチⅣ-after- 沈黙の魔女の事件簿

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「これは、わたしがちょっとだけ強くなれる、おまじないなの」

 

メインストーリーを勧めたいけど、日常のエピソードも大事にしたいという想いから書き下ろされる事となった、4巻と5巻の間を主に描く巻ですね。

プロローグは、モニカがまだ引き籠りしていた時代にルイスに引っ張り出されて、魔導書の封印作業の手伝いをさせられる、というエピソードなんですけど。

なんで(実質)4.5巻でこの時間軸の話するんだろうと思っていたら、しっかり他の話に絡む要素盛り込んであって、構成上手いなーと思いました。

 

ここでルイスから「幸運のお守りの作り方」とか「青いインクで恋文を書くと両思いになれる」みたいな魔術的根拠のない「おまじない」について話を聞くんですが。

魔術と数学ばかりで世界を作っているモニカにはよく理解できず、「一生無縁のものなんだろうな」と思っていたんですよね。

でも学園に進学した後、多くの人と触れ合う中で彼女の情緒も育っていって、おまじないに少しだけ理解を示すようになっていくのが、胸が温かくなる感じで良かった。

 

フェリクスが沈黙の魔女大好きなのは描かれてましたが。

沈黙の魔女の論文載ってる本を読みたいけど、記録が残る形では難しい。だから不良仲間なモニカに協力してもらって、立ち読みしてみようと思い立つのは面白かった。ちゃんとオチもついたし。

グレンにかけられた冤罪を晴らすためにシリルが奮闘したり、モニカとチェスで接点のある音楽家ベンジャミンのスランプに振り回されるエリオットの姿とか、普段とはちょっと違う雰囲気が見られたのも面白かった。

後は、イザベルがノリノリで悪役令嬢やったりもしてますけど、一方でしっかりと貴族としての顔を見せてくるのも好きだなぁ。今回も楽しかったです。

サイレント・ウィッチⅣ 沈黙の魔女の隠しごと

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「もし事情を話せないのでしたら、それでも構いません。わたくし達にできることはありませんか、お姉様? どんなに些細な悩みでも、どんなに大きな困難でも……わたくし達は貴女の力になりたいのです」

 

学園祭の準備に生徒会会計として奔走したモニカ。

まだまだ未熟な部分もありますけど、彼女の成長が実感できる場面が多くていいですよね。学園祭が始まった後にも、自分の苦手な仕事にも挑もうとしてますし。

七賢人としての任務は忘れてないし、侵入者の察知なんかも見事にしてのけますけど……これまで引き籠っていたのもあって、ここで培った縁を手放し難く思っているのが弱点になってしまった。

今回はそこを突かれたのが痛かったですけど……序盤の、壊れかけてしまっていた頃のエピソードを思えば、今の心揺れるモニカの方が断然いいですよね。

 

学園祭当日、七賢人の一人である深淵の呪術師レイ・オルブライトが登場。

この国唯一の呪術士の家系オルブライト家の当主だそうですが。またしても個性的なキャラが出てきたなぁ……。

ネロに「七賢人って、人格破綻者集団なんだな」としみじみと呟かれてましたけど、あまり否定できない……!

WEBとは登場タイミングが変わってましたが、その分彼の良いところとかも見ることが出来てとても楽しめました。

 

あとは、かつてモニカの友人であったバーニー。

彼がどうしてチェス大会に参加していたのかとか、どんな想いを抱えていたのかが明かされましたが。「対等なライバルになりたかった」という想いをもっと早く打ち明けられていれば、何か変わっただろうか。……当時のモニカ、今よりも対人コミュニケーション能力低いから、結末は変わらなかったかもなぁ。

過去のバーニーの行いはアレですけど、変わった距離を受け入れた2人の関係は結構好きなんですよね。

 

