気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

八男ってそれはないでしょう!

八男って、それはないでしょう! みそっかす3

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「うちは成り立ちが特殊なので、これが家風なんですよ。なかなか普通の貴族には理解してもらえないと思いますが、うちはそういう家風ですから」

 

16話を収録。「みそっかす」12巻よりは一つ一つのエピソード短く、多く収録してる形ですね。

1話「よくある貴族の五男の話」。エルヴィンが実家に居た頃のエピソード。

エルヴィンはいずれ冒険者になることを見越して、狩の腕を磨くのを怠っていなかったわけですけど。彼の兄たちはそうでもなく……。三羽のウサギを狩った弟から、成果を一匹ずつ奪っていく兄よ……。

弟が獲物とってるのに兄が成果ゼロってのは体裁が悪い、と父も黙認する構えなあたりが零細貴族家というかなんというか。

そんな中で寄り親であるルーター子爵家が、周辺貴族家に声をかけて被害が増えている害獣討伐を行うことになって……どのみち家を継げずに家を出ることになるエルたちは真面目に成果を上げてるけど、エルの兄たちみたいな輩が多い本隊の方がアレなのは本当にもう……。

 

2話「お兄さんは心配性」。ミズホ伯国で出会い、エルの嫁になったハルカの幼少期。

ハルカはかなりの実力があり抜刀隊に入れるレベルだったが、本来ミズホでの女性の剣は護身レベルであり……女性隊員がいないわけではないけど、狭き門ではある。

それでもその道を進むことを選んだハルカの頑張りは偉いですけど……タイトルからしてね、お兄さんがね……相変わらずだなぁ……と言う感じ。

 

3話「イバラの道を歩む」。

テレーゼ幼少期。まだ10歳の時期で、幼馴染だったマックスが幼いながらにニュルンベルク公爵を継ぎ……2人の婚姻の話も正式に破談となって。

さらにテレーゼの父もそのタイミングで倒れ……フィリップ公爵家も継承であれることに。ラン族という部族とその特徴である肌の色にこだわりがあることで、兄たちが家臣団に認められず、テレーゼが父の葬式を取り仕切ることになったり問題抱えまくってるのを、10歳が抱え込んでるの思うと、可哀想にはなる。……その上でヴェル達の転移実験でパンツ取られたシーンまで挿絵にされてたしな……。

 

4話「真夜中の魔女」。

ブリザードのリサの、冒険者予備校にいたころのエピソード。

魔法使いの特待生として認められたものの、男性が苦手すぎて普通に教室には通えない。校長先生からその立場を考慮して、レポートを出すことで代替する話になっていたみたいですが。担当教師に上手く話が伝わってなかったのは落ち度でしょう……。

とは言え、リサも家族以外の男性と会わない生活を送るのはどうかと思い……対抗策が物理的に距離を取る「全身鎧姿」になるっていうのがぶっ飛んでる。

鎧姿に比べればまぁ化粧で武装してる方が健全ですけど、それであの過激さになるのを思うと、どっちがマシかなぁ……。

 

5話「側室試験」。第6話「仕官への道」。

ヴェルがバウマイスター男爵だった頃の話。5話は、ヴェルの側室になろうという女子が多く……それを追い払うために「冒険者チームとしても活躍するから、身体能力も必要だよ」と試験を行うことで追い払って。

……その試験に参加し、合格できなかったものの根性を示したイヴァンカが落ち目の実家に頼るのではなく、冒険者になる道を選んだのはガッツがあって良いのでは……?

 

そして6話はヴェルに仕える家令となった、ローデリヒの話。

商会を追い出され、それから先も上手く勤め先が決まらずにいたローデリヒ迷走期の話。

あちこちに問題を抱えた貴族多くて、よくもまぁ国回ってるなぁ……って感じではありますが。



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「この私が、お前たち如きのセコい脅しに屈すると思うか? ああっ、これまではそうやって女性冒険者を食い物にしてきたんだったな。随分と卑怯っぷりが板についてるじゃないか」

「『ブリザードのリサ』! 貴様ぁ――――!」

「図星を突かれて起こったのか? そこはしらばっくれるくらいしろよ、五流ども」

 

1話「カタリーナという名の少女」。

政争の煽りを受けて改易させられたヴァイゲル騎士爵家のカタリーナ。

リリエンタール伯爵家、それを実行した相手には恨みをぶつけてるみたいですが……政敵から「こっち恨んでるわりには、ヴァイゲル家のフォローはまったくしていないようだが」とか言われてるの、あまりにも……。

