気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

八針来夏

肥満令嬢は細くなり、後は傾国の美女(物理)として生きるのみ3 聖女戦争

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「ああ、そうだ! それでいい! そうすれば……このナダール教国の男たちに『女の尻に隠れていた』と陰口を叩けるものはいなくなる!

 命を惜しむな、名を惜しめ! そなたらは誉れ高き勇者だ!」

 

WEBは完結してて2巻まででその部分を収録し終えたので、完全書下ろしで送られる第3巻。さらに4巻の発売も決まってるとかで、楽しみですね。

 

神殿騎士メリダの薦めで、聖女認定を受けるべくガレリア諸王国連邦の南にあるナダール教国を訪問したローズメイ一行。

メリダは彼女達に良くしてくれましたが……元々北方と南方で断絶のある国柄なこともあり、船の寄港を許されない政治闘争が起きたりもして、長々と行軍する羽目になったり。

かと思えば、帝国の隠密が隠れ蓑にしている商会が故あって立ち往生しているのに遭遇。そこで、因縁のあるシーラとローズメイが再会することにもなって。

 

シーラ、あの最終盤面で死んでも良かったと思っていたから、ローズメイ相手にも引かず、相容れないけど慕っているという独特な立ち位置で近づいてきて。

そして重宝されている工作員らしく、ローズメイにも利益を齎してくるので、思う所がありつつもローズメイも受け入れざるを得ないの立ち回りが上手いと思いましたね。

 

苦労しつつ訪れたナダール教国では、高位貴族たちの間で『後添え』という死後の付き添いをさせるために女を攫ってきて殺すという因習が残り続けていて。

それを目の当たりにしたローズメイは激怒し、その因習を享受し続けて来た貴族を打破するために動き始めることに。

そうして苛烈な意思を示したローズメイの下には、かつて同じように因習を打破しようと立ち上がったものの討たれてしまった反乱軍の生き残りだとか。今まで立ち上がる事の出来なかった騎士たちなんかも合流して、異国の地ながら軍の形を取れているのはさすがローズメイというか。

 

教皇もこの因習には思う所があり、ローズメイ達の勢いを増すような助力をしてくれたり。その一方で責任を負うために立ちはだかったりと、かなり難しい立ち回りをしていましたが。

……いや、善性の人なんですよね。因習を許せず打破しようとした過去を持つ人であり……それを為せず、縛られることになってしまった人。

この最終局面で自分を裏切った相手に、「お前の行いがお前に返った」と言いに行ったりしてるの強かだな、というか。やるべきことはしっかりやってて偉い、というか。

今回、海神がその意思を示してくれましたが、全知全能故に見通せず結果的に良くない結果を導いてしまっただけで、善性の神だったのは良かったですね。

 

この世界の神様、人々の信仰の影響を受けるので、この『後添え』の件が知れ渡ったら悪神に堕ちるだろうと、その前に自身を滅ぼせとローズメイに言ってくるのとか、神様の視点だなぁ……って感じがして、貴方の行いを拡大解釈した貴族が悪いので、恨むのも微妙に筋違いなんですが。最後に筋を通して逝ったので、なんだかんだ嫌いにはなれない良い神様だったんだと思います。

肥満令嬢は細くなり、後は傾国の美女(物理)として生きるのみ

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「ああ、確かに……顔を隠し、名を伏せ、隠者の如く暮らせば……戦わずに生きていけるやもしれぬ」

(略)

「だがそれはしょせん野ねずみの生き方よ!

 権力者の手から逃れようと息をひそめ、顔色を窺う人生にどれほどの価値がある!

 おれは侵略者を駆逐し、敵を屠る生き方をしてきた! たかだか一度死んだ程度のことで、いまさら生き方を変えられるわけもないのだ!」

 

国土拡張政策を続けるサンダミオン帝国との争いが続くルフェンビア王国。

その国の王子ギスカーと婚約していたのが、主人公のローズメイです。

彼女は、帝国との戦いの中で父と兄が命を落としたことや、様々な状況を鑑みて王国が詰みかけていることに幼少期に気が付いて。

婚約者であるギスカーを思っていた彼女は、心優しい彼は戦地では生きられないだろうと、武門ダークサント家直系の唯一の生き残りとして、自ら戦いに赴いたわけです。

 

強力神に願掛けをし、生来の美貌を失い「醜女将軍」なんて蔑称で呼ばれ、愛した王子から嫌われようとも。彼女は戦い続け、王国最強の戦士にまでなった。

そんな彼女を、ギスカー王子が突如として最前線から呼び戻してきたのですわ何事かと思ったら、宮廷で衆目がある状況で婚約破棄をするためだったっていうんだから、暗君すぎるなぁ……。

いやまぁ、ギスカーを上手く躍らせた帝国の工作員が一枚も二枚も上手だったということでしょう。策に嵌り絶望的な状況に陥ろうとも、ローズメイは最後まであきらめず……帝国の策略にのって反乱を起こした首謀者を打ち倒すまではやったんだから、お見事。傑物というほかない。

 

そりゃ、強力神も目をかけるというものでしょう。

たった十人の騎士を連れて八千の敵に向かい、斬首作戦成功させるとかとんでもないですからね……。

自らの命が燃え尽きる最期の最期まで、強力神に願った思いを抱えて走り切ったローズメイ。強力神はそんな彼女のために奇跡を起こし……強力の加護の代わりに、肉体美の加護を与え、新たな人生を送れるように計らってくれたわけです。

将軍ローズメイが死んだと思われてから、約一年ほどたった王国とは別方向の国々の下に送ってくれるという形で。

 

そして新天地でローズメイは、誰もが目を奪われる美貌ながら、迫る脅威を力で打ち破る豪快さで多くの人を引き付けることになるわけです。

貴族の横暴さに巻き込まれ生贄にされかけていたアルビノの少女シディアを助け。その苛烈な生き様でシディアを攫いに来たゴロツキを改心させ。貴族の血を引くがサイコパスじみた思想から神職に押し込められた神官を成敗した。

そこから神官の実家の罪を糾弾しつつ、この国でも暗躍していた帝国の野望を予期せず打ち破ることにもなったわけです。

……ただ結果的に上手く生きすぎて、敵の仕込みを悉く叩き潰した結果、配置されていた屍術師に後先考えずその地に地獄を生み出せという許可が出されてしまうわけですから、世知辛いものがありますねぇ。

 

改心したゴロツキ達の数名、別の策略に巻き込まれ命を落とすことになりましたが、最後まで「夢を見せてもらった」と足掻いて、情報を吐かずに逝ったところとか。

終章で描かれた、婚約破棄した後の騒動の中で少しだけマシになったギスカーですとか。誤った選択をして生きて来た人が改心しても、その先の道は険しいし……後の世に残るものはほとんどない、というのが厳しくも誠実で、わりと好きな描かれ方してました。

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ちゃか

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