気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

入間人間

安達としまむら2

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「んー なんでわたしなんだろうね」

(なんでって 『わたしはしまむら』だから だ

 でもこんなの答えたら まるっきりあからさまに

 しまむらが大好きですということになってしまう――)

 

612話を収録。

6話「未満フレンズ」は安達目線で、まだしまむらを友達とも思っていなかった時期の、微妙な距離感の2人が描かれていてこれはこれで微笑ましい。

そこから唐突に「腹筋できる」とメールが送られてきて、電話しながら「できた」というような距離感になっているの不思議だなぁ……。

 

しまむらが母と一緒に出掛ける、という話題を出したところ安達はなんとも言えないような反応をして。出かけたりしないのかとしまむらに問われて「知らない」とか言ってましたからね。

そんなトークをした後、しまむらが母と向かったジムで、なんの因果か安達の母と出くわして。言葉を濁しつつ安達母と交流……というかちょっとサウナ耐久とかすることになったりしてたのはなんで?って感じでしたが。

その翌日、安達伝いで不器用な交流の話聞けたのは、うん。すれ違うよりは良いんじゃないかなぁ。……どっちも距離の縮め方に不慣れで、これはこれですれ違ってそうでしたが。

その後のクリスマスに安達がしまむらを遊びに誘う際と、いざ当日遊ぶ段階になっても安達が挙動不審で、「もうすこしがんばりましょう」感はありましたが。アレはアレで可愛かったのでヨシ。

安達としまむら1

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「別に恥ずかしがらなくてもいいのに」

「無理いわないで」

 

授業をサボろうと体育館の2階に逃げ込んだ女子高生のしまむら。

彼女はそこでクラスメイトであり、同じようにサボり癖のある少女、安達と遭遇して。

しまむらは授業には(安達より)出ているけれど、髪染めてピアスもしてる、という点で安達より教師受け悪いそうですが。

一緒にサボって、卓球したり適当に話をしたりする、不思議な友人関係を続けていく穏やかな作品。

 

なんだかんだで一緒に居ることが多いけど、相手のことについて知らないこともまだまだあって。「その程度の仲」だ、なんてしまむらが1話で思っているシーンがありましたけど。

どっちも距離を探っているネコみたいなところあるよなぁ、と傍から見ている分には微笑ましい。

 

しまむらには懐いているけれど、他の友人が出てくるとひいてしまうところとか。

特に懐いていたからか、しまむらとキスする夢までみてしまって、じたばたしている安達が可愛くて良かったです。

日常のエピソードが多くて、展開もゆるやかなので絵柄が可愛くて好みなのはいいことですよ。楽しい。

……穏やかな日常に宇宙服来た幼女は出てこない? いやまぁそれはそうですけど。他作品とのリンクですよね。入間先生原作の『電波女と青春男』にも出てきた面白幼女。懐かしいなぁ、今度読み返そう。



やがて君になる 佐伯沙弥香について3

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「他の選択肢なんて誰も覗けないから。全部運命だし全部必然。わたしはそう思う」

「そうかもね」

 

沙弥香先輩主人公のエピソード、完結巻。

大学2年生になった彼女に懐いてくる後輩の少女・枝元陽との交流の話。

元気溢れる、沙弥香の周りにあまりいなかったタイプの可愛い子。

少しずつ距離を縮めて、実家を出て一人暮らししているという彼女の家に遊びに行く事も増えて。告白されて。

 

大学生活の中でなにを見つけるのか迷いながらも、沙弥香は沙弥香だった、と言いましょうか。

大人びていて冷静な彼女を見ると、沙弥香先輩とセットで呼びたくなる。

それは、まぁ。今も交流が続いていて、しれっと登場した小糸さんや、陽ちゃんがそう呼んでいるからと言うのもありますけど。

大学に進んで世界が広がっても、過去のつながりが絶えるわけではないんですよね。

他のキャラとの交流が合間合間に描写されていて楽しかった。

 

『やがて君になる』本編は、卒業した彼女達が文化祭に顔をだすエピソードで締められましたが。

本作は、その後の話も入っていましたね。文化祭後に改めて燈子と沙弥香が会話しているシーンが好きです。沙弥香先輩の方が、小糸さんとよく会って話を聞いてると振れば、「よく」の部分は聞いてないとか言いますし。冗談半分で浮気疑うし。

気心知れた二人の関係がいいですよね。「素敵な子なんだね、きっと」と言う台詞が出てくるのが良い……

原作好きなのもありますけど、入間人間先生の文体もやっぱり好きだなー。最近あまり読めてませんけど。積読にいくつか眠ってたはずなので発掘するか……


安達としまむら

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しまむらと特別でありたい。

変な意味はない。本当にない。しかし特別であるのなら、変でも構わない。

ようするに、好きなんだろうなぁと思った。

 

授業をサボりがちな不良少女、安達としまむら。

クラスメイトではあったが、交流はなかった。

ただ、たまたまサボろうとして体育館の二階へ足を踏み入れたら、出会った。

そこからなんとなく行動を一緒にするように。とは言っても、頻度が増えたってだけで、いつも一緒にいるみたいな、関係でもない。

 

そんな二人の学生生活を描く、わりと穏やかな学園青春モノ。

しまむらの友人と一緒に遊びに行ったりもしますが、登場人物が女子多めなので、時に姦しい。

ただ、安達としまむらの二人の関係は結構不思議と言いますか。

人の気配がない時は思い立ってピンポンしたりしてますが、会話が多い方でもない。

 