もはや貴族ではないからと当主と夫人の葬儀にも参列せず、カタリーナへの援助もなく……それなのにカタリーナに魔法の才能があるとわかったら縁談をもってくるの、うーん狸というかなんというか。これくらい神経太くないと政争やってられないんだろうなー。

 

カタリーナはお家復興のために努力しようと、形から入ってましたが……性根は普通の少女というか。気合で縦ロール髪型を維持してドレスを着て冒険者学校に乗り込んだカタリーナはあまりにも浮いていて。

中央の政争から離れてホールミア辺境伯の領の冒険者学校に通うことにしましたが、そこもまた柵とは無関係ではなかったりしましたが。

カタリーナ、どうにも空気読み苦手でソロ活動を強いられてはいましたけど、それでも稼げるくらいの実力はあったので……例によって暴走するバカも居たけど実力で、カタリーナが自覚する前に叩きのめしてたのには笑った。

カタリーナがヴェルに会いに行こうとする前、「自分がこんなに頑張ってもパーティ組めないんだから寄生目的の方々だ」と決めこんでるの、視野狭窄すぎるなぁ……と思いつつ、それぐらいのメンタルじゃないと女だてらにお家復興のために奮闘できないか……。

 

2話「衝撃の出会い」。

結婚したことで過去の過激な言動から一転落ち着いた振る舞いを見せるようになったブリザードのリサと、その弟子であるカチヤ。

カチヤは冒険者予備校に通っている初期のころは、魔法が上手く使えず悩んでいた。

そんな折にブリザードのリサに出会って。グレードグランド討伐戦が実施される時期で……カチヤが実家の名前を使って、諸侯軍という建前であの現場の端っこに居たって言うのはびっくり。

そして魔獣討伐の実践を通して、リサからカチヤが色々と教わって腕を磨いていったというのは、まぁ良かったんじゃないですかね。こんな世界ですから武器は合った方が良い。

……ただ、結婚した今になったその諸侯軍の記録が明るみにでて、ブライヒレーダー辺境伯がまたちょっと頭を抱える羽目になっていたのは……お疲れ様です……。

 

3話「最後の一週間」。

ヴェルが故郷を去ってブライヒレーダー辺境伯領に向かおうとする前の話。

幼少期のヴェルとアマーリエは、表立って会話するとクルトが面白い顔しないから、中がよさそうに想われないようにふるまっていた。

当時の2人のことをヴェルは「バウマイスター騎士爵家が置かれた厳しい現実に立ち向かう、同志みたいなものだった」と語っていましたけど。

問題をある程度認識できていて、それでもクルトが嫡男だからその立場を脅かさないように一線を引いて守っている2人の立場を表すのには適してはいますね……。

ヴェルが領地を去る時に、アマーリエに贈り物をしていたのは、当時としては同志への選別だったんでしょうけど。なんだかんだ今も関係が続いていて。……まぁ、幸せな人が増えているので、差し引きプラスとは言えるか。

八男って、それはないでしょう! みそっかす1

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「どちらが常識がないんでしょうね。そう思いませんか? ブライヒレーダー辺境伯様」

 

「まったくそのとおりです」

 

主人公たちの幼少時代を描く、番外編。

1話は「狩猟勝負」。ブライヒレーダー辺境伯領の冒険者予備校で、ヴェルがエル、ルイーゼ、イーナ達とパーティを組んでいた時代。

『瞬間移動』出来るヴェルは、他の生徒とは違う狩場に足を延ばせるし、魔法の袋もあるので大量に狩っても持ち帰れないなんてことはない。なんなら学校の休業日と併せたら、他のメンバーに野営の準備をしてもらっている間に、ヴェルだけ一旦かえって納品するなんてことまで出来る。

……便利すぎるな、この主人公。そりゃ取り込みたい人はたくさんいるでしょう。

 

冒険者学校に通っている貴族家から出ることが決まっている、立場的にはヴェルやエルたちと同じ立場。しかし、成績別の冒険者学校のクラス分けで、同じクラスに入れるほど実力がない。そんな未熟なガキに絡まれて……しかも、子供の喧嘩にバカな親まで出てきて。

ヴェルに「ブライヒブルクで冒険者として活動できなくなってもいいのか」とか圧までかけて来てましたが。

瞬間移動できる魔法使いで、しかも辺境貴族家の八男で家を出ることが決まってるヴェル相手にはあまり効果ないよな……。まぁ、そもそもトップのブライヒレーダー辺境伯と既に繋がりを得ているから、怖くもないですけど。

