気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

出水ぽすか

アルマーク3 闇の遺跡編

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「剣は、重かったでしょう」

アルマークが頷くと、デラクは、剣ってのは重いもんなんだ、と言った。

「男はみんな初めて剣を握るとき、その重さにおののくんです。なんでかって言やあ、それが自分の命の重さと同じだからです」

 

イラストレーターが変更となって刊行された3巻。

コミカライズ担当されている方ですかね? そっちまでは追えてないので、追々読みたいという気持ちはある。

休暇で出ていた生徒たちが、それぞれのタイミングで戻ってくる時期となって。

次に開催される行事、武術大会に向けて代表を選抜したり、特訓を行うことになったりしていくわけです。

 

その間に、アルマークとモーゲンは寮の管理人のマイアから仕事を振られることに。

曰く、カッシスという寮で働いている老人が風邪をひいたから、雑務を任せたいということで……彼女に慣れているモーゲンは、反論しても届かないと分かっているのと、世話になっているのとがあって、すぐに引き受けていましたが。

読者目線だと接点の薄い人物が無茶ぶりしてくるので、アルマークが「あの言いぐさはあんまりだ」と言ってくれたのは良かったですね。

 

学院長とマイアが話している別視点のエピソードがあり、大人たちは何か警戒している出来事があり、それに対処したい。

けれど、彼らが守りたいものは「その価値を知っていたり、欲する者は、手にすることができない」という厄介な魔法が掛かっていて。だからこそ、強引だろうと何も教えずに送り出したそうで……。

運命に翻弄されていきそうなアルマークが、まだまだ未熟なのもあってもどかしい気持ちも募りますねぇ。

 

でも、アルマークも戦いに関しては自負があって。

書き下ろしで登場することとなったサブタイトルにもある「闇の遺跡」。

モーゲンやウェンディと共に、闇の力に染まった守り人と戦うことになって……北の傭兵の息子とバレたくないアルマークの気持ちを汲んだモーゲンがフォロー入れてくれたりしてたのが良かったです。

闇で歪んでしまったグルムブルが零した「北辺の祝福されぬ民」とか零していたのとか、気になる情報多すぎるんですよねぇ。ウォリスも独自の思惑を持って動いているみたいですし。

武術大会でもなにか起こるって予言してきた子までいるし、これからもアルマークは大変そうですね……。

 

巻末の閑話『北の傭兵の息子が初めて剣を握った日』。タイトル通り、アルマークが剣を手にするして、初めて戦いに用いることになるまでを描いたエピソード。傭兵たちの矜持を感じる部分があり、とても好きなエピソードでした。

アルマーク2 北からの暗殺者編

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「なら逃がすことは出来ない。あの子の不安は取り除く」

「……それなら、お前の命は俺にとって奪うべき命だ」

 

夏の休暇が近づく中、ほとんどのクラスメイトは実家に帰るようですが……。

アルマークは北に帰ったら戻ってくるまでに一年経ってしまう為帰れず。友人のモーゲンも実家が裕福ではない関係で、寮に残る組だそうで。

どうやって時間を潰そうかモーゲンが嘆いていたところ、ウェンディがウチに遊びに来る? って声かけてくれたのは3人の仲の良さが伝わって来て良かったですね。

 

まぁその肝心の休みを満喫できるかどうかは直前の試験をしっかり乗り越えてこそ、なわけですが。

クラスメイトのネルソンなんかは、勉強が苦手で予習段階で四苦八苦したりしてましたし。

アルマークも魔術実技の時には、迷って間違った選択を仕掛けたりする場面も。そこで踏みとどれる冷静な部分もあるので、アルマークはこれまで経験してこなかっただけで、素の頭が良いんだなぁって感じがしますね。

 

百余年以上前に争いが途絶えた南の魔術学院で教わる世界概論――神様にまつわる話では、アルマークが北で教わってきた神話と合致しない部分が多く困惑する事が多い、というのは気になりますね。

