「的外れだな。誇りなき者に、生きる者たちはついていかぬ。死者を愚弄し、都合よく操ることしかできぬ貴様らには永遠にわかるまい。俺の夢は、二百年も前に果たされた。だからこそ、それを穢す貴様らを斬るのだ」
聖都を離れ、王都を目指すランベール。
『笛吹き悪魔』の幹部・八賢者を順調に削っているわけですが、彼らの計画はかなり大規模で……ランベールが居合わせなかった都市でも、奇妙な魔術師集団に貴族の私兵団や名高い冒険者ギルドが壊滅させられたりしていた模様。
彼の狙いが国家転覆であれば、レギオス王国内の戦力を削った今という好機を逃すはずが無いと目的地を王都に定めて。
最も目立つ容姿で現代の常識に疎く、愚直すぎるランベールは道中でトラブルに出くわすこともしばしばあって。
そんな中で魔銀が高騰している話や、王都近くのパーシリス伯爵領以降の足取りが追えないという話を聞いて、ついでに足を運ぶことに。
実際そこには『笛吹き悪魔』の協力者である魔術師ドマが君臨する暗黒街が存在していたりしたわけです。
強力な術士がいるとは言え、領内にそんな爆弾みたいな場所を抱えつつも排除できずにいる、という点で伯爵の統治能力に心配材料はありました。
ランベールはより怪しい暗黒街の調査へ乗り込んでいくことに。妙な出会いをした伯爵家の養女シャルルが、暗黒街について詳しかったり、そこを気にしていた彼女が行方不明になったりしたのも、怪しい要素ではありましたね。
気になる要素はありつつも、敵対者を蹴散らすことを躊躇するようなランベールではなく。暗黒街で三すくみを繰り広げている組織を一つ潰したり、ドマに繋がる場所に踏み込んでいき蹂躙したりとさすがのひと言。