この後の5巻は冬休み編となるそうですが……学園祭後~冬休み前のエピソードを描いた書き下ろしとなる4巻アフターが刊行決定したそうで、しかも10月発売予定と結構早めのスケジュール組まれてるみたいで、楽しみですねー。

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごとⅢ

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「さぁ、お手並み拝見よ。〈沈黙の魔女〉モニカ・エヴァレット」

 

学園生活を送る中で、モニカが選択授業として取ったのはチェスと馬術。

前半分はチェス大会の代表に選ばれてしまった彼女が、かつて通っていたミネルヴァの知人に遭遇してしまう話。

無詠唱魔術を会得する前野彼女はあがり症が酷く、知識はあれど魔術の使えない落ちこぼれ扱いで……そんな彼女を期に掛けてくれる友人が居たのだ。

 

とは言えそれは、出来の悪い子を守って悦に入るような、歪さがあった。その友人バーニーは、モニカがいじめられているのに気が付いていながら、彼女に頼られることに優越感を感じていた為、問題を解決しようとはしなかった。

だから、彼女が無詠唱魔術と言う前人未到の偉業を達成し、七賢人となったときにその関係は壊れてしまった。モニカ全く悪くないのに、バーニーの前でビクビクしてるの不快だったので、今回ラナがばっさり切り捨ててくれた上、モニカも自分の言葉で意思表示できたのはとても良かった。

 

それで予想外のダメージを負ったバーニーでしたが……彼もまた秀才ではあるんですよね。チェス大会の裏で蠢いていた陰謀、その一端に気がついたりするわけですし。

過去のバーニーは割と嫌いですけど、挿絵にもなっていた現在においてモニカを守ったシーンは好きなので、なんとも言い難い気分になります。

 

後半はWEB8章の「夜遊び編」だったんですが、結構加筆されてましたねー。

虐めているという設定上、チェス大会の応援にはいけなかった。だから学園外のお祭りに行きませんかと誘ってくれるイザベル嬢は良い子。挿絵もうきうきしてて可愛い。

残念ながら七賢人としての用事があったため、彼女と祭りを楽しむことは出来なかったわけですが。

 

最年長の七賢人〈星詠みの魔女〉が行う務め、魔術奉納の見学と言う名目でその街に立ち寄れたのは良かった。祭りの空気は味わえたわけですし。

……学園を抜け出した護衛対象の王子様と出くわしたり、彼の夜遊びに同行したら色々とトラブルに出くわす羽目になったりもしてましたが。「売りに来た」と誤解した店の人々、苦手。

 

終わってみれば〈星詠みの魔女〉の掌の上、みたいな雰囲気出してて七賢人の格が上がった感じがすることとか。モニカの父、その友人との縁が出来たりとプラスの出来事もあるんですけどねー。

あと、ケイシーが居なくなってしまっても、モニカが馬術の授業を受けることにして。その経験が、彼女の成長を促す結果になっていたのがとても良かったと思います。

 

まぁまだまだ状況は予断を許さないというか。暗躍していた連中が、いよいよモニカにも目を付け始めて騒がしくなりそうな状況ですよ、と示された状態でこれから学園祭があるって言うんですから更に大変になりそうですなー。

……いやWEB読んでるから大枠では知ってますけど。加筆でより面白くなってるので、それを期待して4巻を待つことにします。

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごとⅡ

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生徒会役員として相応しくあることが、生徒会会計モニカ・ノートンの責務なら……。

(……これは七賢人である、わたしの……〈沈黙の魔女〉の責務)

 

プロローグから知らないエピソード(書き下ろし)だ……!