言葉が通じるくらいには近しいはずなのに、文化的に大きな差異があるのはどうしてか。

……時折、学院長が見せる沈痛な雰囲気とかも合わせて気になりますねぇ。そもそも世界概論で出てきたある神の異名を、学院長が以前に零してましたからね……。

それを踏まえると、今回のサブタイトルでもある「北からの暗殺者」を派遣した黒幕陣営もかなり厄介な存在なのではって予測が立つので恐ろしい。

 

休暇に入った後、ウェンディから届いた手紙には約束していたけど、家の問題で招待できなくなってしまったという謝罪が書かれていて。

残念がっていた2人でしたが、アルマークが思い立って行動を起こしたことで、危地にあった友を救う事が出来たわけですから、ひとまずは安心できました。

その選択自体が、なにか事情を知っている人々に影響を与えた気もしますが……現状情報が足りないからなぁ。

 

元傭兵の北からの暗殺者に相対したアルマークが、戦士として振る舞い成果を挙げたのは見事でしたが……その強さは南にあって浮いてしまうもので、彼の誇りでありながら彼を縛るものになってしまうのが、なんともやるせない。

モーゲンがアルマーク自身を見てくれたのが本当に良かった。

 

巻末には閑話・残雪。北から南に向かう旅の途中のアルマークを描いたエピソードで、北と南の差異を実感するエピソードでしたねぇ。それでも、良い出会いもあってホッとしました。


アルマーク1 魔法学院入学編

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「旅の途中、僕は中原や南の平和な国々を見ました。その豊かな生活に触れました。……なぜ、北だけが。僕はそれが知りたい。そして北の国々に平和を、人々に豊かな暮らしを。それを実現するために僕は北に帰ります」

 

大陸北方では、多くの傭兵団が集い血なまぐさい争いを長年繰り広げていた。

その一方で南方では戦乱の火が絶えて百年以上の時が流れており、北と南では考え方などに様々な差異が生じる事となった。

そんな中、主人公のアルマークは北の傭兵団で生まれ、そこで育てられていたが……ある時彼の父が、南方にある魔法学院の校長を助けた事で、魔術師になるという道が拓かれることになって。

アルマーク自身は北の傭兵としていきたかったようですけど、父に強く推され南へと旅をすることになります。

 

魔術学校とは、魔法の才能があれば出身・身分に限らず教育が受けられ、6年間の学院生活を終えた時に正式な魔術師として認められるという。

校長はアルマークの才能を認め、是非入学してほしいと言ってくれましたが……北の地は荒れ、アルマークも傭兵として戦うことになり9歳になってもすぐに入学は出来ず。

いざ旅立ってからも北から南への旅は長く、金銭的な問題もあってアルマークが学院に辿り着くときには彼は11歳になっていた。

学院に入学できる子供は9歳に限るとかのルールもあるようで、彼は魔法の知識がない状態で3年生に編入されることになって。

 

そこで彼を手助けしてくれる、良い出会いもあったりするわけですが。

中には未熟な彼の存在を快く思わないクラスメイトも居て、突っかかって来たりもするわけです。でも、北で実戦を経験しているアルマークは動じず。

むしろ相手をハメて、「貴族や平民という区分で差別をするな」と誓わせてる辺り強かですね。教員にはちょっと叱られてましたけど。目的は正しいけどやり方が良くなかった、と言うのは、まぁ確かに。絡め手ばっかり覚えても良くないですからね……。

魔術の実技では及ばなくても、武術や暗記科目なんかは得意で少しずつ着実に進んでるのがいいですね。

 

アルマークが入学したてということもあって、まだまだ序章ですがこれからの成長に期待。WEBある程度読んでるんですが、学院祭とかもやるんですよね。その章が最高なので、気になった人は是非そこまで読んでほしい。

巻末には閑話として「不思議な窓」を収録。モーゲンから聞いた「謎の窓」の噂をアルマークとウェンディが確かめる話で、微笑ましかったです。魔法学院らしいエピソードだった。

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