「ちょっとだけ、待ってて」
(略)
「僕が祓うから」
普通の人生を送っていた青年が、通り魔に刺されて死亡。
……そして気がついたら彼は前世と似ているけれど、魔物とそれに対抗する祓魔師が存在する世界に生まれ変わっていた。
赤ん坊の状態でも意識ははっきりしていて。体が出来ていないから動けないし喋れないけれど、目と耳といった知覚能力だけははっきりしていた。
生まれた直後、母に「どうか無事に三歳を迎えられますように」という不穏な言葉を言われ、気にかけていたみたいですけど。
魔力が身体の中にある器のなかから零れると、強烈な痛みをもたらす「魔喰い」という現象に襲われること。そもそも祓魔師という仕事が危険で、死に近い家であったようですねぇ。
生まれ直した先でも死にかけないといけないのか、とイツキは祓魔師になりたくないとすら思っていましたが。長男が家を継ぐ伝統があるようで、逃れることも出来なそう。
それならば、出来るだけ強くなって死なないようにしよう、と彼はずっと努力を続けて……彼の想定以上に評価される力を会得するに至ったわけです。
基本的に6段階で評価される祓魔師において、例外として規定されている7番目として認定されるくらいですしねぇ。
同年代の少女達も許嫁になろうとしてますしね。親世代の思惑もあるでしょうけど、優良物件なのは間違いないですからね……。
実際まだまだ若い、どころか幼いと言っていい年齢の内から、歴戦の祓魔師でも叶うか分からない高位の魔物と戦う羽目になって、人的犠牲を出すことはなく勝利しているの凄いですよねぇ。