なんというか、また狩猟勝負やってたなー、という感想。

 

2話「英雄症候群の少女ヴィルマ」。タイトル通り、ヴィルマの幼少期。

最初はヴィルマが「英雄症候群」という症状のことすらわからず、両親も心配していたけれど診察では健康状態には異常が無いということしかわからず。

一度倒れ、知識ある司祭様に見てもらえたことで「英雄症候群」について知る事はできたものの……食糧不足という問題は健在で。

自分で狩りに行ったり、大食い向けのチャレンジメニューがある店に通ってみたりと、出来る範囲の事はしていたみたいですけど。そんな彼女がエドガー侯爵の幼女になるまでの話。

 

3話「聖女誕生」。

エリーゼの幼少期。四大属性の魔法が扱えず、聖属性の適性がありそうだと発覚して。

その治療のための練習を始めることになった際、初回から効果を発揮させたのはお見事。不慣れだったこともあって魔力を使い過ぎて気絶しちゃったみたいですが。

エリーゼが最初に心配したのが居合わせた居合わせた家庭教師も司祭が祖父に叱られたのではないか、と言うあたり性根の優しさが出ている。エリーゼに魔法を教えるという仕事を忠実にこなし、その後の処理もしっかりしていたので、叱ることはなかったそうです。

貴族令嬢ではあるけど教会での手伝いにも積極的で、エリーゼには味方が多いみたいで良かったですね。

あまり教会の手伝いに積極的ではない令嬢もいるし、聖属性使いのエリーゼの婚約者の立場を狙うバカが暴走したりとかも色々ありましたが……まぁ、無事に対処できたのは良かった。

八男って、それはないでしょう! リコレクション

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「ヴェル、お前、相当に暇なんだな」

「まあな」

 

単行本110巻の特典SS等を収録した、電子限定書籍。

クルトに嫁ぐことが決まった時のアマーリエ視点のエピソードだとかもあって面白かったですね。

本編主人公のヴェルが実力ある魔法使いで飛行や転移を使いこなすし、なんなら飛行船使う資産もあるし。それらを駆使してあちこち飛び回ってるのもあって、つい忘れがちですけど、バウマイスター騎士爵家かなりド辺境にあるんですよね……。

アマーリエが嫁ぎに来るときの山脈越え、なかなかに大変そうでちょっと笑っちゃいました。

 

他にはヴェルの友人、ルイーゼやイーナ、エルヴィンたちの幼少期のエピソードだったり。導師が王宮筆頭魔導師という立場を活かし、視察という名目で田舎領地を訪問する話とかもあって、本編だと大暴れしてる印象が強いからちゃんとそういう仕事もしてたんだなぁって思いました。

……まぁその次のSSだと、グレートグランド討伐後にヴェルとブランタークを連行して草原の魔物退治してるエピソードで、ヴェルに食事の準備放り投げた上で出来た料理食べつつ酒を楽しんでるのが描かれてるので、見直しかけた評価がすぐもとに戻っていきましたが……。

 

ブロワ辺境伯の騒動に巻き込まれて、長々と陣を構えていた時に、エリーゼ達女性陣の料理にも個性が出てると話す「シチュー談義」が笑えて好き。

SS内でも突っ込まれていたけど、そんな分析しちゃうくらい暇だったんだね……。

後半、主要キャラのプロフィールと著者からのコメント載っているコーナーがあったんですけど、ヴェルのモットーが「住めば都、長いものには巻かれろ」なのに対し著者から「大分馴染んできたけど、前世とどちらが良かったか判別つかない」と言われてて、なんというか微妙に染まりきってない認定されてて笑った。

あんなに食事の改革とかして、自分好みの環境作ったりしているのに……。まぁその分苦労も背負ってるから天秤が揺れ続けてるんだろうなぁ……。

八男って、それはないでしょう!12

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(これからいよいよ 本格的な未開地開発のスタートだ…!)