休日に街に買い物に行こうと頑張るモニカ。道中彼女を良く思わない令嬢に突っかかられたりして、出かける前から疲弊してるのは彼女らしかったですけども。

街に在らわれたはぐれ竜を、誰にもばれないようにこっそり倒してたり、無詠唱魔術って暗殺適性高いですよね。モニカ自身にそっち方面の才能がなくて本当によかった(危険視されて排除されかねないので)。

ラナと不器用に距離を詰めて友達になろうとしてるのも微笑ましくていいですねぇ。

 

生徒会会計として、まだ彼女の事を受け入れてくれてる人ばっかりではないけれど。しっかり仕事はこなしてるのが偉い。

でもエリオットも「成り上がり」が嫌いで、身の程知らずを毛嫌いする部分はあれど、身分にこだわるからこそ「貴族には平民を守る義務がある」と言える覚悟はある。

1巻で平手打ちしてきたブリジットも、モニカの事務処理能力は認めつつも、対人能力に難があるため生徒会役員には相応しくないと判断してるわけで。

理由あっての行動だから、納得はいくんですよね。カロラインみたいな気に食わないから嫌がらせしてやろう、みたいな感情の話じゃないので。

 

ダンスの授業で上手くいかず、第二王子にもフォローされた上で、なんとか再試験に合格。WEBだと、モニカは王子の身に着けていたスカーフの絵柄に意識を割いていたんですが、今回は宝石のカットに数式を見いだして目を奪われているんだから、数字バカにも程があるな……。

 

日常生活では相変わらずポンコツで、それでもめげずに頑張ってる彼女でしたが。以前、ルイスが化け物と評価したのも納得いく、七賢人としての顔もしっかりあるんですよね。

WEB時代よりも強化されていたように思える結界を見事攻略して、起きかけていた惨事を辛くも阻止してましたし。秘密の護衛としてもなかなか実績挙げてるんですよね。

第二王子を取り巻く問題は、政治的な案件も絡んできて色々とキナ臭いんですが……無事に3巻も出ることが決まったそうですし、WEBも完結してるシリーズなので、このまま順調に完結まで書籍化してほしいものです。

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと

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「その……えっと……が、がが、頑張り、まひゅっ」

 

極度のあがり症で人前で上手くしゃべれない少女モニカ。

魔術が存在する世界なんですが、人が魔術をつかうときには長い詠唱が必要で……人前で喋れなくなってしまう彼女は落第生に近かった。

そこでモニカは考えに考えて、前人未到の「無詠唱」という技術を編み出し、魔術師の最高峰である「七賢人」にまで就任。

 

どうにかあがり症を改善しよう、じゃなくて「喋れなくなるなら、喋らないで魔法を使えるようにしよう」という方向に走って実現してしまう辺りが恐ろしい……。

本人的としては面接で卒倒してしまったせいで、補欠合格したと思っているようです。後に、七賢人の同僚からなるべくしてなったんだ、という発言も出てきますけど。

 

自分に自信が無くて卑下しがちなので、モニカみてるともどかしくてならない。

ただ書籍化に当たっては、担当さんがモニカを可愛がっていて優しい修正が入ってるとか。作者さんは谷に落すタイプらしく、Webより大変な目に会ってたら『「作者が強行しやがったな」と思ってください』とあとがきで語られていました。今後の展開に期待。

 

冒頭、七賢人として竜退治に駆り出される場面から始まるんですが、そこのシーンもWEBより加筆されていて最高峰としての実力がハッキリ示されているように思えてとてもよかったですね。

ほかの加筆部分も素敵で、物語としてのまとまりが上がっていてとても面白かったです。

……生徒会関連の問題が増えて、ボロボロでしたけど。会計だけじゃなかったかー、そっかー。

 

あとはカラー口絵がモニカ主体になっていて、多数のキャラクターは挿絵で登場+ネームプレート表記で分かりやすい構成になってたのは、中々見ないパターンで新鮮でしたねー。

キャラが多いと、口絵部分で集合絵+名前のパターンが多いですけど、この物語はやっぱりモニカが主役なので彼女がカラーイラスト占めてるのは個人的にとても嬉しい。まぁ、周囲のキャラクターも魅力的なので、どんどん彼女の世界を広げていってほしいとも思いますけどね!


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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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