『力は誇示するものじゃなく、見せるべきときに見せるもの。それが護衛の……いや、フィアレス家の信条ということにしておこうか』
『はい。兄様の仰せのままに』
それぞれの種族があつまって出来た、七つの帝国がある世界。
そこは仲の悪い種族も多く、争いが絶えない状況であった。ある時、天帝国の女皇帝アルスメリアは不戦結界を張って争いを止めた。
しかしそれは彼女の命と引き換えのものであり……護衛を務めていたヴァンスはその意思を汲み、協力した末に転生術式で未来にわたる彼女についていくことを決めた。
1000年の後、無事に転生を果たしたロイドは孤児ではあったが、記憶と技は継承していて……とある貴族に見込まれて養子として迎えられることに。
当初は母を取られたようで妹のカノンとの折り合いが悪かったみたいですが。彼女達を出し抜こうと考えた別の貴族家からの介入を、協力して退けたことで和解した模様。
どころかカノン結構なブラコンへと変貌してる気がしますが……まぁピリピリしてるよりはいいか。
前半は迎え入れられた後の若い時期で、中盤あたりからサブタイトルの魔法学園に行くエピソードになってますね。彼らと同時期に、各国の姫も入学することになっていて。
不戦結界は健在で大規模戦闘魔法を封じるためのもので、戦争は禁じられたけど往来や大規模ではない術式まで封じたわけではなく。入学時に対峙した姫たちがバチバチ言い合いしていたのを、気付かれぬように阻止したり。
かつて護衛騎士として務めた経験のあるロイドは、その実力を大っぴらに見せることを良しとはしてなかったですけど。力を使う時にはしっかり振舞っていたのは良かったですね。
コミカライズだと1~2巻までのエピソードであり、今コミックが11巻まで出ていることを思うと物語の続き自体は作られているみたいです。
ただ、カクヨム掲載部分としてはこの書籍化範囲プラスαくらいしかないことや、小説版1巻で止まってしまってるのは惜しいかなぁ。