 

王都で諸々の手続きを終えてバウマイスター領へと戻ったヴェル達。

建築物を移築できる魔法使いを頼ったり、ヴェル自身の開拓魔法を駆使したりでかなりのペースで未開地開発が進んでいるの面白いですね。

 

色々と任されたローデリヒが燃えに燃えて、主であるはずのヴェルをこき使っているの、多少なら笑えるけど、350回超も瞬間移動して本拠地候補の選定を1日で終えたり、開拓をハイペースで進める役を振ったり。

屋敷建築の土台工事、1時間で片付けたりしてるのでヴェルの魔法の使い方も器用ですよねぇ。ヴィルマが義父の屋敷建築の時は2年かけたとか言ってるので、実際すごい

 

とは言え、適材適所というにしてもこき使い過ぎてなんだかなぁ感はある。

まぁ書類仕事全般ローデリヒが引き受けて、それを過不足なくこなしている有能な人材なのも間違いないんですけどね。

工事計画前倒し出来てるから、二次工事も前倒しできますね、ってのはヴェルのケアを考慮してないのでは感。

エリーゼ達とイチャイチャして回復図ってはいますけど、それはそれこれはこれ、では……?



八男って、それはないでしょう!11

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「――…終わった…のか?」

「ええ…」

 

魔の森へ調査に出かけたイーナ達。

プランタークがかなり昔に作られた本を頼りに分析してましたが、妙にサイズ感が大きくて。人の身長よりも大きいバナナとかコーヒー豆とか、絵になると愉快だな……。

エサがデカいからそれを食ってる魔物もデカい、と魔の森パニックしてる面々も面白かったですね。

冒険者稼業そのものは楽しんでいましたが……ヴェル達が順調ということは、標的となっているクルト陣営は苦しい状況になっているわけで。

 

ルックナー男爵の遣いから魔道具を貰って、それによってヴェル達を打倒しようと目論んで。

「竜使いの笛」を用いて、数の暴力でヴェルを殺そうとしていましたが……。彼の師匠が死んでしまったのは、守るべき軍隊が存在していたのも大きいわけですし。

導師の応援もあったからなんだかんだ何とかなりそうな気配はしますがねぇ。

逆に今回用いられた「怨嗟の笛」の方が、クルトの情念だったり吹いた環境だったりが影響して、厄介な敵になっていたので笑えないんですよね……。

ヴェルとエリーゼの協力プレーでも対処が難しい規模で、導師が来てくれてたのは本当に良かった。

 

扱う者が怨霊だった影響で、クルトを打破したと思ったら残滓が王都に飛んでルックナー男爵家へと影響を及ぼしたので、敵側にも痛手を与えてくれたのは正直ラッキーでしたが……。

騒動の末に、父から過去にあった遺恨の詳細について明かされてましたが、そっちもそっちで救いが無いというか。血が流れまくって、得る物少なかった感がある。

実際のところ、ヴェルやその兄たちに詫びとして爵位が与えられたりして、面倒だった分の迷惑料は支払われているんですが、面倒事は面倒事だからな……。

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「ヴェンデリン パウル

「ただ 犠牲者が少ないことを望みます」

 

本格的に動く建前として地方巡検視の仕事が振られ、護衛として4人の男性陣とヴィルマという少女が派遣されることになって。

軍務卿の秘蔵っ子である彼女は、英雄症候群と呼ばれる極小の魔力で圧倒的なパワーを発揮できる体質だった。まぁ、その分いつもおなかすいたと言ってくるような腹ペコ娘ではあるんですけど。カロリー摂取を怠ると死んでしまう、厄介な代償も背負ってるようですけど、今まで生きてて良かったなぁという感じ。

 

爵位持ちではあるけど冒険者としても動くヴェルの傍に、普通の貴族令嬢はおけない。

注目株だから下手に手も出せないけど、こういう機会に護衛も務められる戦力を派遣するというのは、適した動きなんですよねぇ。

兄の態度もあって職務優先としての動きを見せようとしていたヴェルですが、父から母には顔を見せておけ、と言われることに。

母親は割と真っ当な価値観を持っていそうですが、発言権がなくて……。婚約者がいるなら挨拶だけでも、と常識的な対応してくれるの安心できますねぇ。クルトがアレだから……。

 

今回の滞在でケリをつけるべく、敢えてクルトを煽るような行動をとることもして。

遺品返還と、慰霊のための食事会を行うことに決めて。瞬間移動でヴィルマと海で食材採集にいって、シーサーペント討伐したりしてるの挑発するにしたって規模がデカいというか。たまたま出会ったから有効活用しただけではあるんですが。

熊もシーサーペントも斧で一撃なヴィルマ、頼れる前衛ですよねぇ本当に。

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「ああ みんなの言う通りだな

 考えすぎて思わぬミスをすると大変だし 気を引き締めてこの先に進もう…!」

 

