「私が捨てた未来を貴方が拾うなら 貴方の捨てる現在を私は拾いましょう
呪いなどに変えさせはしない 魔法は明日への祈りと 幸せを願うもので出来ているのです!
構えなさいアルガルド ――貴方の定義を否定します」
30~36話を収録した第6巻。
離宮に居たレイニの下に直接現れたアルガルド。イリアも襲撃を察知して即座に逃げを打っていたり、攻撃を躊躇わなったり優秀なポイントはあったんですが。
覚悟を決めた彼の足は止まらなかった。レイニの心臓を暴き、そこに秘められた魔石を取り込み自らをヴァンパイア化させたアルガルド。
そんな彼の前に立ちはだかるは、竜の力を自らに取り込んだキテレツ姫アニス。
婚約破棄騒動は魅了に影響されなかったユフィリアを排除するためで……アルガルドは、レイニの魅了の力に気付きつつ、自らの感情に振り回されないようにしていた、と。
……そこで変に覚悟を示さなくてよいんだよ……。
まぁ、魅了周りでは囚われてはいなかったとして……彼は、キテレツながらその才覚は間違いがないアニスという存在を、絶対に認めないこの国に対して思う所はあって。
国の病んだ部分を見て、それを打破する力がある者と彼が認めたユフィリアやアニスは、現状維持を選ぶ。ならば凡人である自分が、その壁を打破するために力を求める。
歪んでいるけど一貫していて、だからこそ姉弟の決別が悲しい。