友人、だとは思っている。ただ相手はどうだろう。

みたいな、不器用な距離感が微笑ましいですねー。

安達が結構感情豊かというか、想像たくましいというか。
割と早い段階で意識してるんですね。……夢に見るくらいには。

特に大きな事件が起きるわけでもない、穏やかな百合を見たいならオススメできる按配でいいですねー。追々続きも買っていきたい。

 


やがて君になる 佐伯沙弥香について2

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「この調子だと全校生徒から告白されるんじゃない?」

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「いつも断り方一緒だって噂になると困るな……」

「斬新な悩みね……」

 

アニメ化もした『やがて君になる』の外伝ノベライズ2弾。結局アニメ見れてないんですけどね。

表題の通り、佐伯沙弥香視点で描かれる高校時代のお話と、それから。

なんと「その後」を描く大学編の構想があるらしく巻末に3巻の制作が決定したとのことで楽しみが増えました。

 

佐伯沙弥香視点で描かれる「小糸侑」という少女の姿が、当然なんですが、違って見えて新鮮でした。

好きな人はいるの、と聞かれていませんと答えた後輩。

面白い後輩だな、と最初は思っていたがそれはどんどん変化していって。

 

学年2位の成績が取れるくらい努力をして、色々な積み重ねをして。

それ故に、自分という人間を把握していた彼女。「限界さえ、見渡せばすぐに見つけることができた」と思ってしまう佐伯沙弥香という人物の魅力が今回も詰まってました。

言葉を選ばない先輩後輩としての佐伯沙弥香と小糸侑の会話が結構好きです。

「そういう相手も大事よ。毎回身構えていたら疲れるもの」は至言。

彼女たちが一年生だった頃の話もあってなかなかに新鮮でした。佐伯沙弥香は真面目に過ぎる。ま、そこが魅力的なんですけど。

 



やがて君になる 佐伯沙弥香について

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こういう私にしたのは、あなたのくせに。

 

アニメ化もした「やがて君になる」外伝ノベライズ。

佐伯沙弥香の幼少期から高校進学まで。

昔から達観していた彼女が、今に至るまでどんなことを感じてきたのか。

 

習い事をいくつもやっていても苦にはならず。

その多くで褒められるだけの、努力に見合った成果を得てきた。

けれど、水泳教室だけは少し違った。不真面目なのに、敵わない相手。

彼女は沙弥香を意識していて。幼いがゆえに、その感情に明確な形を与えることはなく、先に気付いた沙弥香の方が距離を取って終わってしまった。

 

中学では合唱部に入り、一目置かれる立ち位置で。

先輩方の引退に合わせ部長に推薦されたりしてました。

それ以外にも、なにくれとなく周囲に来ていた先輩に、告白されて。

揺れて、迷って。心が定まったと思ったら、相手の方が遠ざかってしまった。

 

あぁ、うん。彼女の青春、生き様がしっかりと描かれていた。甘く優しいものではなく、痛みを伴うようなものでしたが。

その果てに、納得を得たなら。それまでの積み重ねは無駄ではなかったのでしょう。そう、思いたい。

けど、そうして出会った七海は後輩に近づいていくわけで、あぁぁって悶えそうになりますな。



彼女を好きになる12の方法

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病は気からという。意味は逆だが。そして恋の病という言葉がある。たいてい、悪い意味でつかわれないのだが。その二つを組み合わせた結果、ひたすら彼女が可愛いと思い続けてみることにした。なにしろ彼女はかわいい。よしだいぶ病んできている。



「好き」という気もちがわからない「俺」。
「好き」という気持ちに身を焦がしている「僕」。
この二つの視点が織りなす話。
「俺」の隣には「彼女」がいて、「僕」はその二人を遠くから見ていたり、時に不気味に近づいたりしています。
端的に言って僕はストーカーっぽい。っぽいっていうか、構成要素はおおよそストーカー気質。

いいかえると、ポジティブルートとネガティブルートみたいな感じですかね。
何となく付き合いが続いている「彼女」と、友人以上恋人未満みたいな関係を続けていた「俺」。
なんでこの関係が続いているんだろうと考えたとき、彼女を好きになればそれが理由になるんじゃないかと思い、4月から、1年間をかけて彼女を好きになろうと試みる。
その発想が酷いというか、頭良くないのにややこしい頭だと12月に言われていますが。
まさしくそんな感じで、考え過ぎて空回りしている感じ。

一方で僕は、彼女の事が気になりつつも生来の性格なども合わさり、声をかけられずにいる。
そして、行動を起こしてみたは良いものの、かなり不審者で、最終的には避けられたり、気分や状況などを合わせて、大分落ちていってる感じが。
こっちのルートにはほとんど救い無いので、なかなかアレです。
ただ、僕視点からみた「俺と彼女」のやり取りは、結構面白かったり。

もう俺と彼女は、傍から見ていると普通にカップルみたいですけどねぇ。

「それは、わたしの一番嫌いなことね」
「なんで好き? とかきかれるのも、どこが好き? とかも最悪」
「だって理由を好きになったわけじゃないの。わたしはっ、ほら・・・・・・」

「言わなかったことに、『理由』があるのよ」
「なんか褒めるときに、すごいすごいって何回も言っていたら逆にすごくなさそうに思えるでしょ? 言葉は流し放題の水。味が薄くなるのよ。だから、こういうのって口にしない方がいいと思ってた」


12月あたりからの「彼女」が可愛くて、結構楽しんで読みました。
「彼女」には「彼女」の哲学とかがあって、それでも「俺」の近くにいたってことで。
こういう距離っていうのは結構羨ましいような気もしますな。
まぁ、劇的な事件が起こるわけでもないから、淡々と進んでいく感じもあります。
ただ個人的には結構気に入りました。


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ちゃか

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