9巻、ヴェル父、兄クルト、名主クラウスというヴェルの故郷の筆頭3人がいてむさくるしい表紙ですねというかなんというか。

エルから恩を売るために引き受けろと進言されたこともあり、魔法の袋の中の備蓄を活用したバザーを開催することに。

 

辺鄙なところにあるバウマイスター家の領地においては、なかなか見られない品を打ってくれるとあって、領民からは好評を博すことに。

支出する先もないから領民たちはお金をため込んでいたので、初回はなおのこと好評でしたけど。ヴェル達がお金回収しているだけの形になっているのは、まぁ良くはないんですが……。

ヴェルパーティーの面々からも、貧しさの次元が違うとか、予想以上に深刻とか評価されているのも納得。

 

速攻で脱出した故郷にやってきて、父親世代の遺恨とかも聞くことになって、面倒な仕事がさらに面倒になったりもしてましたけど。

パーティーメンバーからメンタルケアしてもらって、最悪亡命することになってもついていきますと、正妻枠であるエリーゼが直接告げていたのは強いですねぇ……。

アンデッド討伐という本来の仕事に取り掛かったら、割とサクッと解決できていたのでスペックは流石だなぁという感じですが。

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「――そうですね 血統上はクルト殿の弟ではありますが…

 公式の場では俺は独立している『法衣男爵』ですよ」

 

ようやくブライヒブルクに帰還し、気ままな冒険者生活を送っていたヴェル達。

遺跡探索ではヴェル達魔法使い組の活躍が光っていたからこそ、というか。エルやイーナは気合が入っていたりしたようです。

まぁ普通の冒険者はそうした魔物退治にいそしむようですが……。

最初期に竜討伐して、冒険者デビュー後に遺跡に挑む事になったヴェル達が普通なはずもなく。

 

ブライヒレーダー辺境伯から、15年前に派遣した魔の森への遠征隊についての依頼を持ち込まれることに。

間違いなくアンデッド化しているだろう彼らの浄化。

子孫に遺恨を残さないためとか、ヴェルの故郷だから瞬間移動の魔法で直ぐに行けるし、ヴェルとエリーゼという聖属性魔法の使い手がいることなどの理由が加味して持ち込まれたみたいです。

とは言え、ヴェルはあの実家に顔を出すのを面倒がってはいましたけど。

 

実際帰還して、領民たちには歓迎されていましたが……兄に死を望まれていただろうことに気付いてしまって、ヴェルが憂鬱になるのもまぁ無理のない話でしたねぇ。

家を出て爵位を得た弟相手に、まだ跡取り段階のくせに難癖付けて反撃くらってるクルトは本当にもう小物なんですよね……。

しばらくそんな小物だったり、長らく暗躍している名主のクラウスを相手取ることになるので、ヴェルは本当にお疲れ様というほかない。



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「そもそも、ブレンメ男爵家を潰すなと言ったのはブレンメルタール内務卿では? 謂れた通り潰していませんよ」

 

弟子三人娘とフィリーネと正式に結婚することになり、式を挙げて。

普段あちこち出かけていることもあって、新婚の面々で静かに過ごせる場所に出かけようということになって。

 

料理だけしてればいいのに手を出して失敗しがちなベッティの兄が、うっかり購入してしまった山小屋でゆっくり過ごそうとしていましたが。

予期せず訓練中に負傷した王国軍人たちと出くわすことになったり、彼らから聞いた情報を基に山道整備をした結果、山小屋で人をもてなす必要が生じたりと、戦闘があったわけではないですが、穏やかなだけで終わらないのが彼らしい。

 

はぐれ魔族と称される魔族の国から違法に出国し、リンガイア大陸にやってきた魔族がいるとかで。

魔法の力を持っているならば魔族でも構わないと貴族に雇われ、紛争に駆り出されるなどの問題も起きているというのは、めんどうな話で。

ブランタークや導師も調停に駆り出されていたりしてましたが。

ヴェルの義姉アマーリエの実家である、マインバッハ騎士爵家と隣接するブレンメ男爵家がはぐれ魔族を雇って紛争を仕掛けてきたりして、ヴェルも他人事で済まなかったわけです。

 

まぁ彼が動けば戦力的には問題なく対処できますが、内務卿が徒に貴族家を潰すことに反発してきて。そうやって家を潰すっていう最後の手段を取らずにズルズルと続いているから、馬鹿な貴族が増えていくんじゃないか疑惑が……。



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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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